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Fujinonレンズで Bubble-Bokeh写真を撮る!

note読者の皆様、あけましておめでとうございます。本年もマターリと記事を書いていけたらいいなと思っています。

新年最初の記事にふさわしいかどうかは別としまして、、私はちょうど1年前の2021年のお正月に、1本のオールドレンズを手にしたこときっかけにフィルムカメラ沼に浸かることになったのであります。

そのレンズ、「Fujinon 55mm f2.2」というレンズで富士フィルムがフィルム一眼レフカメラを販売していたときのおよそ40年以上前のレンズになります。

今では「バブルボケレンズ」と呼ばれており非常に人気となっているのですが、当時は富士フィルムの初心者用一眼レフカメラ「ST605」シリーズのキットレンズということもあり、球数はそれなりに多いようです。しかし40年の時を経たことで状態が良くないものが多く出回っています。

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左がFujinon 55mm f2.2 です。中古の相場はジャンク品なら2000円程度ですが、美品ともなると10000円は超えてきているようです。

中古購入の際に注意頂きたいのが、

①レンズのカビの有無

②ピントリングの樹脂製部品のクラック(ヒビ)の有無

③Fujinon独自の開放測光用の爪の有無

④レンズ前枠の歪みの有無

というところでしょうか。

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私の購入したレンズは、カビの除去跡あり、ピントリングのヒビあり、開放測光の爪あり、前枠歪みなしの状態で、6300円でした。

カビの除去跡については、全面に広がっていないのであれば気にならないと思います。40年以上前のオールドレンズに完全状態を求めるのは、お財布にも精神衛生上も良くありませんので、寛容になることがオールドレンズを楽しむのに必要だと思っています。またほとんど開放で撮影しますので描写も甘々となりますから、全くといっても写りには影響ありません。

ピントリングのヒビについては、樹脂製ゆえの症状ですのでこちらも寛容に見てあげましょう。たまに部品が脱落して欠損しているものもあります。こちらは使う上では支障ありませんが、所有欲を満たせてくれるのは、やはり欠損が無いことが私には必要だったので、ヒビありでも部品脱落の無いものを選びました。

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開放測光用の爪の有無ですが、こちらは使用するマウントアダプターの種類により干渉することから、前オーナーが削り落してしまっているものが存在しているようです。『削り落す=意図的な改造』ですのでオリジナルな状態がよかった私は開放測光用の爪が残っているものを選びました。ミラーレスカメラでマウントアダプターを使用して撮影を行う場合は爪は無くても問題ありません。フィルムカメラで使用する場合は爪有りを選びましょう。

レンズ前枠の歪みの有無ですが、前枠が歪んでいると、保護フィルターや偏光フィルターが付けられず、残念なことになりますので、気を付けてください。

次にミラーレスカメラで使用する為に必要なのが、マウントアダプターです。私はRAYQUAL社製のアダプターを使用しています。Fujinon 55mm f2.2はM42マウントですので、お使いのミラーレスカメラに合わせて選んでください。マウントアダプターはRAYQUAL社の場合、レンズをねじ込む部分に段差があり、前述の開放測光用の爪が原因で最後までねじ込めないということがありません。干渉するアダプターもあるため、注意が必要です。

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さて、レンズをマウントアダプターにねじ込み、ミラーレスカメラに取り付ければ準備完了です。私はPLフィルターもつけて撮影しました。カメラはオリンパスのミラーレスカメラE-PL8です。マイクロフォーサーズゆえ、焦点距離は110mmになります。

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では、お待たせいたしました。作例をご覧ください。場所は昨年3月に訪れた北野天満宮です。

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まずは絞り開放で撮影です。全体的に甘い描写です。バブルボケを出すためにはまず、天気が良い(十分な太陽光がある)こと、被写体と背景との距離を十分に取って、背景に点光源や反射光を入れる必要があります。

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背景の梅の花が光を反射して、うっすら円形ボケが確認できます。最短撮影距離まで寄って、絞り開放で撮影しています。でもまだまだこんなものじゃないはずです。

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境内の建物を背景に入れてみました。先ほどよりも輪郭がくっきりした玉ボケが現れました。しかし数はまだまだ少なめです。

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出ました出ました。くっきりとした玉ボケです。オールドレンズで絞り開放で撮影すると、どのレンズでも玉ボケは出せるようですが、Fujinon 55mm f2.2の玉ボケの特徴はこのくっきりと輪郭が現れるボケです。背景の陰陽も合わさっていい感じです。

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平野神社に移動しました。早咲きの桜が咲いていました。こうしてみると何でもかんでも玉ボケが出る訳ではなさそうです。

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これも同様。背景がザワザワしすぎています。なるべく背景は暗く、いろんなモノが写っていないほうがよさそうです。

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そこで選んだシチュエーションが、背景に木漏れ日を入れるということでした。木漏れ日による強い光と背景の陰陽が合わさって無数の玉ボケが拡がりました。

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次に梅宮大社に移動しました。梅宮大社には有料エリアとして社殿の裏手に庭園があり、今回はそちらを訪れました。木漏れ日をいれながら、若干逆光気味に撮影。虹色のフレアも出ています。

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さらに逆光を取り入れるとこのとおり。現代のレンズでは絶対に出せない雰囲気がまたオールドレンズの楽しいところですよね。

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手前の木の橋に焦点を合わせて、水面の光をボケさせてみました。強い光であればあるほど、くっきりと輪郭が現れます。

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絞ると劇的にスッキリした写りとなり、二重人格性を持ち合わせたレンズです。110mm換算ですので被写体に寄らなくても大きく写せるため、木の高いところの花の撮影もやりやすいですね。

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陽が傾いてきて、竹林から西日が差してきました。おや、これは良さそうな木漏れ日発見!被写体に寄って撮影してみます。

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寄れば寄るほど、玉ボケが大きく育っていきます。まだまだ寄れそうです。

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出ました!今日一番の玉ボケ。木漏れ日最強です!!(笑)

少し、撮り比べをしたくなり、レンズを Fujinon 55mm f1.8 に交換して撮影してみます。同じシチュエーションで玉ボケの具合がどのくらい差があるのか検証です。

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上がFujinon 55mm f1.8、下がFujinon 55mm f2.2 で撮影したものです。

どちらも玉ボケは出ていますが、輪郭がくっきりしているのはFujinon 55mm f2.2の方ですね。いやぁ恐れいりました。

いかがでしたでしょうか。今回の撮影で綺麗な玉ボケを出すにはどういうシチュエーションが必要か分かってきた気がします。Fujinon 55mm f2.2は面白いレンズです。次は夜景やイルミネーションでも試してみたいですね。


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