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2018年1月の記事一覧

バー・ムーン・ビーチ 恋って何?

バー・ムーン・ビーチ 恋って何?

今夜は5歳くらいの男の子が来店した。

私が作ったホットレモネードをふうふうとしながら彼は私にこう質問した。

「ねえ、恋って何?」

「恋はね、誰かをすごく好きになることなんだ」

「ママのことすごく好きだよ。それは恋なの?」

「それは恋じゃないな。君はママにいつでも会えるでしょ。恋はね、めったに会えないんだ。ご飯を食べてるときも、お風呂に入ってるときも、会いたいなってずっと心の中でその人のこ

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フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン

フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン

※日曜日は読む人が激減するので音楽のことを。

ある男性の友人が「ちょっと手が届かないくらいの女性」に片思いばかりしているんです。

理由を聞くと、「ギリギリ手が届かないくらいの女性に片思いをしていると、いい作品がかける」のだそうです。

なるほどですよね。あらゆる芸術作品、あるいは表現活動は、「ギリギリ届かないところへの片思い」というのが、一番切なくて、優れた作品を生み出すような気がします。

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ヌレセパ



https://www.amazon.co.jp/すべて真夜中の恋人たち-講談社文庫-川上-未映子/dp/4062779404/ref=asap_bc?ie=UTF8

こちらの記事で気になっていた本を読んでみました

川上未映子さんの作品は初めてでしたが、全体的に詩的で平仮名と漢字のバランスが良くストレスなく読み進めることができました。本の帯にも書いてありますが、天才が紡ぐ繊細な物語という表

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さよなら、こじらせ女子

さよなら、こじらせ女子

「お前は俺が考える、現代のこじらせ女子だ」

伸ばしきった長髪を結び、下駄を履いて登校するような同級生に突然そう言われた。

「はぁ?」

その時、私は過労死寸前で休職中。心療内科に通いつつ、映画やアニメを見ては死にたい衝動を抑えているニートだった。

「とりあえずこれを読め」

2011年当時、AVライターとして活躍していた雨宮まみさんの『女子をこじらせて』という本だった。

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言葉を追い出す

言葉を追い出す

ぼくは詩は好きだけど、詩人には疎い
有名な詩人の名前はあまり知らない

そんな詩ろうと(素人)なぼくに一撃をくらわした詩人がいる。それが谷川俊太郎さんだ

それは「なんでもお○んこ」という詩だった。衝撃的だった。こんな詩を書ける人が日本にいたのか!と 笑

世の中には詩があふれている。しかし、その多くはあたりさわりのない、人々の共感と賛辞を得ることを目的としたファッションポエムだ

谷川俊太郎さん

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私にとっての生理食塩水

私にとっての生理食塩水

私は昔から、自分の好きな人たちを「生理食塩水」と呼んでいる。

人と建設的な議論や充足感のある対話をするためには、お互いの濃度を調整する時間が必要だ。

同じ日本語を話して、同じテーマで話をしていても、なんだか噛み合わなくてお互い空回りし続けるときは、この「濃度」がうまく調整できないままに話していることが多い。

人の意見なんてそう簡単に変わらない。

私たちにできるのは水溶液の濃度、つまり同じ視

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インスタ女子が語る「LINE衰退説」 ストーリー起点からの「脱線おしゃべりDM」がチャットアプリの入る隙間を潰している話。

インスタ女子が語る「LINE衰退説」 ストーリー起点からの「脱線おしゃべりDM」がチャットアプリの入る隙間を潰している話。

インスタの「ストーリー」をよくつかう、スマホユーザーのKTさん(22歳 女性 ※前回のLipsと同じ人)に、聞いた話をまとめました。

目次
1、インスタで「タイムライン疲れ」を感じるワケ
2、ストーリーとDMが新たな「コミュニケーションの起点」に
3、インスタがもたらしつつある「連絡先交換の死」
4、ストーリーコンテンツの多様化「ごっこ動画・絵文字漫画」
5、インスタDMから「アンケート調査」が

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「勝手にふるえてろ」に、なぜ、文化系の男性が熱狂するのかを、考えた(前レビューへの短い追記)

「勝手にふるえてろ」に、なぜ、文化系の男性が熱狂するのかを、考えた(前レビューへの短い追記)

「勝手にふるえてろ」に、文化系の男性が熱狂している。

これは、そのことについての、短い考察です(大島弓子「バナナブレッドのプディング」にも触れます)。



多くの人がもう気がついていると思うけれど、映画「勝手にふるえてろ」に熱狂する、文化系のツワモノの人が続出している。

それは、ツイッター上の、それこそ、いたるところで目撃できる。

この人とか。

この人とか。

この人とか。

これらの

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足跡機能:mixiから考える「いいね」や「スキ」の役割

足跡機能:mixiから考える「いいね」や「スキ」の役割

mixi復活しています。基本的にはFBとmixiは連絡用で、twitterは発信/情報収集/拡散用で使用しています。

mixiには足跡機能があり、誰かを訪問したらぺたっと訪問履歴が残る仕組みがありました。まあ、色々問題点もあったようですが、それでも既に繋がりを持った人だけでなく、既知だけど繋がっていない人、新しい人と出会うチャンスに大いに貢献していたのは間違いない機能です。

それにちなんだ「足

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強い文脈、弱い文脈

強い文脈、弱い文脈

ハムレットに登場する有名な台詞 "To be or not to be, that is the question.” は時代によって色々の訳され方をしている。

「世に在る、在らぬ、それが疑問じゃ」としたのは坪内逍遥、1909年。

「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ」は小田島雄志の訳で、1972年。

「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」これは2003年の河合祥一郎訳。

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日木流奈、魂の詩人



日木流奈くんは僕が大好きな詩人のひとり

脳障害児として生まれた流奈くんは自力で話すことができない。文字盤を使ってお母さんの手を借りながら会話をする

「その日に初めて会ったインドの美しき女性へ」

その瞳 暗闇の中で光る 星よりも深く 青い炎のように

砂漠の中の一粒の砂 流れ着いて 流れ着いて

会えるのは 本当に少ない

会えるのは 生きているうちではないかもしれぬ

けれど私は探し出す

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始めのことば

この世界には 始めにことばがあったという

ぼくよりも古く ぼくよりも大きく

ぼくよりも速いことば

ことばには意思があって 新陳代謝をくりかえしている

ぼくの放ったことばは

細胞になって

やがて手となり足となり

君のところへ歩いていく

ぼくのことばは君に触れ

君の美しい髪をなでる

ぼくのことばは君のしなやかな身体を抱きよせ

そっとキスをする

ぼくよりも上手に

君の始めのこと

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「彼女がいるのに、それ以外の女性と頻繁に会う男性の心理は?」に答えました。

※水曜日は質問に答えています。

【質問】
彼女がいるのに、それ以外の女性と頻繁に会う男性の心理を教えてください。
出会ってから半年程ですが、月に2,3回の頻度で食事や観劇やお祭りに行き、一度だけ腕を組みました。しかし、彼には付き合って3年以上の彼女がいるのです。
彼は私に「君は俺にとって必要な人だよ」「今(一緒にいるとき)が人生で一番いい瞬間だ」などと言ってきます。私は「ふーん」とか「ありがとう

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DVやモラハラをする人は自分が傷つくことを極端に恐れる人

DVやモラハラをする人は自分が傷つくことを極端に恐れる人

【2021年1月10日】
この記事は、下記に移転しました。

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