10月13日 空想することは病気なのか?

1日4時間以上空想が止まらない症状「過剰空想」とは ?

〈引用〉

1日に4時間もの時間を空想の中で過ごす「過剰空想」な人々がいる
空想自体に問題があるわけではないが、あまりに長時間の空想は現実世界にも影響をきたしてしまう この症状に関する研究は少ないが、治療には認知行動療法が有効とされる

 ん? これダメなのか?
 これこそ「創作の源泉」なのだが。これじゃ世の創作を仕事にしている全ての人が病気だと言っているようなものじゃないか。
 空想上の感情に揺さぶられて……って、私たち、そうやって物語を作ってるんだって。自分の頭の中でシミュレートしたもので泣けなかったら、誰も泣かせることはできないって。

 創作をやっていない人であっても、空想はするべきだ。あれこれ考えて、迷うべきだ。
 自分の将来をどうすべきか、目の前の問題をどう解決すべきか、新商品はヒットするだろうか、どのように話せば取引先は納得してくれるだろうか……なんでもかんでもじっくり考えるべきだ。頭の中でシミュレートして、ダメなパターンが出る可能性があるなら、一つ一つ潰していく。「正解」「成功」を導き出すための空想は絶対に必要だ。
 空想すらしない人はどうあがいてもうまくいくわけないでしょう。自分が失敗する可能性すら考えない人だから。

 想像力のない人の生活って、傍から見ていると結構危ない。例えば、棚の上とか空いているからといって大きな荷物を置いていたりする。もし地震が来たら危ないじゃないか――しかし想像力のない人はそうは考えない。「そんなの、滅多に来ないから大丈夫」と言ってしまう。
 自分が失敗するかも知れない、事故に遭うかも知れない……とは考えない。そういう失敗をするのは自分ではなく他の誰かだ……想像力のない人ほど、「自分かも知れない」とは思わない。

 なんでもしっかり考えること。しっかり考えない人が成功するわけがない。
 意味のない空想でも別にいい。それはそれで、案外楽しいものだし、暇な時間を埋めることができる。空想の仕方次第でクリエイティブなのものにもなる。
 私の場合は、楽しいと思える空想は必ず文字に書き起こす。自分で楽しいものは、他の人にだって楽しいと思えるはずだ……と思っているからだ。下らないと思っているものにこそ、思いがけないものが眠っている。
 空想を“病気”として認定し“治療”しようとする……これはどうにも、思考そのものを矯正しようとしているような感じすらする。空想を病気として見なす考え自体には、私は異議ありだ。

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