さて
ネトフリの海を彷徨っている話は前に書いたとおり
先日またフラフラしてたら、えげつないもんに出会った

美しい彼

どうやら民放深夜枠ドラマとして放送されていたらしい
ネトフリだけじゃなく色んな配信サイトで見られるやつ
全く何も知らず、なんとなく再生
数分で沼の底

BLは医者に止められてるとか
BLに親を殺されたとかでない限り
全人類見てほしい

原作はBL小説だそうで、出版は数年前
商業とかは好きな漫画家さんのを読む程度の私は
その存在を知らなかった
だからストーリーも設定も何もかも知らず観れた幸運
全６話とタイトな中にブチ込まれるワクドキソワ

主な登場人物は二人
スクールカースト底辺に生息する　平良一成（ひら　かずなり）
美しきキング　清居奏（きよい　そう）

キモウザと称される平良を演じるのは萩原利久
全然TVドラマとか見ないので知らんかったけど
なんか色々出てはるんやな
とにかく彼の演じる平良が良すぎる
暗い役で吃音を持っているのであまり喋らない
ほとんどモノローグで進んでいくストーリーの中
その目と表情で、台詞以上の質感を出してくる
特に清居に打ち上げ誘われるシーンなんかは目がキマっちゃってて
一瞬のことながらゾワっとする
こいつはヤバい、という何かを感じ取らずにはいられない
あと声もいい
静かで穏やかで少しハスキーな声が淡々と優しく
だからこそ、奥に隠れた狂気が恐ろしい
『ころされるよ』の一言に震え上がる
ただただひたすらに、清居奏を愛している姿は純粋無垢なはずやのに
こいつが一番やべえなと誰もが気付く

そしてキングと崇められる清居を演じるのは八木勇征
LDHとは交わらない世界線で生きてきたので
こちらも存じ上げなかったがEXILE系列の人だそう
頭のてっぺんから爪の先までひたすら美しい
溜息が出るほど全カットどの角度も美しい
冷徹なキングの態度、熱の無い目線、平坦な台詞
どれをとっても完璧に美しい
演技で魅了する平良役の萩原利久とは違い
ただ美しいその姿そのものに意味がある
でも勘違いしないでほしい
最終話で化けます
清居の眉尻が下がってからが本番やと思って

あと絶対触れなくてはいけないのが
最高の噛ませ犬、小山の存在
可愛くて気安くて優しくて、清居とは違った魅力を持つ
こんな完全体が居るのかというほど
完璧な当て馬
演じるのは高野洸
キャスティングした人は天才
映画やドラマの俳優さんより２．５界隈に沼ってる人間からすれば
よく知った存在である高野洸
可愛くて可哀相で不憫で目が離せない
縁側でのシーンなんか感情移入して泣いてしまう

原作を読んでみて思うのは
あらゆる点でけっこう設定から違うのに
よくここまで何ひとつ損なうことなく映像化できたなということ
同性であるというマイノリティをあえてクローズアップせず
ただ『人が人を好きになる物語』として放っているように感じた
作中、平良を否定する清居も
ただ平良がキモいからであって、同性であるからとは描かれていない
男が好きなのか？と問うシーンがあるにはあるが
それも別にだからどうと構えた様子もない
主人公二人がすれ違い、心が通っていく様は
ただただ美しい
（原作にはマイノリティである苦悩も描かれてます）

とにかくその構成が素晴らしい
メインの平良サイドで進むストーリーが一転
清居サイドになって明らかになる
通称トマジュー事件の詳細など、綿密に計算されている

そして忘れてはいけない
ＯＰとＥＤ
ＯＰは平良目線、ＥＤは清居目線で書かれた曲
歌詞がもうそこかしこにドラマ内のキーワード散りばめられて
全編見終わったあと、公式が出している
ドラマＶｅｒ．リリックＭＶ見ると
画面の前で五体投地するしかなくなる
一見ポップで可愛い平良ＯＰとダークな清居ＥＤやけど
全編見たあとに噛み締めて気付くはず
どちらが狂気を孕んでいるのか
激情が伺える清居ＥＤがとても純情で
穏やかに聞こえる平良ＯＰのほうを偏愛と感じるはず

ドラマ公式インスタなど漁ればクソ可愛なオフショ満載
すごいね、ここまで恵まれた環境なかなか無い
普段生息してる界隈の供給を考えると
TVドラマってやっぱりすげえんやなって思う
このOPをひらきよが踊ってる動画マジで致死量の幸福

なんか徐々に気持ち悪いオタクみ滲み出る文章になってきたので
ここらへんで終わるけども

映像そのものが綺麗なのも見てほしいところ
自然光や揺れるカーテン、古風な平良ハウス
あらゆるところにこだわりを感じられるかと

もうすぐ円盤発売やねんて
発売を記念してリリイベもやるらしいし
なんならそこで続編制作発表くるのでは？と邪推＆期待
原作は４巻あるし、まだ続きあるよねぇぇ？？？

見たいです！！！！！！！