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朗報来る

文:守屋佑一

2015年1月

2015年が始まり、約1週間が過ぎていた。
僕は1月3日より毎日毎日寝ていた。
もう、とっくに仕事が始まっているのに、だ。

なにも寝正月しすぎて仕事がイヤになった訳ではない。
そもそも僕は寝正月をもったいないと思うタイプなのでそんな行為はてんでしたことがない。

実は小学一年生の冬休み以来19年ぶりにインフルエンザの魔の手にかかってしまったのだ。

最初は約40度の高熱にうなされ、インフルエンザの恐ろしさをいやというほど味わった。しかも一人暮らしの身にとってのインフルエンザは本当にきつく、もう一生治らないんではないかという恐怖を味わった。

しかし、薬も効いたのか、熱は少しずつよくなっていった。それでもインフルエンザのため出勤してはいけない状況だった。

おだやかな時間を過ごした。こんな機会はそうそうあるもんではない。

熱が下がってからは読めていなかった本をひたすら読んだ。

いろんなことを考えた。

普段はいろんなことに追われ、ここまでゆっくりした時間はなかなかもてていなかった。インフルエンザは悪いことばかりではないみたいだ。

そんなこんなで寝込んているある日、一本のメールが来た。相手は、元旦に再開した智之だ。

思いもよらぬ相手からメールが来たので、驚きと戸惑いを感じながら内容を見た。

「こういう木が手に入って無料で譲れそうなんだけど、ほしい?」

そう、元旦に話したときのことを智之は覚えていてくれて、牛乳ビルの床に張れそうな木材に気を配ってくれていたようだ。

智之には申し訳ないが、僕は本当に期待していなかった。そもそもお互いべろんべろんだったし、大量の木材を無料で手に入れようとするなんて虫の良すぎる話だからだ。それでも、智之は木材を見つけてくれた。しかも、写真で見る限りとてもベストなまさに僕らが求めていた木材だった。

なんでも、海外からの輸入でくる木のコンテナをばらしたものらしい。

ただし、一つ条件があった。向こうもいつまでも木材を保管しておけないので、早めに引き取りにいくことと平日であることであった。

なにぶん僕はその時サラリーマンをしていたので、平日は容易に動けなかったので、申し訳ないが木材の引き取りは直也に頼むことにした。

なにはともあれ、一番の懸念であった牛乳ビルの床に敷く木材の目途がたった。

これにより、牛乳ビルのリノベーションは加速したかと言えば、そうでもないのだけれど。

※この記事は全文無料の投げ銭コンテンツです。投げ銭はまだまだ完成していない牛乳ビルのリノベーション資金となります。

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