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さいしょのリノベーションその後

文:守屋佑一

11月15日(土)その後のその1

最後の大物、コンデンサー(僕には興味がないのでこれが一体何に使用するものか知らない)を皆で力を合わせて廃品回収のおじさんのトラックに積み込み、一息ついた。
まだ事務所には細々したゴミが残っていたが、前に牛乳ビルを借りていた前任者の人があとは責任をもって仕事の合間を縫ってビルに来て片付けをすると約束してくれた。

しかもなんと、今回の片付けのお駄賃に少しのお金をくれたのだ。。トーチズで何をするのか。まだ、はっきりと大きなものは打ち出せていないけれど。これがトーチズの原点としての始まりの一歩。終わりはいつだって変えることができるけれど、始まりは唯一無二。ささやかだけど、トーチズにとっての初めての収入。大事にしよう。

その時点で既に夕方近く気付けばお昼ご飯を食べずにぶっ通しで作業していたので僕たちのお腹はペコペコだった。
そんなこんなで、色々区切りも良いのでこの日のリノベーション、というか牛乳ビルの大掃除はここで終わりにし僕、直也、そしてくいしんの3人でトーチズの今後についてミーティングをすることになった。

ミーティングの前にまずラーメン屋で腹ごしらえをし、ホームセンターにいってこれからのリノベーションに必要なものの値段などを調査した。

日常に使うちょっとしたものを買いにホームセンターに行くことは多々あるが、リノベーションで使用するようなものを買う目的でホームセンターに来たのは初めてだ。大きな木材や様々な資材。もう頭の中に明確に「こうしたい」という部屋の完成形が僕にはまだなかったので、ただぼんやりと見ているだけだったけど、直也は違った。すでに明確な完成形が頭にあるようで熱心にいろんなものを見て、調べていた。

しかし、一つ大きな問題がある。いくらホームセンターは比較的安価でいろんなものが手に入るとはいえ、リノベーションで使用するような資材はどれもなかなかのお値段だ。

前の入居者からの掃除の少しの謝礼があるとはいえ、道具や資材を買い揃えたらあっという間になくなってしまう。

まだまだ「トーチズ」としての収入の目処はまったくたっていない。

だけどお金のことばかり考えていてもしょうがないので、とりあえずは今後の展開についてミーティングしなければならないこともあり、僕たちは行きつけのデニーズへと移動した。

実は3人が集まれる機会なんてめったにないので、しなければいけない話は山ほどあるのだから。

追記

このリノベーションの翌日以降、夜に牛乳ビルの前を通ると前の入居者の人の車がとまり、なにやら作業する音が聞こえた。本人がいいというので、顔を出すようなことはしなかったが、約束通り置いてしまった荷物やごみを片付けていてくれたみたいだ。

そしてさいしょのリノベーションから1週間が経過した11月22日の日に僕の携帯に無事、全て引き払うことができたと報告のショートメールが入った。

人は何かを始める時には莫大なエネルギーを注ぎ込まなきゃいけない。しかし、何かを辞めるときにはそれ以上のエネルギーを使うのかもしれない。

これを機に牛乳ビルのリノベーションは本格始動することとなる。

※この記事は全文無料の投げ銭コンテンツです。投げ銭はまだまだ完成してない牛乳ビルのリノベーション資金となります。

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