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015『茨城を歩く ~牛久・霞ヶ浦・竜神大吊り橋~』

015『茨城を歩く ~牛久・霞ヶ浦・竜神大吊り橋~』

文:守屋佑一

2011年9月23日

あの旅から1年が経ち、僕は大学を卒業し、社会人となっていた。
僕が就職した先は地元の農協。イベントや集荷などで休日出勤もかなり多く、夏休みも無かったが、基本的には土日祝日が休日となっていた。僕は休日には野球をするか家の畑を手伝うかだったが、だんだんと一人暮らしにも慣れ、旅に出たい欲求が高まり、祭日の多い秋のこの日に2009年に白川郷にも共にいったMサンと日帰りでどこかに行こうと計画をした。Mサンはサービス業だったので、たまたまこの9月23日が土曜日でMサンのシフトの入ってない日でお互いの予定が合致した。

前日に少し仮眠をとり、深夜3時半ごろに起きてこのとき、仕事の都合で厚木に住むMサンを迎えにいった。そういえば僕もこのときは小田原の隣の南足柄の端に住んでいたので国道246号線のアクセスがよかった。

この日の旅のプランニングはほとんどMサンに任せていて、とりあえず茨城方面に行くということだけ聞いており、その詳細は合流してから知ったんだったと確か思う。

目的地は茨城の牛久大仏。
世界で一番大きなブロンズ制の立像だ。
Mサンと合流し、カーナビに目的地を入れるといきなり衝撃を受けた。写真をみて頂ければわかるが、牛久大仏はカーナビ上での存在感も半端なかった。カーナビにこんな隠れ機能があるとは驚いた。

北関東を目指し、出発。

僕は東のほうに行くより、西のほうへドライブするほうが好きだ。なぜならば、東のほうに向かうには大都会東京を通過しなければならず、必ずこの大都会で渋滞に巻き込まれるし、車も多く、車線も多く、車を止めて休憩できるようなコンビニもほとんどなく、弾丸ドライバーにとっていいことは皆無と言ってよかった。

案の定、東京を通過する明け方からはだらだらと渋滞。どうしてあんなに狭い範囲にたくさんの物や人が密集しているのだろう。小さい頃から疑問で仕方がない。
ただし、東京を抜けるときの段々とまた田舎になっていく感じは嫌いじゃない。都心を離れ、まだ完成していないスカイツリーを傍目に茨城へと向かった。このとき、スカイツリーはいよいよ工事も大詰めで、これより前に見たときより目に見えて大きくなっていた。

そうして、気づけば本当の田舎になった。茨城県牛久市。ATMでお金を卸したくてコンビニを探したが、全然見当たらない。しかし、農協はあった。農協のATMは田舎に行けば行くほど多い。ガソリンスタンドも農協のものばかりだ。

ここは本当に利点だった。
懐を暖かくし、牛久大仏へ。

牛久大仏はまだ早朝だと言って差し支えない時間だったが、駐車場はすでにいっぱいの車で賑わっていた。
田舎のおまつりという感じのおもちゃとかを販売する露店が出ている。

なんだか楽しい気分になってくる。

100メートルを超える巨大な大仏。まるでなにかが封印されているような大仏。
大きさは違うが、∀ガンダムが封印されていた石像もこんな感じだったのではないかと思えた。これがいきなり動き出したら恐怖だな。
大仏に向かってお決まりの記念写真。人間と同じように大仏の顔でもしっかりと顔認証するのがなんだか可笑しかった。

いよいよ大仏の胎内へ。

胎内では様々な展示物があり、楽しめる。3400体の大仏が飾ってある部屋なんてのも。大仏もここまで突き抜けていると気持ちがいい。
そして展望室。そんじゃそこらのビルじゃ敵わない高さの牛久大仏。胸部にある展望室は眺め抜群だ。富士山やスカイツリーまで見れてしまう。
胸部にあるということもあいまって、やっぱり巨大ロボットみたいだなと思った。だいたいのロボットのコックピットは胸部か頭部にあるもんだ。
胎内から出あとは園内にあるウサギ園で癒され、仲見世でぶらついた。
前情報無しで訪れたが、牛久大仏いいじゃないか。素晴らしいスポットだ。
広場では陶器市がやっていた。敬老の日ということもあり、湯飲みを購入した。陶器を売っていたおじさんは小田原の陶器市でも毎年出展していると言っていた。つくづく旅先で小田原に縁がある。

牛久大仏を満喫した僕たちは霞ヶ浦へと向かった。
琵琶湖の次に大きい湖、霞ヶ浦。その湖畔のレストラン併設の大型道の駅たまつくりにてワカサギの定食を食べた。
こういう道の駅に寄ることは旅のプランニング楽しみのひとつだ。そういえば、なんで神奈川にはこういうレストランとか温泉とか併設の大型の道の駅が無いのだろうか。

霞ヶ浦をざっと眺め、まだまだ自我があるので次なるスポットをスマホで探す。つくばの宇宙館、だめだ、少し遠い。どこかないか。

そうしていると、竜神大吊り橋という日本最長の吊り橋があることがわかり、そこを目指した。その場所はなんだか2009年にいった飛騨に似ていた。
なんとこの吊り橋ではバンジージャンプが出きるらしい。とてもやりたかったが、けっこうな費用がかかる。断念。

あまりお金に執着しない僕だが、鳥取砂丘でのラクダのときやこのときはお金って大事なんだと思った。

そのあとは大きなブロンズ国道を通り、帰路へ。納豆を買いたかったところだが、残念ながら帰りの国道では見当たらなかった。水戸じゃないと無理か。小田原もそうだが、大きな国道にこそ、海老名SAみたいなもんがあってそこ周辺のお土産が1ヶ所で買えればいいのに。
そういえば高校の頃、練習試合で水戸に行ったが、SAでお土産の納豆を買った。いまでは、インフラという面以外でも高速道路は便利だ。

なんにしろ、牛久大仏、霞ヶ浦、竜神大吊り橋。そのどれもごおすすめだ。
是非とも歩いてみてほしい。

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