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2月14日のホームセンターその2


文:守屋佑一

前回までのあらすじ
リノベーション用具を求めてコトブキホームセンターへとやってきた僕と直也。いつもならば、違うホームセンターへいくが、この日コトブキホームセンターに数年ぶりに来たのには理由があった。
果たしてその理由とは?
そして、なにを手に入れることができたのか!?

〈コトブキホームセンターにて〉
商談が終わり、コトブキホームセンターへと足を踏み入れた僕と直也はその広さに驚いた。
置いてあるものが少ないホームセンターというのは、こんなにも広く感じるものなのか、と。

そう。今回コトブキホームセンターに来た理由はここにある。
長らく小田原市民に愛されたコトブキホームセンターは、この2月をもって閉店してしまうことになり、閉店セールを行っていた。
牛乳ビルのリノベーションを行うにあたって、トーチズとしての稼ぎがまだなにもない状況で始めてしまった僕らは、自分たちの手弁当で資金を捻出していた。

少しでも安くリノベーションを完成させたい。
その思いから目ざとく閉店大セールをしているコトブキホームセンターに来たというわけだ。

完全閉店するぐらいだから、きっとあんなものやこんなものが恐ろしく安く売られているに違いないと意気揚々で乗り込んだ僕たちの前に広がった光景は冒頭でも書いたように物が少なく、もうがらがらになってしまった店内であった。

残っているのは、ネジやなんに使うのかわからないプロ向けの商品ばかり。
僕はリノベーションになにを使い、どうしていくかがそこまで頭に入っていないが、直也からしてもお目当てのものはなかったみたいだ。
せっかくだから日曜大工以外の色んなフロアーを覗いてみる。

ガラケーの用品やテープ用品…なんだかタイムスリップしたみたいだ。
そして時が止まったようなおもちゃたち…

思い出した。まだ、小田原にトイザらスがなかったころ。コトブキホームセンターはおもちゃも充実しててよく通ったことを。ミニ四駆のパーツやカラースプレーを買ったことを。
このときまで数年足を運んでいなかったのに、閉店しないとしても多分足を運ぶ予定はないのに。

なんだかとても寂しくなった。

きっともうコトブキホームセンターにはこない。そう思うとまたも寂しくなって最後の思い出に僕は、メモ帳がわりにこれまた懐かしいコクヨの自由帳を購入した。

今日、コトブキホームセンターがあったところにいったら、今風のドラッグストアになっていた。

ありがとう。コトブキホームセンター。

※この記事は全文無料の投げ銭ブログです。投げ銭はまだまだ完成していない牛乳ビルのリノベーション資金となります。

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