学校訪問

#1 私立中学訪問記 実践女子学園

2019年6月12日訪問

実践女子中学・高校にいってきました!

ハイ、皆さん、今回は今年創立120周年を迎えた実践女子学園!
あ~、この学校もホント、好き。いや、好きなとこしか紹介しないからあったり前っちゃー、あったり前なんだけど、ここね、いい学校なんだよ、昔から。
今日はね、ここの良さをワタクシが独断でゴリゴリ語ってさしあげてよ~♪


苗は他人に褒められまくって芍薬の花を咲かせる


この学校の校訓は明治以来「品格ある女性の育成」。

それを説明するために、まずは、この話をしてみたい。
私は就活の取材も結構やってるからさ、その関係で時々、日本が誇る各業界のエクセレントカンパニーに勤める「お局」たちと会合を開いてるのね(飲み会とも言う)。
その「局の会」でこないだ、こんなことを言われたわけ。

「品格は一瞬の動作に出る」って。
つまりね、ドア開けた瞬間に分かるんだって、その人となりが。どんな育ちをしてきたか、ある程度は「瞬殺」で「理解」らしい。さすが、勤続四半世紀は超えてる採用担当の古参OL様方だけに、人を見る目は相当、厳しいやね。

そのお局のひとり(超一流商社勤務)が「90年代までは何とか企業も人を育てようとしてきたけど、今は超優良企業であっても、そんな余裕はゼロ。正社員の比率はドンドン少なくなり、つまり会社に良い意味で忠誠心がある人は少なくなった。つまり、りんこ、これは何を意味するか、わかる?」と尋ねてきた。

「分からん!」と素直に答えた私に、お局はこう言った。

「心を失くしたのよ」

要するに、こういうことだ。
今どきの若者たちはシュレッダーが溢れていても、見て見ぬふり。コピーのトナーが切れても、交換するのは自分ではない。化粧室に入れば、洗面台が濡れていても、髪の毛が落ちていても全く平気。
自分の若い時分には考えられない!ってことなんだな。
(お局たちは乙女の頃に、この辺りを先代お局様より徹底的に教育されてきたんだよ)

「今は、家庭力も落ちてるし、マナー研修ないから仕方ないかも…」と言った私にお局たちはこういう話をしてくれた。

「でもね、正社員、派遣の別はなく、もちろん、総合職、一般職の区別もなく、この子がいるだけで本当に助かる!みんなが気持ち良く仕事ができるって子がいるのよ。しかも、そういう子は間違いなく仕事も出来る!」

さあ、ここからが本題!

そこで、お局たちはいくつかの校名を挙げたんだな。
「ここの出身者は間違いない」ってね。
それがね、すべて中高一貫の女子伝統校。

そう、もうお分かりのように、実践女子学園、堂々のランクイン!
「(面接で)ドアを開けた瞬間に分かる」って言うんだな。

なんじゃそれ?だよね。
でもね~、今回、行ってみて、さすが世知に長ける方たちのお説は当たってるわとしみじみと納得した次第。

色んな生徒さんに直接、聞いて回ったんだけど、かなりの子がこう言うから、爆笑しちゃったんだよ。だって、こう言うんだもん。

「私、立ってるだけで褒められるんです(照笑)」

おめ~ら、芍薬か!?(爆笑)

つまり、初対面の人にまで、褒められる率がすごく高いって言うんだな。
でもね、すぐに理由が分かった。

これ、見て。

授業終わりの「礼」動画

授業が終わろうとしたので、休み時間風景を撮ろうと動画を回したの。
そしたら、これなんだよ。
日々、こういうことを日常生活の1コマとして、普通にやりながらの
6年なのかぁ…って。
ちょっと、驚いた。他校では見ないから。

これはね、中1から礼法の授業があって、お辞儀の仕方、玄関に入る、和室に座るからを学んでいくわけ。

礼法授業風景

中1のぴよこちゃんたちが、自主練を友だち同士で繰り返していてこれはホントに可愛かった。

「やってて良かった、礼儀作法!」(←高3生徒談)なんだって(笑)。


そして、尚も驚いた。

校内を徘徊していた私は甘い香りに釣られて、家庭科室に入って行ったんだけど、そこでこういうシーンに出くわしたんだよ!

