『ブレスオブザワイルド』のあれなんだろう?

 一通りの感想を書き終えたので、こちらでは『ブレスオブザワイルド』のプレイ中、気になったあれこれを取り挙げていきたい。ただし、私は『ブレスオブザワイルド』に関連する資料、書籍を一切見ていないし読んでないので、知っている人が見ると「なんでそんなことを?」と思うだろう。答えを知っている人はニヤニヤしながら読んでいくと楽しめるはずだ。『ブレスオブザワイルド』のことを何にも知らない人が、ゲームをやりながら「これなんだったんだろう?」と推測するだけの文章である。

巨大髑髏の謎

 ハイラル各地で見られるこの謎の巨大髑髏。ボコブリンが愛着があるのかこの髑髏を巣にしていることが多い。しかし、これはいったいなんだろう?

 まず思ったのが、ゲーム中のどこかでボスとしてこの髑髏が出てくる。もちろん、生きている状態で。どこかでこの髑髏の生前の姿が見られるんじゃないかと思ったが……。
 でもゲーム中に出てくることはなかった。それじゃボコブリンたちが石を彫って作ったアートか? この髑髏、頭部ばかりで胴体がない。もしかしたらボコブリン達が自身の手で作ったのでは……。

 “アート説”はハズレだった。デスマウンテンに胴体と頭部、繋がっている死骸が発見された。この怪物は確かに存在していて、どこかの時代で生きていたのだ。
(それにボコブリンたちが創作活動をしている姿を想像できない)

 ゲルド砂漠へ行くとこの怪物の死骸を大量に発見することができる。おそらくは砂に埋もれたおかげで骨が綺麗な状態で残ったのだろう。
 しかしここでも頭部と胴体はバラバラで発見される。胴体と頭部、繋がったものは見付からない。ボコブリンたちがこの髑髏を巣にするために持ち去ったためだろう。デスマウンテンで繋がった状態で発見されたのは、溶岩に半分埋まって持ち去れなかったためじゃないかと想像される。
(もう1つ気になるのは、怪物の“下半身”が見付からないこと。上半身までしか見付からない。これはなぜだろう? もしかして下半身がなかったのではないだろうか)

 ゲーム本編中に出てこないのなら、関連があると思われるのは1万年前の戦い(100年前の戦いでも出てきていなかった)。この時に復活したガノンが創造したモンスターではないだろうか。しかし物語として語られる場面にこの巨大モンスターについての話は出てこない。
 出てこないが、そもそもあの時の物語の中ではガノン以外の敵情報はほとんど語り残されていない。おそらくは毎回そうであったように、ガノンは重要な拠点を守るために巨大なボスモンスターをクリエイトしていただろうと考えられる。それらが語りもので継がれていないのは、1万年という長すぎる時の経過があったからじゃないだろうか。

 ここからは、謎髑髏を追求する過程で生まれた勘違いの話。

 ハイラルではあちこちにこんなふうに、あたかも巨大な生物の肋骨を思わせるような形をした石があちこちに残されている。色といい質感といい、生物的であの髑髏に近いように思える。
 しかしサイズが違いすぎる。これが巨大生物の胴体だとすると、頭部はもっと巨大でなければならない。
(ゲルド砂漠に行くようになり、やっと勘違いに気付く)

 間もなく気付くが、ハイラル城を覆った黒いドロドロ。このドロドロしたものがこんなふうにいくつも突起を作っている。どうもこのドロドロしたものの性質だったらしい。
 このドロドロしたものが石になったものがあの巨大な肋骨のような形になった……そういうことだろうか。

 気になったのがハイラルの西にある「終焉の谷」(「カザーナ裂谷」でも似たような印象の谷は見られる)。これは自然に成形されたものだろうか。私の想像だが、これもガノンが成形したものではないだろうか。何かを成形しようとして、失敗して、未完成状態のままここに残されて、1万年の時を経て自然の風景になった……そんな想像をしている。

