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TORCHES ZERO 小田原、箱根、相模、西湘

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今はまだ「何」だかわからない『TORCHES』ができるまでの歩みを公開していくマガジンです。
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2015年5月の記事一覧

1月11日のミーティングその1

1月11日のミーティングその1

文:守屋佑一

1月3日より続いたインフルエンザは10日を過ぎてようやく完治した。
当たり前だがインフルエンザで静養中はほとんど人に話さず、誰とも会わずだった。

相変わらずトーチズの3人では毎日のように、夜中にスマホを介した文字だけのミーティングが続いていた。
だけどやはり顔を付き合わせて、声を出して意見を交わさないとわからないこともある。
年が明けてまだトーチズで集まっていなかったこともあって

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MOKUZAI WARS episode 2

MOKUZAI WARS episode 2

「木材の逆襲」

文:大川直也

大雨の車外に出て智之と少し話をした。元気だった。近況報告のような会話を済ませ、木材の現物を見せてもらった。思っていたより二倍大きい木材の山の上に、「心配」と「不安」が鎮座していた。智之が事務所から呼んできたフォークリフトのドライバーさんが木材の束を軽々持ち上げる。軽トラの荷台に積む。冗談みたいに荷台が沈む。「心配」と「不安」はまだ鎮座している。いよいよ無視すること

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MOKUZAI WARS episode 1

MOKUZAI WARS episode 1

「新年の希望」

文:大川直也

リノベーションの計画を練っていた正月、新年が明けてすぐのこと。梅ちゃんから連絡が入った。木材の見通しがたった。見立ててくれたのは大川直也のこと4で紹介した智之だった。あれから智之とは年に1度か2年に1度会って、飲み屋に入って近況等を話すような仲が続いている。前に会ったのは、1年半前。梅ちゃんを通じて、都合をつけて取りに行かせてもらうよと伝えた。板はちょうど100枚

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くいしんのつぶやき2-noteは平日毎日更新

くいしんのつぶやき2-noteは平日毎日更新

今日は僕なりの、このトーチズnoteが平日毎日更新な理由を書いてみます。平日毎日更新ということは、土日祝日はお休みで、4月1日からは今のところその通りに進んでます。毎日淡々と書き続けるってのは、本当に難しいことで、もし身の回りにそれをやっている人がいたら、もう、最高に賞賛しちゃっていいよね、というくらいのことだと思います。どうも、くいしん(@Quishin)です。

今のところトーチズチームは3人

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朗報来る

朗報来る

文:守屋佑一

2015年1月

2015年が始まり、約1週間が過ぎていた。
僕は1月3日より毎日毎日寝ていた。
もう、とっくに仕事が始まっているのに、だ。

なにも寝正月しすぎて仕事がイヤになった訳ではない。
そもそも僕は寝正月をもったいないと思うタイプなのでそんな行為はてんでしたことがない。

実は小学一年生の冬休み以来19年ぶりにインフルエンザの魔の手にかかってしまったのだ。

最初は約40

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守屋佑一のこと4

守屋佑一のこと4

文:守屋佑一

前回から引き続き、まだまだ中学の思い出だ。

思い出せば思い出すほど僕の人生は、特に中学以降どれも濃すぎて、いったい全部で何回自己紹介を書くのか多少戸惑いを覚えている。

中学1年生の秋。3年生は卒業し、少しは野球部の練習でボールを触れるようになった。相変わらず下手くそだったが、肩は少しだけ強かった。

毎日練習着をボロボロにし、小学校の頃太っていたインドアな少年はすっかりテンプレ

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大川直也のこと4

大川直也のこと4

「ノー・ディレクション・ホーム」

文:大川直也

ピート・ドハーティが彼のヒーローだった。
麻薬で捕まる、暴力沙汰を起こす、美人ともめる、数々の奇行。ピート・ドハーティが率いる英国のバンド、リバティーンズが高校三年の僕と彼の共通の話題だった。

