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6月10日 E3の話① Xboxの話。

 もしかしたらXboxの新型の情報が出るかも知れない……と思って夜明け前の5時に起きて発表会を視聴。
 最初の方はXboxの公式サイトから見ていたのでよくわからない英語を聞いていたのだけど、『サイバーパンク2077』が終わったあたりで、ニコニコ動画で日本語同時翻訳版が放送されていることに気付いて、2窓で視聴。もっと早くに気付いていたらなぁ……キアヌ・リーブスが何を言っているかわかったのに……。(あとで翻訳記事を読みました。めっちゃテンション上がってたね)
 キアヌ・リーブスの登場はやっぱり盛り上がっていた。映画スターの存在感は凄い。デザイナーががんばってイケメンを作っても、映画スターの顔と体を取り込んだもののほうがその上を行く感じがある。デザイナーの発想では描けないものを、生身で持っているから、彼らはスターになれるんだろうな……。

 言葉がわからない状態で洋ゲーのムービーをただただ見ていると、あちらのゲームはどのゲームを見てもゾンビが出てきて、銃で撃ちまくっているなぁという印象。
 これは「文化的な主観の相違」というやつで、欧米の人は、「日本のゲームはみんな髪の毛をツンツン立てて、筋肉もないひょろひょろとした子供が身長ほどある大剣を振り回しているよね」と思っているはずなんで。相手の国を大雑把にまとめあげると、だいたい似たようなイメージに見えるけど、その国の人から見ると一つ一つが違う個性として見える。一つ一つに対して「あの作家の作品だから支持する」という情熱があるはず。外国のゲームだから同じに見えるだけ、なんで。こういう文化の差はそのまま国の個性なんで、無理して相手側に寄せる必要も合わせる必要もない。
 アメリカが日本文化を意識して寄せた作品は大体シュールな映像になるから、日本人がアメリカ文化を意識して寄せようと思っても、同じくらい変でシュールだと相手側に思われるだけ。
 欧米のゲームがどれを見てもゾンビが出てきて(ナチスというパターンもあったけど)、銃でひたすら撃ち殺す……というイメージになるのは、これも彼らが持っている文化的背景によるもの。ぶっちゃけて言うと、「人間撃ち殺したいけど、ダメだからゾンビってことにしよう」ってそういう話。
 欧米のゲームは攻撃性のコントロールからゲームの構想を組み立てているのに対して、日本はあくまでも「物語」を主に置くので、こんな差が出てくる。

 さてさて、映像を見ていて気になったXboxゲームについて取り上げよう。

Blaier Witch

Blair Witch - E3 2019 Reveal Trailer

 1999年の映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を原作にしたホラーゲーム。
 曰くつきの不気味な森の中を、男と犬が足を踏み入れていく……。シチュエーションといい、私好みのタイプだ。これで一人称視点じゃなかったらなぁ。一人称視点ゲームはあまりやりたくないんだ。
 ビデオカメラを持って森の奥に入っていく……というゲームだが、すでに森に入って戻ってきた人がビデオを撮っていて、それをヒントに進んで行く、という感じだろうか。「生存者」ではなくて、「行方不明者」を探すために、ビデオ映像を手掛かりに進んで行く……というほうかな?
 ただ映像を見た感じ、あまりホラー的な恐さがあるようには見えない。森に住むモンスターがガンガン襲ってきて、撃退していく感じかな。モンスターのシルエットがノイズっぽく浮き上がる演出が、『プレデター』を連想させる。こういったゲーム、どんなモンスターが出てくるか、どんなふうに出てくるか、どんなふうに対処するのか、こういった諸々が大事になってくる。銃をガンガン撃って撃退できるんだったら、他のゲームと大して差異がないわけだし。

Forza Horizon 4 『LEGO』拡張パック

 発表会会場の照明が落ちて、車が運び込まれ、映像が始まる。
 『Forza Horizon 4』かと思ったら……『LEGO』!
 映像が終わって会場が明るくなり、運び込まれた車が実はレゴだったということがわかる。シルエット状態では実車だと思っていたのだが、実はレゴを組み立てた車だった! とかなり小粋な見せ方。しかしよく作ったな……。シルエット状態の時は実車だと思ったのに。
 『Forza Horizon 4』の『LEGO』拡張パックだそうだ。
 ステージ上のあらゆるオブジェクトがLEGO化しちゃうそうなので、それを薙ぎ払って突き進むことができてしまう。って、これはかなり面白い。攻略のやり方がまるっきり変わるじゃないか。単純にLEGOカーが出てくるだけの拡張パックとは思えなかったので、ずいぶん手の込んだアップデートだ。

