第33話うどんこ先生ガンガン日誌「治験薬」
手術後の6か月点検(まるで車)の結果を聞きに
病院へ向かうことにした。
診察室の前に到着すると、今日は意外と空いていて
3番目だった。
前の2人は、すぐ呼ばれ、そして笑顔で診察室から
出てくる。を繰り返した。
さぁ。次は俺の番だ。たのむぅ~! と
待っていても呼ばれない・・・。
そして、まだ呼ばれない・・・。
あぁ~。主治医が検査結果に不審な点を見つけ
やがって時間がかかっているんじゃぁないか。
もぉ~。心臓が壊れる。早く呼ばれろ~!
お願いだから!
そして、ついに順番がまわってきた。
ドキドキしながら診察室に入っていった。
主治医の口からは・・。
『うどんこさん。良かったですね。
再発していませんよ~。数値もイイですねぇ』
みごとに、成績優秀者として6か月点検を
クリアしたのでした。\(^o^)/
でも、今回の診断結果には少しだけ自信があった。
その理由のひとつは、校外のイベントで1年ぶりに
会った他校の先生たちから貰った言葉だった。
『元気そうじゃないか。
顔色も良くなったみたいだし。
正直、去年会ったときは、もうダメだろうと思ったよ~。
いやぁ~でも、よかった。よかった。』
と無責任な奴らから言われた。
自分では、そう思っていなかっただけに、
ある意味でショック(?)を受けた出来事だったが。
これが逆に、自信のひとつになってくれていた。
それと、もうひとつ。
治験薬の効果がようやく出たんだなぁ~と、
密かに思っているんだ。
治験薬と出会ったのは、2017年の3月の
ことだった。
再発がわかり(よぉ~し闘志満々で)身体の中に
毒を入れ始めた日の午後だった。
『効果が出てくるのには最低半年。そして、
これから数年に渡ってこの薬とお友達関係で
仲良くできるかなぁ。
時間はかかるけど、やる? どぉする?』
長いなぁ~。でも、これから先、どのくらい生きる
ことができるんだろう?
とネガティブに考えたりもした。
まぁいいかぁ。とその時から治療の仲間に、
この治験薬を入れてやることにした。
そして、再発してから10数回、身体に毒を
注入したおかげで、ヤツが小さくなり切り取れる
ことになったのは、以前、りんこさんにも話したよね。
そのヤツがのんびりと構えていた場所が厄介だった。
どうやら骨盤の奥深くの血管にまとわりついていて、
もしかすると血管ごと切り取ることになり、
歩行しにくい状態になっちゃうかも。と言われていた。
(知らなかったのは本人だけ・・・)
しかし、ここは悪運の強さ神奈川私学№1の
うどんこくん。
執刀医の見事な腕前のおかげで無事この世に
2回目の生還をすることとなったのでした。
再発した周辺のリンパに見つかった、しこりたちも
一網打尽にし、そいつらの病理検査もクリアした。
この治験薬がしこりたちを良性のものにしてくれたのか?
そして、「P53抗体」というマーカーの数値を
ヤツと闘い始めてから最良の結果に導いてくれたのも
この治験薬なのか。
「この治験薬」を選択してから、1年と2か月が過ぎた。
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