Netflix ターザン:REBORN

 1885年、ベルリン会議において、ベルギー国王レオポルド2世がコンゴ盆地の領有権を手に入れた……。
 ああ、ちゃんとした時代設定があるのね。
 ベルギーによるコンゴ支配という実際の歴史を描き、その中にファンタジー的な登場人物であるターザン=ジョン・クレイトンを描き、実在感のある存在として浮かび上がらせる。
 『ターザン:REBORN』はかの有名な『ターザン』のその後を描いた物語だ。本当の古里であるイギリスに戻ったターザンが、どんな理由でジャングルに戻るのか……。というこの課題はものすごくうまく乗り越えている。当時起きていたこととファンタジーをうまく絡み合わせ、ターザンが真実味あるキャラクターに感じられるし、アフリカに戻る理由にしても納得がいく。この辺り、さすが『ハリー・ポッター』の後期シリーズを務めたデヴィッド・イエーツらしい。リアルな社会描写とファンタジーを混ぜ込ませるのがものすごくうまい。
 ただ物語の進行がかなりスローペース。というのも回想シーンが多すぎる。子供のターザンがいかに両親を失い、ゴリラの群れに育てられるようになったか……という解説的なシーンが描かれるのだが、これが長い。
 『ターザン:REBORN』には「前作」に当たる作品がないから仕方ないことといえなくもないのだが……(ある意味で「前作はある」と言えなくもない)。誰もがかの『ターザン』の物語を知っているわけではない。回想でお話のペースが乱され、リズム感を失っているのが惜しい。
 最近のこういった映画の宿命ではあるのだが、実際の俳優よりもCGキャラクターのほうが動きのキレが良い。例えばターザンとゴリラのタイマン勝負の場面。走っているカットから、すでにゴリラのほうが圧倒的に動きが良い。人間が勝てそうに見えない。主演のアレクサンダー・スカルスガルドはもの凄く体を鍛えていて、素晴らしいアクションをこなしたのだけど、やっぱりCGキャラクターのほうがいい動きをする。CGキャラクターと並べると、生身の人間はどうしても見劣りがする。CGが進化し過ぎたかゆえに出てきた問題といえなくもない。
 映画のクライマックスについてだけど……ネタバレになるので曖昧な言い回しをするが、アレはプロットからはみ出してしまった感じがして惜しい。「あれ? 終わってるよ」という感じ。いや、もの凄く見応えのあるクライマックスだったのだけど、アレだけがちょっと気になってしまって。
 気になること。
 傷口を蟻の口で閉じるシーンがあるが、『アポカリプト』(メル・ギブソン監督)でもやってたやつだ。あれって、本当に効果があるのかな……?
 クライマックスシーンで、ターザンの「仲間を集める」というシーン。原語で「フレンズ」という言葉が出てきて、とっさに「けものフレンズ」だと思った私は末期だろうか……。実際、フレンズがぞろぞろ集まってくるのだが。
 回想シーンが長いとか、アフリカ奥地の部族がなぜか英語を喋るとか、細かいところで「あれ?」というのはあるけど、基本的にはかなり面白い。主演スカルスガルドの肉体を使ったアクションがものすごくいい。細かい「あれ?」はあるけど、見所は多い。良い作品だと思う。

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とらつぐみ

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私の個人ブログに書いたものを画像にして貼り付けたものです。内容は一部省略されていますが、だいたい同じです。
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