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鳥爺寺子屋「愛鳥さんの健康管理(10)」異常な色の排泄物

いつもありがとうございます。鳥爺です。
今日は異常な排泄物の例をご紹介致します。

毎日排泄物のチェックをしていると自然に目が肥えてきます。
その中で着目してほしいのが色です。
目が肥えてくれば、異常な色の排泄物をすぐ見分けることができるでしょう。

まず黒い便。
黒い便が見つかった時に考えられることは、黒い物を食べたかどうか確認してください。
もし、そうでなければ便に血液が混じっている可能性があります。
つまり内出血です。身体の中で出血が起こっているわけですから尋常ではありません。
ではどこで内出血を起こしたか?
たぶんですが、上部消化管といわれる胃、食道、そのう、などから内出血があったと考えられます。

上部消化管があるということは下部消化管があるということですね。
下部消化管は、腸、泌尿器、生殖器、総排泄腔内などのことです。
では、この下部消化管で内出血が起こったら、どんな色になると思いますか?
赤い色、血の色で鮮血ともいいます。私たちは血便と呼んでいます。

黒い便も赤い便も、いずれも身体の中で出血が起こっている状態です。
尋常ではありません。早急に主治医の先生に診ていただくことをお勧めします。

そういえば以前、朝の見回りの時に血便が出ている鳥を見つけました。
すぐスタッフにその旨を伝えたら、その場にいたスタッフ全員から笑われてしまったのです。
「えっ!?」と思いましたが、よ~く見ると敷紙に使っていた新聞紙の裏が赤い印刷がありました。たぶん尿か水の影響で、赤い印刷が浮き出てたようです。
面目ない、といった感じでした(苦笑)。

排泄物をしっかりチェックするには白い紙や、新聞紙でも印刷していない新聞紙も売っているそうなので、そういうものを活用されるのもいいかもしれませんね。

次は濃い緑色の便。
実はこれTSUBASAではときどき見ることあります。
この便のことを私たちは絶食便と言っています。

TSUBASAで引き取った鳥の多くは、年齢、性別不詳です。
緊急レスキューの場合など名前(愛称)もわかりません。
食事も何を食べているかわからないこともあります。
そんな鳥たちにしばしば排泄される便に濃い緑色がある場合があります。

この場合考えられるのは、食事を食べていない状態です。
鳥からすればいきなり違う環境に連れてこられて、知らない人にお世話されます。
このような大きな環境変化で、食事を食べなくなる子がいるのです。
つまり何も食べていない時に排泄される便(濃い緑色)なので絶食便と呼んでいます。
この状況をほっとくと餓死してしまいますので、すぐ強制給餌をします。

他にもいろいろな色の便をする場合があります。
色付きのペレットなども便の色が食べた色になります。
以前も多くの鳥が紫色の便をしていました。
このときは前日愛鳥家さんからいただいた紫イモをおやつにあげたら、案の定、翌日紫色の便をしていました。

このように食べたもので便の色が変わる場合もありますので、まず異常な色の便を見たら過去に遡って、食事を確認しましょう。
その上で食事と無関係であれば、まず撮影をし、匂いを嗅ぐ、そして記録する。
もし可能であればその排泄物を持参し、主治医の先生に診てもらえればよりベターだと思います。

次回は尿酸の色、その他についてお伝えします。

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