 さて、ここでモンスター達が復活する瞬間の画像だ。赤い月が昇ったそのとき、倒したモンスターが復活する。ボコブリンたちは“生物”ではないのだ。こうやって瞬間的に成形される(“復活”ではなくその都度“成形”しているのだと私は思っている)ので、おそらく生殖器などは存在しない。オスメスの区別もないだろう(ゲーム中にボコブリンのメスなんて一度も見なかったし)。

 それにしても、赤い月の時にどうしてボコブリン達が復活するのだろう……。2つ考えていて、1つめは月こそがガノンの力の源泉である。ガノンが月に取り憑いているのだ。もう1つはガノンはハイラル中の地中に根を張り巡らせている状態で存在していて、その力が漲る時、赤く光を発するのだ。要するに、地上全体が赤く光っていて、その光が月に映っている。
 が、これだとおかしい。月が夜空に見えるのは太陽の光を浴びているからであって、地球からの光を映している……というわけではない。また空が赤く見える理由にもなっていない。
 じゃあガノンと赤い月との因果関係はなんだったんだろう……結局よくわからなかった。

 赤い月が昇る時、モンスターが成形される時、赤黒いエフェクトが現れる。ちょうど、ハイラル城を覆うドロドロに印象が似ている。やっぱりあのドロドロしたものがモンスターを成形する元になるのだ。ハイラル城を覆っているドロドロは、成形に失敗したか、あえて侵入者の進路を妨害するためにあの形で残したかのどちらかだろう。

 それはともかくとして、ガノンは自由にモンスターをクリエイトする能力が備わっていたのだろうと想像できる。それで、かつての戦いで大小様々なモンスターを大量にクリエイトしていたのだろう。その中には、超巨大なモンスターも作ろうとしていたが、しかしうまくいかず(あるいは成形の途中で攻撃されて失敗した)、あちこちにその残骸が残ることとなった。
 その当時では、あの巨大髑髏くらいのモンスターがガノン軍の主力モンスターだったんじゃないか。ハイラル全土に残されている髑髏を見ると、そう思うくらいの数がいたんだと想像できる。今でいうボコブリン感覚であの巨大モンスターがいたのではないか……と。
 それが今回の戦いではボコブリンやモリブリン程度のモンスターばかり。巨大なモンスターでもやっとこさヒノックスだ。巨大髑髏の持ち主には到底及ばない。
 これはかつて1万年前の戦いよりも、ガノンの魔力が弱まっているから……じゃないか。後でも書くが、今回のガノンは肉体を失っている。人間界攻略するのに主力武器にしたのは自身がクリエイトしたモンスター軍団ではなく、人間側だったガーディアンや4神獣の力だ(回想シーンでもボコブリン軍団でやられた……とは一度も語られていない)。ガノンは今までよりも弱くなっていた。残り滓くらいの力しかなかったからせいぜいボコブリンやモリブリンくらいのモンスターしか成形する力が残っていなかった。そういうことじゃないかと(ボコブリンやモリブリンではどんなに頑張ってもハイラルを壊滅させられないだろう)。

 ではどうしてボコブリンは巨大髑髏を住み処とするためにあっちこっちに持ち去ってしまったのか。仮説としては
①住居としてちょうど良かった。
②実は親だった。
 親というか、親のようなものというか。親の腹の中を感じさせる存在だったのだろうか。ボコブリン達は安心感を求めて、髑髏を住み処とした。
 ……でもボコブリンのことだから、単に「住居としてちょうどよかったから」が正解だろう。ボコブリンに胎内回帰の意識があったとは思えない。ボコブリンはたまに工作をして拠点を作っていたが、髑髏を持っていけば拠点を作るという手間が省ける。その程度の理由じゃないかと思う。

シーカー族の祠の謎

 次の疑問は「祠」だ。これ、なんだろう? 何のために作られたのだろう?
 作ったのはシーカー族。作られた理由は、ガノン討伐を目指す勇者に「克服の証」を授けるためだ。作られたのはシーカータワーと連動する仕組みだったから、この時代にセットとして作られたのは間違いない。
 それはわかるのだが、たかが1人の勇者のために、作ったものが大がかりすぎやしないか……という疑問だ。なにしろ作られたのはハイラル全土に120……。数が多すぎる。それに1万年前の戦いの時は大量のガーディアンを稼働していて確実な勝ちが確定していた時代だ。勝ちが確定していたのに、なぜシーカー族は大量の祠とミイラを作ったのか?(作った時期も、「ガノン対決の前」か「後」でもだいぶ事情が違ってくる。「ガノン対決の後」なら次世代に向けた仕掛けだとわかるが、「前」だと何を意図していたのだろう?)

