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利益と割引の問題を、超簡単に解く(小学算数)

多くの人が苦手な問題に、利益と割引の問題があります。
利益と割引の問題を簡単に解く方法を考えてみましょう。

代表的な問題は次のような問題です。

例題1:ある品物を4000円で仕入れ、4割の利益を見込んで定価をつけましたが、この品物を大売り出しの日に定価の1割5分引きで売りました。売り値は何円ですか。

(解き方)
まず、仕入れ値利益定価売り値などの、言葉の意味を知っておかないといけません。
自信がない人は、

http://blog.livedoor.jp/aritouch/archives/3888650.html

を参考に、意味をしっかり理解しておいてください。

次に、「4割利益を見込んだ定価」とあるとき、定価を仕入れ値の1.4倍と考えます。

「4割の利益」だけなら、0.4倍です(4割を0.4倍と考える理由については上のリンク先をを参照してください)。
4割の利益を求める式なら、4000×0.4=1600円です。

しかし、「4割の利益を見込んだ定価」のときは、1.4倍と考えないといけません。

4000円で仕入れた品物を1600円で売ったのでは大損です。
お店の人は、仕入れ値利益(もうけ)をたした金額で売ろうとするのです。これが定価です。
もともとの数量が1倍で、それに0.4倍をたした金額が定価ですから、定価を仕入れ値の1.4倍と考えるわけです。

4割利益を見込んだ定価」→(1+0.4)倍→1.4倍と覚えます。

次に、「1割5分引き」も0.15ではありません。

1割5分だと0.15倍ですが、「1割5分引き」だと、もとの1から0.15を引かないといけません。


1割5分で売るのではなくて、定価から1割5分引いて売るのだから、売り値の割合は1-0.15=0.85倍です。

1割5分引き」→(1-0.15)倍→0.85倍と覚えます。

以上より、この問題は、4000円で仕入れ、「4割の利益を見込んで定価をつけた」から「×(1+0.4)」、「1割5分引き」だから「×(1-0.15)」となるわけです。

4000×(1+0.4)×(1-0.15)
=4000×1.4×0.85
=4760円
となります。

(ポイント)

利益→1にたす
引き→1からひく

このことを理解し、覚えて使うことができれば、利益と割引の問題は簡単になります。

例題2:ある品物に、原価の4割の利益を見込んで定価をつけました。しかし、定価から20%引きの1792円で売りました。このときの利益は何円ですか。

(解答)
覚えた
「4割の利益」→1+0.4=1.4
「20%引き」→1-0.2=0.8
を、使います。

仕入れ値の1.4倍の、0.8倍が、1792円になったわけです。

よって、仕入れ値は、
1792÷0.8÷1.4=1600円

求めないといけないのは「利益」です。
1600円で仕入れた品物を1792円で売ったので、もうけ、利益は
1792-1600=192円です。

次の問題は、しばしば中学入試でも出題されるやや難しい問題です。

例題3:ある品物に仕入れ値の3割の利益を見込んで定価をつけましたが、売れないので、定価の15%引きで売ったところ、1890円の利益がありました。この品物の仕入れ値はいくらですか。

(解答)
やはり
「3割の利益」→1+0.3=1.3
「15%引き」→1-0.15=0.85
を、使います。

ところが、この問題の場合、わかっているのは利益の1890円です。
利益の1890円が何倍になっているのかを先に見つけます。

仕入れ値の何倍で売ったかというと、
1.3×0.85=1.105

だから、利益の割合は仕入れ値の1をこえた部分、1.105-1=0.105です。

0.105倍が1890円だから、仕入れ値は
1890÷0.105=18000円です。

このように、利益と割引の問題では
利益→1にたす
引き→1からひく
を覚えておいて、使えばよいのです。


俊英塾代表。「塾学(じゅくがく)」「学道(がくどう)」の追究がライフワーク。隔月刊誌『塾ジャーナル』に「永遠に未完の塾学」を執筆中。関西私塾教育連盟理事長。