Microsoft Flight Simulator

 物騒な撃ち合いや殴り合いばかりの映像の中で、一際目立った存在感を持っていたのがこの作品。フライトシミュレーターの『Microsoft Flight Simulator』……って、そのまんまやね。
 MicrosoftのAIプラットフォーム「Microsoft Azure」が活用されたタイトル……という話だけど、それはそれとして映像の雰囲気が良い。ゲーム的な部分はわからないけど、ただただ飛ぶだけ、風景を見るだけでも楽しめそうな作品だ。上質なグラフィックを有効活用したゲームだと思う。

Way to the Woods

 これまた雰囲気のいいゲーム。親子の鹿が、文明を失った廃墟の中を探索していくゲームだ。
 この記事を書くにあたり、作品の情報を探したのだが、なぜかE3記事の中で、この作品だけ記事化されていない。タイトルで検索すると、出てくるのは4年前の記事。16歳の学生らが協力してゲーム制作に当たっている……という記事だ。
 ゲーム系記者的にあまり琴線に触れなかったのか、それとも別の事情があるのか……。
 とにかく、私はこういう映像好きです……とだけ書いておこう。

テイルズ・オブ・アライズ

Tales of Arise - E3 Announcement Trailer | PS4, X1, PC

 前日に情報が漏れちゃってたような気がするけど……。
 今までのイメージから一新し、リアルな3D空間が構築され、その中を冒険できるスタイルになった。アクションゲームとしての要素が強くなったように感じられる。
 ただ……欧米のフォトリアルな作品が並んでいる中で出てくると、どうもここの質感の弱さが気になってしまう。遠景で見ると風景の美しさに感心するが、クローズアップすると「あれ?」と色んな部分が目に付く。木の質感とかやけにツルッとしているし。キャラクターのキレイすぎるアニメ顔もどうにもハマッているような感じがしない。うーん、“汚し”を入れたくなる。
 女の子の体内から剣を引き抜く……ライトノベルファンタジーではよく見かける画だね。日本人にとっては、美少女も剣も象徴的なものなので、まあ文化的な個性ってことで。

まとめ Xbox新型

 まあまあいろいろあって、いよいよXbox次世代機、「Project Scarlett」(開発コードネーム)が正式に発表となる。
 内容は、AMD製新型GPU、Zen2が登載され、リアルタイムレイトレーシングに対応。ストレージにSSDが採用され、ローディング速度は劇的に速くなるという。8K120fpsのグラフィック表示が可能となる。
 ……あれ? これってPS5では? 見ていると次第にPS5の発表をやっているのかと思ってしまった。

Halo Infinite - E3 2019 - Discover Hope

 次世代機ローンチタイトルとして『Halo Infinite』の映像が流れたが、おそらく全てリアルタイムなのだろう。
 こういった映像の良し悪しは私にはわからない……。光の反射の仕方とか、テクスチャの密度とか、従来機と比較すると、見る人が見れば違いは歴然なのだろうけど……。私にはわからないです。
 これだけの映像が、おそらくローディング1秒とか2秒の世界になるわけだから、快適性はガッと上がるのは絶対的に間違いない。

 予測していた流れではあったのだが、PS5もXboxも技術を提供しているのはAMD。同じタイミングで新型ゲーム機を作り、その時代最高のものを詰め込もうと思ったら、当然、同じような構成になる。
 これだけの情報だと、立体音響を有しているPS5のほうが一歩前に出ているように感じられる。立体音響はオブジェクトベースオーディオ(OBA)というソニーの独自技術で、音という部分でソニーらしさをゲーム機に込めることができている。
 Xboxでは「Xbox Game Pass」ですべてのマイクロソフトPCでXBOXのゲームができる……という強みがあるけども。これはXboxの仕組みではない。
 グーグルもゲーム機STADIAが待機中だが、こちらもAMD。うーん、見事にAMDが並んじゃった。GPUの先端技術を持っているのがAMDとNVIDIAくらいしかないから、方向性や性能の天井がだいたい同じところに固まってしまう。急速に「そのゲーム機」としての意義が薄くなっていって、「象徴としてのプラットフォーム化」が進んでいるように感じられる。
 これだけ中身の構成が同じもので作られているんだったら、もうクロスプレイOKにしちゃえばいいじゃない……って気がするけど。いや、いっそPSとXBOXに互換性を付けちゃうとか。ここまでくると、差異は独占タイトルに何を持っているかくらいしかないような気が……。

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