 祠の中に保管されているミイラは、だいたいこんな格好をしている。ズボン、首飾り、腕輪のようなもの、それから傘だ。
 傘はカカリコ村のインパも似たようなものを被っている。シーカー族の中でも、高位の人が被るものなのだろう。入れ墨も同じくインパの額に彫られている。お付きの少女パーヤの額にも同じような入れ墨が彫られているから、この子もいつかインパのあとを継ぐのだろう。
 ここから、祠に置かれていたミイラが、かなり高位のシーカー族だとわかる。そのシーカー族を120体も……想像するにかなり恐ろしい話のような気もする。それに、シーカー族の人数を見ても、数年や数十年ではできるようなものでもないように思える。シーカー族の中でも高位の者が選ばれる……のだとすると、結構な年月をかけて作ったのだろう。

 即身成仏とはなんなのか……私は仏教思想について詳しくは知らない。Wikipediaを見ると、「仏教の修行者が、「行」を行うことを通じ、この肉身のままで究極の悟りを開き、仏になること。」となっている。
Wikipedia:即身成仏
 このゲームの世界観に照らし合わせて考えると、いつか訪れる勇者のために、その身を捧げた人……なのだろうか。後で取り上げるが、私はこのシーカー族の即身成仏は“生体認証”だったのではないかと想像する。

 とりあえず、祠の中に入っていこう。
 祠の中は全体がつるっとした黒い石で取り囲まれている。模様は「星」、線で結ばれているものは「星座」を現している(この文様が星である、と明言してそれを謎解きに応用した祠が存在する)。ということは黒い石は宇宙の空間、“壁”として表現ではなく、その向こうが存在する無限の広がりを表現しようとしたのだろう。祠の中は「宇宙」が表現されている。
 この宇宙は、“あの世”が表現されているのだろう。ハイラルの人達が思い描いている冥界の形なのだと想像される。死んだら魂が昇っていき、夜空に消えていくか、星になるか……。あの星々は“惑星”ではなく、魂と考えられているのかも知れない。
 宇宙とミイラ。
 パッと思い付くのは古代エジプトの信仰、輪廻転生の考え方なのだが……昔、本で読んだ知識しかなく心許ないので、ネットで検索すれば出てくるかなと思ったが、出てくるのはオカルト系情報ばかりで……。曖昧な情報で書くのはちとつらいな……。誤った情報載せるといろいろまずそうなので、ここは各々調べてもらおう。私も手元に資料がない。
 とにかく、宇宙とミイラがあの世と輪廻転生を示している、と推測すると、なにが輪廻転生するのか。
 こちらの答えは簡単。転生し続けているのは、リンク、ゼルダ、ガノンの3者だ。はるかな古代から、えんえん転生し続けて、戦いの宿命を繰り返し続けている。もはやこの転生は“呪い”ですらある。
 祠内部の空間は輪廻転生を表現し、即身成仏は“来世で復活する”ためのものではなく、いつかやってくる勇者の導き手になるためにいるのだろう。祠の中に勇者の姿が作られていないのは、いつかリンクが再びやってくる……ということがわかっていたから。

 シーカー族の祠は、必ず町や村、馬宿の側に作られている。ゲーム的な事情についてはさておくとしよう。シーカー族の祠は必ず人々の生活に寄り添うように置かれていて、双子山側の双子馬宿では祠を眺めにやってくる人もいる。おそらくはこの世界観において、シーカー族の祠は「お寺」とか「神社」みたいな存在だったんじゃないだろうか。「信仰」、あるいは精神的な拠り所のようなもの(お正月時にここに集まるのかどうかはわからないが)。祠の来歴がどのように人々に伝わっているかわからないが、ゆるやかな信仰の対象として生活の側に残り続けている……そんなふうに私は想像している。