高校を卒業していくらか時間が過ぎた。
僕はその頃あまり上手く大学生活を送ることができていなかった。講義をぼーっとやり過ごし、夜は高校時代から

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1月10日のリノベーション・大川直也編

1月10日のリノベーション・大川直也編

文:大川直也

2015年1月10日(土)

2015年。別段、立派な決意も伴うことなく、なんとなく元旦から仕事をした。午前中に仕事をして、午後は酒を飲んだり考え事をして5日間を過ごした。その午後のいくらかを、リノベーションの計画に使った。ゴミが消え去った興奮のまま、夢想に過ぎなかったリノベーションのあれこれを紙に書き起こし、理想の完成図を描いていった。壁はこうしようとか、照明はこれがいいとか、あ

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1月10日のリノベーション。

1月10日のリノベーション。

年末に茅ヶ崎から都内に引越し、この日は正月以来小田原へ帰ったのであった。直也とふたりでリノベ作業を行う。この日は「床剥がし」という工程だ。直也は直也で、「サッシの錆落とし」というこれまた地味な作業をするようだった。

どうも、くいしん(@Quishin)です。

参照:『2回目のリノベーション@牛乳ビル』床剥がし。

部屋の中にあった棚やゴミがたくさん詰まったゴミ袋などは、完全に片付いていて綺麗に

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新年と再会と

新年と再会と

文:守屋佑一

年内に終わらそうという志をもって取り組んだ牛乳ビルのリノベーションだが、木材の宛ても決まらず、電気も通らないまま年が開けた。

2015年の元旦。

僕は自分の中で毎年恒例となった早朝登山へと出掛け、日の出を見た。

元旦の山頂は当たり前だが、とても寒い。ただし、この日はいつもの元旦よりさらに寒かった。それに気付いたのは、この日の午後、お世話になっている新聞社に新年の挨拶をしに行っ

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『2回目のリノベーション@牛乳ビル』床剥がし。

『2回目のリノベーション@牛乳ビル』床剥がし。

文:守屋佑一

2014年12月20日(土)

トーチズの3人は各々忙しい毎日を過ごしているので、リノベーションも牛歩のように進んでいる。さいしょのリノベーションから1ヶ月以上、2回目のリノベーションの準備をしてから2週間以上が経過し、やっと2回目のリノベーションに着手することとなった。
この日は午後から僕と直也の二人体制でのリノベーション。
くいしんは、引越しがあり夕方からくるらしい。なんだかこ

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守屋佑一のこと3

文:守屋佑一

中学の思い出。
ただし、その前に、また思い出したことを綴ろう。
前回、小学生の頃は編集者になりたかったと書いたけど、そのまたもっともっと昔には仮面ライダーみたいな正義の味方になりたかった。
幼稚園のころだと思う。毎日のように仮面ライダーを見ていた。V3が好きだった。人形もたくさんもっていた。
だからか、中学のとき、コンビニで売っていた仮面ライダーの本を手に取るまで、自分はいわゆる昭

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大川直也のこと3

大川直也のこと3

「縫い物」
文:大川直也

縫い物が好きだった。小学生1年の頃、近所の友だちはみんな女の子だった。彼女たちは、おままごとなんかとうの昔に「子供のおあそび」と嘲笑の対象にしたし、外で走り回ることもあまりなかった。通学路にあった手芸屋さんでファンシーでキュートなアイテムを見つけてきては、それに夢中になっていた。僕はそこにまぜてもらっていた。

カラフルなレーヨンを食虫植物のような特殊な装置に引っ掛けて

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くいしんのつぶやき1-押しやられた中目黒。

くいしんのつぶやき1-押しやられた中目黒。

中目黒には「押しやられた中目黒」という側面があって、たとえば昔から焼き鳥屋さんをやってるおばあちゃんなんかがそれだ。都市開発と流行によってGT(中目黒ゲートタウン)の建った場所にあった数々の赤ちょうちんを掲げた居酒屋は、そのほとんどが潰れてしまった。どうも、くいしん(@Quishin)です。

それでも場所を移して続いているお店もある。「中目黒の呼吸」みたいなものは、むしろそういったお店で感じられ

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