021 『北海道を歩くエピソード3-3 2013.6.30-1』

北海道を歩くエピソード3-3 2013.6.30-1

文:守屋佑一

皆さんはけっこう「ヤバイ」と思うような寝坊をしたことがあるだろうか。

取り返しのつかない寝坊。例えば、大事な大事な出張の仕事があり、その飛行機に乗らなきゃ絶対に間に合わないのにがっつり寝坊してしまったり。

旅行の予定だったり、結婚式だったりしたらそれは本当に最悪で自己嫌悪に陥るだろう。いや、その前に背筋が凍るくらい冷やっとして、そして絶望を感じるのか。

僕は、よく小さな寝坊はするが、幸いにしてまだ本当に大きな寝坊はしたことがない。

しかし、このサロマ湖ウルトラマラソンの本番の日だけは少しばかり冷やっとした。

前日、ビジネスホテルの個室で眠りについた時間は夜の11時。ベッドに入ったのは10時過ぎなのだが、普段そんなに早く眠ることなんてないし、不安と興奮でやはりすんなりと眠りにつくことはできなかった。

レース当日に起きなければいけない時間は1時。もちろん昼の1時ではない。夜中の1時だ。

寝たのが11時。起きなければいけない時間が1時。

2時間。これは睡眠ではなく、仮眠といったほうが正しいのかもしれない。100kmという長丁場を走らねばならないのに、睡眠時間は2時間しか許されない。

なぜか。

サロマ湖ウルトラマラソンは、サロマ湖を1周するレースではなく、端から端までの一方通行のレース。

そのため、一度ゴール地点に車を置いて、そこからバスでスタート地点に移動しなければならない。

ホテルからゴール地点までもかなりの距離があったし、ゴールからスタート地点までもかなり長い。というかほぼ100kmだ。(マラソンのコースではなく、最短距離の車道を使い車でゴールからスタートまで行くのでバスでの移動距離はそんなにはないのだが、まぁだいたい100kmだ)

北海道にいると感覚的にかなり麻痺してしまうのだが、100kmというのは車でだってとてつもない距離である。僕が普段住んでいる神奈川の西の端っこから都心にだっていけてしまう。

サロマ湖ウルトラマラソンのスタートは朝の5時。

バスは朝の4時にはスタート地点に着くように設定されている。

こんな事情から、ホテルは2時には出て車でバス乗り場に行かねばならない。

だから起きるのは1時。

でも寝たのは11時。

しかも、緊張と興奮で寝付けなかった。

まどろみの中、騒がしい携帯電話の着信音にて目を覚ます。

時間は2時ちょっとすぎとかたしかそんな時間。

上記の通り、ホテルを2時には出る。

電話を鳴らしていたのは一緒にマラソンに出るH。

そう、僕はホテルを出発するはずの時間に目を覚ました。完璧な寝坊だ。

僕は普段てきとうな性格だが、スポーツだけはわりとぴしっとしてて、大会前なんかはナーバスになったりしっかり

スケジュール通り動かねば気がすまない。

この時も前日に当日の準備であれをしよう、これをしようと色々考えていたすべてが水泡に帰して、あわててカバンやらなんやらを持ってホテルの部屋を飛び出した。次に泊まるのは違うホテルだから、もうここには戻ってこない。全部の大荷物をもっていかねばならない。

みんなを冷や冷やさせ、自分も冷や冷やして。

なんとかバスに間に合って。バスの中ではまた爆睡して。

そうして朝の4時、スタート地点に到着した。

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