 一方で、祠の近くにはボコブリン達が拠点を築いているケースも多い。ルッコ・マの祠では周囲にトゲが大量に配置され、侵入しづらいようにしている。
 おそらくはボコブリン達ガノンサイドにとって、祠は都合の悪いもの、忌まわしきものとして捉えられていたのだろう。

 しかしボコブリン達は祠に侵入することができなかった。まずシーカーストーンがないと絶対に入れない仕組みになっているし、破壊しようにも爆弾を投げつけても固い刃物で斬りつけても傷1つつかない。恐ろしく頑丈に作られているのだ。
 それでももしも侵入できたとしても、中は複雑な仕掛けが張り巡らされている。ボコブリン達の頭であれを解けたとは思えない。
 それでももしものもしもで偶然にもトラップをかいくぐってシーカー族のミイラの前まで進めたとしても、そこはまず青いシールドでガードされているし、ミイラは究極の“生体認証”だ。もしもリンクではない人物がその前にやって来ても、シールドが開かれることはないし、「克服の証」が授けられることもない。祠の一番奥にミイラが置かれている理由はおそらくこの生体認証としての役割。リンク以外の人がやって来ても「克服の証」を持ち去れないようにするためだ。
 ボコブリン達が祠近くに拠点を作りながらも、祠そのものを破壊しなかった理由、それはシンプルに破壊できなかったから。だからそこを目指してやってくる冒険者を足止めするために拠点を作っているのだ。

 シーカー族について、1つ疑問がある。
 1万年前の戦いでシーカー族はハイラル王家と協力し、大量のガーディアンを投入してガノンを撃破した。しかしシーカー族はその後、ハイラル王家に恐れられ、追放された……となっている。
 似たようなエピソードとして思い当たるのが旧約聖書に書かれた『出エジプト記』だ。『出エジプト記』には次のように書かれている。

 ヨセフもその兄弟達も、その世代の人々も皆、死んだが、イスラエルの人々は子を産み、おびただしく数を増し、ますます強くなって国中に溢れた。
(中略)
「イスラエル人という民は、今や我々にとってあまりにも数多く、強力になりすぎた。ぬかりなく取り扱い、これ以上の増加を食い止めよう。一度戦争が起これば、敵側に付いて我々と戦い、この国を取るかも知れない。」

 それでエジプト王はイスラエル人を奴隷として扱いはじめたという。ここからの物語は映画で親しまれている通り。救世主モーセが現れ、イスラエル人はエジプトを去ることになる。
 ……でもこのエピソードには少し引っ掛かるところがある。まずそこまで数がいたならば、もしも冷遇し、その結果で反逆が起きればむしろ自分たちが危うくなる。ならば味方に付けておいたほうがいい。なぜそうしなかったのか? という疑問だ。「数が多くなったから」という理由だけで奴隷として扱うのは、どうにも根拠が弱いような気がする。

 かつて、日本は鎖国を敷いてキリスト教を弾圧していた。弾圧していた理由は、国外で起きている宗教戦争の芽を摘むためであるし、国内にやってきた宣教師達が仏教寺を邪教と見なし、焼き討ちしようとした事件もあったからだ(キリスト教徒にとって、偶像崇拝する仏教は邪教以外の何物でもない。キリスト教の中には強行派はたくさんいて、アンデス文明の資料も一部失われたのも、キリスト教徒が「邪悪なもの」として焼き払ってしまったからだ)。そんな経緯があってのキリシタン弾圧だ。学校の教科書ではなぜか細かな経緯が記されず、一方的に「弾圧した」としか書かれていないが、相応の理由、危機管理に基づくものだった。
 どんな例においても特に理由なく排除されるわけはない。「数が多い」「権力を持ちすぎた」は少し排除の理由として弱いような気がする。何か、大きな問題となる契機となる事件があるはずだ。

