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「もらった花と屋上の展望と開催されない合宿と」

さいしょのリノベーションと2度目のリノベーションの間

文:守屋佑一

2014年11月頃

さいしょのリノベーションが終わってから、2度目のリノベーションを行うまで、いくばくかの間が空いた。

この間、僕たち3人はトーチズの今後やリノベーションの構想などを無料連絡アプリのグループチャット機能を使用し、頻繁に話し合っていた。

くいしんの仕事が終わるのが遅いのもあって、毎日夜の23時頃から始まる文字と電波を介したミーティングは時には深夜の2時過ぎまで続くこともあった。

しかし、いくらテレパシーのように瞬時に言葉を遠く離れた相手に伝えられるようになったからと言って、やはり物理的な距離が近くなければなかなかに行動が伴わない。

だから、この文字間ミーティングで出た「こうしよう」「こうしたい」という話題はリノベーションと同様に新緑あふれる5月になってもほとんどが実現に至っていない。とはいっても人生なんてほとんどがそんなものである。

いつかやるのか、いまやるのか、ずっとやらないのか。それくらいの違いしかない。

なにをやろうとしていたのか、いくつか抜粋してここで話そう。

「もらった花と屋上の展望」

ある日、僕はパンジーの花をたくさんもらった。僕はこのパンジーを牛乳ビルの屋上を飾りつけることに使おうと思った。

そのとき、ミーティングで出ていた案で、屋上の錆びついた手すりの色を空の色と同じような青で塗ろうという案が出ていた。綺麗な青い手すりのある屋上に黄色いパンジーが咲き誇る光景はきっと、とても素晴らしい。

けれども、そのパンジーは屋上ではなく、うちの畑に植えた。手すりもまだ錆びている。いつか牛乳ビルのリノベーションが完成するその日に屋上でなにか素晴らしい光景が広がっていればそれでいい。なにもいじる必要がないほどに、素晴らしい展望がもともとあるだけに、きっとそれは簡単に叶うだろうけど。



「開催されない合宿」

合宿をしようとくいしんが言い出した。

合宿という響きだけでそれは楽しそうだった。

旅行ではなく、合宿なのだから、素晴らしすぎる観光地に宿泊する必要はまったくない。だからこそ、いつも泊まらないようなところで思い切って泊まることができる。

僕はこの11月のとある土曜日に真鶴を散歩していた。それは、散歩というにはあまりに長い時間と距離だったけれど。

普段なかなか隣町を歩き倒す機会なんてそうそうない。

このとき、真鶴を歩きに歩いて素晴らしい景色や空気や人とたくさん触れ合った。そして海のそばにたくさんの民宿を見つけた。この海のそばの民宿に泊まってみたいという感情がふつふつと湧いた。トーチズにふさわしい合宿先のような気がした。

しかし、僕たち3人はなかなかに忙しい。3人が集まる機会はそうそうない。

合宿はほかのいくつかの案と同じようにあっというまに過ぎ去る星霜に、案が追いつかず、ついぞ開催されていない。けれども、トーチズではやることはまだまだ山積みだ。合宿はいつかやらなきゃいけない。その時こそ、真鶴の海のそばの民宿に泊まろう。


これらのようにできていないものばかりでなく、先日公開されたティザーサイトや、メルマガ。そして牛歩のようなスピードだが、着実に完成に向けて進んでいるリノベーションのように「トーチズ」は始まっている。

始まり続けるトーチズがなにを示したいのか。これを読んでいるみなさんにも見守っていてほしい。

http://torches.jp/

※この記事は全文無料の投げ銭コンテンツです。投げ銭はまだまだ完成していない牛乳ビルのリノベーション資金となります。

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