 ↑ クッキー作り(割烹着は調理用と掃除・習字用の2枚がある)

この写真は班に分かれてクッキー作りをしていた中3を撮ったものなんだけど
私はある班に話を聞こうとして、近寄ったんだな。
それで、シンクの所に立ったわけ。
そしたらね、一番、流し寄りにいた子が、本当に自然な動作で、さり気なく、私のいる流し周りをサッと台布巾で拭いたのよ。私が万が一にも濡れないようにしてくれたんだけど、そのほんの数秒の出来事がね、すごく心に沁みた。

これが、全く目立つ仕草ではないんだな。
「お客様が濡れては困りますから、今から、ワタクシがお拭きしますわね」
っていう「やってあげる感」はゼロ。何だろう、息を吐くくらいの当たり前の感じ。

「ああ、これかぁ!?」って、思わず膝を打ったよ、あたしゃ。

いろんな先生方が口を揃えておっしゃる。
「ウチの子たちは、裏も表もなく仕事しますよね」

誰かが見ているから評価を上げたくて何かをするのではなく、それが
“たしなみ”だからって意味なんだと思う。「たしなみ」それは「普段のこころがけ」ってことなんだろうな。

更に、とあるクラスでは

先日の中学入試直前にもあるクラスでは、こういう声が上がったそうだ。
「受験生に気持ち良く、テストを受けてもらいたいから、私たち、髪の毛1本たりとも見逃さないように、掃除、頑張ろう!」

「人として、どう生きるの?どうすることが人のためになるの?」と心と体を律することを厭わない教育。

私は個人的には人間には体幹が必要だと思っているのだけれど、この心と体の幹を築くのは、年齢が行ってからでは相当、きつい。
(あたしゃ、まっすぐ立つことも難しいダメ人間(哀))
12歳から始めて、そして6年間しかないのに、この子たちは笑顔でそれを身に着ける。

後述するけど「心を作っているんですよ」というベテランの先生の言葉に、ああ、こういうこと?ってちょっと唸っちゃったんだよなぁ・・・。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)に勤めているOGはね、上司から
「頭がいい人は沢山いる。でも、研究にはチームワークが欠かせない。君がいることでチームがまとまっているんだよ」って褒められたと先生に報告したらしい。

実践女子で育った子たちは「世の潤滑油」なんだって。

先日、学校に来た28歳OG(この学校、渋谷駅徒歩7分@高級住宅街にあるから、OGも気軽に遊びに戻ってくるよね)はこう言ったって聞いてる。
「先生、“実践”力ってすごいね」

なんでも、企業研修があったらしいけど、偉い人に「君は第1次研修パス!」って言われたそう。理由は人が見てないのに、朝早く出社して掃除しているのを知ってるからって。

「無邪気に『私、パスしちゃった!(笑)』って笑って言っていました」
という先生なんだが、その子が、
×自分の実力
〇実践力=学校が着けてくれた力
って認めているところがまたすごい。

人が見ていようが、見ていまいが、良い働きをと自分で思った瞬間、自分の意志で動く。

先生方は本当に嬉しそうにこう言うんだよね。
「在学中は分からないと思うけど、OGはみんな『あの時のことを先生に謝りたい。あの時、先生が言ってくれたから、今がある。本当に感謝』
って言ってくれるから、苦労するけど、私たちはそれで報われるの(笑)」

教育って、どこで受けるかで、人生変わるんだなぁって実感した。そう考えるとさ、私学は本当に一生ものだよね~。

少女はこうして自己肯定感を育んでいく

この学校にいるとね、不思議な感覚に陥る。
東京・青山近くという大都会にいるのに、広大な敷地を有しているせいか、時間がゆっくり流れているような気がするんだな。

私の錯覚かな?と思って、OG先生(26歳・独身・美人・茶道部出身)に聞いたら、ニッコリ全肯定してくださって、こう教えてくれた。

「そうなんです。ゆったりと過ごして来れたなぁって思います。この土地全体から『あなたの好きなペースでね。今はボーッとしててもいいんだよ』って言われていたようにも思うんです。それで、ゆっくり将来を考えられたって言うんですかね…。
その内に、私、やっぱり、歴史好きだなって、それを深く学びたいって思って、大学は見事に史学科しか受けませんでした。第一志望、見事にダメでしたが(笑)」