 そこでこのシーカー族追放の物語そのものに疑問が出てくる。というのも語っているのはシーカー族側ということだ。この物語をリンクに語って聞かせるのは、インパだ(リト族のカッシーワも同じ物語を語っている)。もしかするとシーカー族の物語は、何か隠しているのではないか……という気がする。例えば……クーデーター。
 クーデーターは私の想像でしかないけども。なにしろシーカー族はガーディアンのみならず、次なる戦いに備えてあちこちに鉄壁の防御を持った祠を作り、その内部に依り代を置いた。それくらいリンク&ゼルダサイドに奉じていたのにも関わらず、クーデーターはちょっと突飛だったかな。
 王家としててもシーカー族の技術は側に置いておきたいはずだ。戦いの功労者だし、技術には頼るべき部分は一杯あるはずだし、なにより反逆されるととても怖い(あと、相当な忠誠心もあったはずだ)。それでも追放した理由は?
 しかし一方で、内部分裂でイーガー団なる団体も生んでいる(イーガー団はハイラル王家から追放された後に生まれた……という話だったと思う)。シーカー族のかつてに何があったのか……。相当な色々があったと想像されるが、なにしろ手掛かりがなさすぎるので、答えは見付からない。

 ところで、女神ハイリアってなんだっけ……。聞いたことあるような気がするが……。どうにも思い出せないので調べてみるとWii『スカイウォードソード』に登場していたそうだ。あー据え置き機ゼルダでプレイしてないやつだ。
 あと『トワイライトプリンセス』に出て来たんじゃないかな。記憶がだいぶ曖昧。
 女神ハイリアがシーカー族の信仰の源泉になっている。それでリンク&ゼルダが転生するもの、という確信を持って知っていたのだろう。転生するリンク&ゼルダが信仰になっていて、その旗印として女神ハイリアが出てきたのだろう。
 でも『ブレスオブザワイルド』ではどうにも存在感の薄い。妙にミステリアスな感じのするキーワードだ。

ブレスオブザワイルドの時代は?

任天堂:ハイラルヒストリー
 『ブレスオブザワイルド』がどの時間軸に当てはまるか、任天堂側は明言していない。これはなぜだろう……。理由があるとしたら「明かさない」「明かせない」のどちらかという話になるが、どちらの理由だったとしてもよくわからない。
 それはさておくとしよう。

 まずお馴染み「時の神殿」。64版『時のオカリナ』Wii・GC『トワイライトプリンセス』といったシリーズからあまり姿を変えていない。
 私は時の神殿の朽ち果てた姿を見て、なんの予備知識のなかった頃、思っていたのは「これは『風のタクト』以後じゃないだろうか」と想像していた。
 で、実際ゲームを始めた時、時の神殿周囲に水没していたような跡はないだろうか……と少し見て回った。が、そんな痕跡など見付からず。もしも伊勢神宮のように数十年おきに建て替えるシステムがあったら、痕跡など見付けられるわけがない(ハイラル城との位置関係を見ても、歴代作品と建っている位置が全く違う。移築されたのかも知れない)。
 間もなくして、時の神殿が崩壊したのは、100年前の敗北の結果……ということが明らかにされて、私の想像はまったくの間違いだった、ということが明らかになった。

 しかし、間もなくしてもしかしたら水没の痕跡かも……というものは発見された。
 こちらだ。

 地上で発見されたクジラの死骸だ。へブラ山脈、オルディン山脈、ゲルド砂漠の3箇所で見ることができる。
 ただ、これ本当にクジラだろうか……? ゲルド地方では「龍の流刑地」という名前が付けられている。これがかつてハイラル全土が水没していた証拠になるのだろうか……。もしもかつて水没していたら、クジラの死骸以外にもいろいろ見付かりそうなものだが、そういうものは発見できなかった。ではなぜこのクジラの死骸がここに残ったのだろう?

