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【投資の種類3】 お金の価値は何が決めるのか

これまで5つの投資先の種類のうち「株」と「さい権」についてお話してきましたが、今回は、投資先の種類の 3 番目に挙げた「お金」についてお話します。

1 お金の価値の決め方

1000 円よりも 1 万円、1 万円よりも 100 万円のほうが価値が高いことは誰もが知っています。しかしながら、そのお金の価値は誰がどのようにして、もしくは何かどのようになって決まるのでしょうか。

そこで、お金の価値が決まるパターンを考えてみました。ここでも、私の大好きなチョコレートを使った例えでご説明したいと思います。

2 量に比例するお金の価値

お金の価値が「物」によって決まるという考え方は、誰もが直感的に理解できると思います。いまさら例を挙げなくても良いかも知れませんが、一応書いておきます。

スーパーのお菓子売り場にはたくさんのチョコレートが並んでいます。目の前のチロルチョコは 1 個 20 円です。1つひとつは小さなお菓子ですが、それが棚に 100 個並んでいます。

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この時、20 円しか払うお金がなければ、チロルチョコを 1 個しか買えません。しかし、2000円を払えば 100 個すべてを買えることになります。つまり、 20 円よりも 2000 円のほうが価値が高いということになるのです。

3 魅力はお金の価値を高める

先程は、チロルチョコの数の違いを例に挙げましたが、今度はチロルチョコと別のチョコレートの話をしましょう。

デパートの地下に行くと、まるで宝石のようにキラキラしたチョコレートがたくさんショーケースに並べられています。いずれも雑誌で取り上げられるような有名店ばかりです。

ちょっとお店の前で立ち止まり、ショーケースの中を覗いてみましょう。親指の先程の大きさしかないお洒落なチョコレートが並んでいます。お値段は……と見ると 1 個 450 円とあります。

大きさはチロルチョコとほとんど変わりません。日本にいればスーパーでもコンビニでも売られているチロルチョコのほうが知名度だって上でしょう。それなのに、チロルチョコとデパートのチョコレートには 1 個あたり 430 円もの差があるのです。

同じように、スーパーで売られているショッピングバッグとデパートで売られているブランド物のバッグにも大きな価格の差があります。中古でボロボロの国産車よりも最新モデルの外国製の車、築 30 年のマンションよりも港区の新築タワーマンションのほうがはるかに高い値段で売られています。

価格が高いものに共通して言えるのは「質が高い」「ブランド力がある」といった"魅力"があるということです。つまり、買える・買えないは別にして、誰もが手に入れたいと思うような魅力のある物に付けられた"より高い"値段(お金)にはより高い価値があるということになります。

4 魅力があるのは物だけではない

魅力がある物の値段にはより高い価値があるとお話しましたが、お金の価値を決める魅力を持つのは物だけではありません。では、いったい何に魅力があるのかと言うと、答えは「国」です。

国の魅力がお金を価値を決めるとはどういう事なのかは、次に挙げるたとえ話でご説明します。

今の情報社会では、世界中のあらゆる物事について、インターネット(SNSも含めて)経由で手に入れることができます。ある時、私は非常においしいと評判のチョコレートを見つけました。しかしこのチョコレートはアメリカでしか売られていません。1 個 1 ドルで売っていますが、日本円で買うことはできません。しかも、現金でしか買えないと言います。

日本に住んでいる私がこのチョコレートを食べるには、日本円を米ドルに両替しアメリカまで行って購入するか、現地にいる友人に頼んで買ってもうらうしかありません。しかし、銀行などで現金を両替するには手数料がかかります。1 個 1 ドルのお菓子を買うために、飛行機のチケットやホテル代を払うのもバカバカしいです。そこで私は、アメリカに住んでいる友人にチョコレートを買って、日本まで送ってもらうことにしました。

友人はお金持ちで顔が広く、世界中に知り合いがいます。私は「1 ドル = 100 円」として、このチョコレートを 10 個買ってほしいとお願いしました。友人は快く承諾してくれ、チョコレートを買って送ってくれました。あまりにおいしかったので、その後も何度か友人にお願いして買ってもらいました。

ところがしばらくすると、このチョコレートの評判が日本国内だけではなく、世界中に広まっていきました。

アメリカに住む友人は、当初フランスに住む友人に「1 個 = 1ユーロ」でチョコレートを買ってあげていました。すると、その友人はもっとたくさんのチョコレートを買いたいと言い出しました。しかも、「1 個 = 1.2 ユーロ」出すとまで言うのです。それを聞いたスイスに住む別の友人も「1 個 = 2 フラン」で買って欲しいと頼むようになりました。その間、私はずっと「1 個 = 100 円」で友人に買ってもらい続けていました。

他の国の友人たちが1個あたりの価格を上げたことにより、アメリカに住む友人も「1 個 = 100 円」のままでは割りが合わないという結論に至ったようです。次に購入をお願いした時に「1 個 = 120 円」にして欲しいと言われました。

値段が上がっても、美味しいチョコレートを手に入れたかったので、私はそのチョコレートを買い続けました。ところが、しばらくするとチョコレートの人気はさらに加速しアメリカでも手に入れるのが難しくなってきてしまいました。すると友人は「1個 = 200 円」にして欲しいと連絡してきたのです。最初の値段の2倍になってしまいます。さすがにお金がないので、私は購入を諦めることにしました。

ここでは、私には 200 円のチョコレートを買うお金がないという事実は問題ではありません。重要なのは、このチョコレートを売っているお店は「値上げをしていない」という点です。

チョコレート屋さんは最初から最後まで 1 個 1 ドルのチョコレートを売り続けています。それなのに、私からすると 100円、120円、200円とチョコレート値段が上がり続けていったことになるのです。すなわち、日本円における 1ドルの価値が 100円、120円、150円に変化していったということになります。

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これは、チョコレートに限った話ではありません。カッコイイ洋服を仕立てたり、年金を多くもらえるようにしたり、壊れにくい車を作ったりと世界中の国が自分の国の魅力を高めようと努力しています。人気のある製品を作っている国や、移住を考える人が多い国は他国に比べて魅力があるということです。魅力が高い国のお金の価値も当然、高くなっています。

これが「国の魅力がお金の価値を決める」ということです。

5 まとめ

これまでの話をまとめると、以下のようになります。

・お金の価値は次の 2 つの要因によって決まる
・物がどれだけ買えるか、質のいいものがどれだけ買えるか
・国にどれだけの魅力があるか

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しがない薄給の会社員です。大金持ちになることは、とうの昔に諦めましたが、将来、無一文になることには恐怖を感じています。衣食住に苦労せず、人生をゴールしたい、そんな思いでノートをはじめました。ノートが多くの人の役に立つことを願っています。もしよろしければ、サポートをおねがいします。