 『ブレスオブザワイルド』の立ち位置はちょっと不思議で、ところどころで過去作について語られることがある。ガノンがかつてゲルド族だったことも言及されるし、過去作の登場人物が地名になっていたりもする。ちゃんと過去作の歴史は踏まえられているのだ。
 一番の不思議は、勇者と魔王が輪廻転生されるものとして認識されること。これまではわりとぼんやりと語り継いでいて、人々は忘れているものだったが、『ブレスオブザワイルド』では(先代である)1万年前の勇者と魔王の戦いのできごとを含めてはっきりと記憶し語り継いでいる。ガーディアンという遺物も継承している。かつての戦いのことをちゃんと認識し、かつ対策をしようとしている……。これはこれまでの『ゼルダ』ではなかった展開だ。それだけの歴史の蓄積がちゃんとあり、ガノン討伐までの戦いが制度として確立されている。これは相当な歴史の積み重ねがそこにあることがよくわかる。

 私は少し前に「全てのドラクエの歴史は繋がっているのかも知れない」という話をこのブログに書いた。全てのドラクエは繋がっているから、似たようなアイテムが出てくるし、似たような風貌の人が出てくる。間の歴史が完全に失われているのは魔王がいたから。魔王が出現したことによって巨大なグレートリセットが起こり、歴史も国家もその都度ゼロになってしまっていた……。魔王ってゲームではあまり恐ろしい存在に思えないが、実はそれくらいの脅威……なのかも知れない。
 ゼルダシリーズの場合、“かも知れない”ではなく、実際、全てのゼルダの歴史は繋がっている。
 しかしガノンとゼルダ&リンクの戦いは忘れられる。古い語り手が辛うじて語り継いでいる程度だ。これは時の流れによるものだろうか、なにかしらのグレートリセットによるものだろうか。それとも転生までの時間が長すぎて、忘れられたのだろうか。
 それが今回ははっきりと細かいところまで記憶されている。前回の戦いの記憶が残されているのは“圧勝”できたからだろうか。

 ガノンの姿についてだが、今回のガノン、姿を持っていない。“怨念”のみの存在として表現されている。肉体は……1万年前の戦いで失ってしまったのだろうか。肉体を持たない精神だけの存在で復活した、ということはどの歴史、どのIFでもある得る……という意味だ。ガノンの姿から歴史を推測することは、多分できない。
 ハイラル史には『時のオカリナ』の時に「ガノン討伐成功・失敗」で歴史が分離しており、ガノン討伐成功後の歴史にはガノンは出てこない。……とはいっても、『風のタクト』ではガノンは再び登場するわけだが。
 今回のガノンは肉体を失っている。これは「討伐に成功したが、その後に怨念として復活した」とも言えてしまうわけだ。

 するとやっぱり、初代『ゼルダの伝説』の後……。
 しかし初代『ゼルダの伝説』に入る前、ハイラル王国は衰退しているとハイラルヒストリーには記されている。実際、初代『ゼルダの伝説』ではハイラル王国は完全に消え去っていた。ここからの復興……と考えても『ブレスオブザワイルド』時代の栄華を見ると、ちょっと厳しい。
 それどころか、もしも『ブレスオブザワイルド』のハイラルがかつて水没していたとして、『風のタクト』以後という話になると、この線は実は初代『ゼルダの伝説』には繋がらない。『風のタクト』以後は、『夢幻の砂時計』と『大地の汽笛』の2作だ。歴史を見ると、ここで新生ハイラル王国の再建……とある。が、何が困るって、私はこの2作をプレイしていないから、どんなストーリーなのか知らないのだ。『大地の汽笛』が『ブレスオブザワイルド』に繋がるのか、いまいち確信が持てない。

 『ブレスオブザワイルド』におけるハイラルはかなり広い。お馴染みカカリコ村やデスマウンテンだけではなく、ハテノ村や、海岸線まで世界が広がっている。ゲーム的に広い世界観が描けるようになった……という事情はさておくとして、これはハイラルの領土が広かった時期のお話……という意味ではないだろうか。

 そういうわけで私はこの問題について答えを出すことができない。
 やっぱり引っ掛かるというか、ヒントは、「なぜ『ブレスオブザワイルド』がどの時系列が示さなかったのか」というここだろう。単にもったいつけているだけなのか、相応の理由があるのか……。理由があるとしたら、なんなのか。私にはよくわからない。

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