思春期はオタマジャクシからカエルになる、とてもグロテスクな時期だから、
自分を鏡で見るたびに「ギョッ」ってなっちゃうんだけど、その時に「正しいカエルとは!」とか「早く一人前の立派なカエルに!」と急かされると、自分がどんなカエルになっていいやらも分からなくなるんだよね。

ここはね「うんうん、そうだね。じゃ、どんなカエルになりたいか、ゆっくり考えればいいじゃない?先生たちはいつでも、傍にいるからね」
っていう学校なんだよなぁ。

それを証拠に、もう会う子、会う子(高校生)に片っ端から
「あなた、将来、何になりたいの?」って質問して回ったの。私は「まだ、決まってなくて…」って答えを予想していたわけよ。
そしたらね、聞いた全員が答えた!!

これは、ちょっと衝撃だったな。

アトランダムに並べると
英語を生かした仕事(高1)、臨床心理士(高1)、CA(高1)、国際機関(高2)、外国との貿易関係(高2)、理系機関の研究所(高2)、小学校の先生(高3)、医療従事者(高3)、助産師(高3)、保育士(高3)という具合に既に目指すものがあるんだよね。

これは、創設者「下田歌子」の意志の元「女性の自立」がテーマの学校だから、この空気に包まれている内に自分の未来を具体的に見るようになるとしか思えん。

「『人生は自分でどうにかしないといけない』ってのは、ここの教えなんだと思う」とはある高3生徒の言葉。

しかもね、私は友達同士でいるところを狙って話しかけてるから、例え、決まっていても、友達には知られたくないというバリアが働くかな?と思ったんだけど、そんなこと全然、ないんだね。

バリアがあるかを聞いたら、みんなが同じようなことを言うから、こういうところが芯から女子校、いいなぁって思う。例えば、こんな感じ。

「小学生の時は周りの目が気になって、引っ込み思案でした。でも、ここでは何でも言っていいんだなって勇気が出る」
「悩んだときは、いつも、傍にいて励ましてくれる仲間がいる」
「話をただ聞いてくれる相手がいるから、自分は(存在してていいのだと)安心する」
「何を言おうが許される、分かりあえる」

そう言えば、先生が
「この学校では成績が良くもなければ悪くもないような目立たない子を注意深く見ているんですよ」
とおっしゃったな。

「あなたの存在をちゃんと見ている」という思いで、ちょっとした声をかけ続ける。そうしたら、あら、不思議、生徒はひとりで自信を持って立つことができるって言われて、泣けてきた。

学校の真価はね、実はこういう数字に見えないところに出ると思っている。成績が良い、悪いで目立つ子はどこでも構ってもらえる。でもね、心配ない層はほっとかれやすいの。

高3インタビュー写真 ↓ めちゃ、きゃわゆい(≧▽≦)


高3に座談会をしてもらった時に先生にもいてもらったんだけど
私が「将来は結婚したい人!?」って聞いたら、生徒さんがニコニコの笑顔で全員、「ハイ!」って手を挙げてくれた。フト見たら、先生(独身)も手を挙げていて、みんなで大笑いしちゃったよ。

「先生と生徒の距離がものすごく近いことが自慢です」
と多くの生徒さんが口にした。

だ~ね~。

実践に向いている子

この学校に向いている子は「素直、真面目、のんびり、おっとり、やさしい、ポアン系、明るい、ネチネチしてない、平和主義」だね。

先生が教えてくれたけど、ある部活で高3が高2に注意のダメ出しをしたんだって。
高2は当然、神妙になるよね。

それなのに、教室を出た高3は他の話で盛り上がり、廊下に笑い声が響いたらしい。
高2からしてみれば「笑い者にすることはなくない?」って思いが出る。
そこで、高3に訴えたらしい。そしたらね、ここが根が素直な集団の良さだと思うけど、高3はこう行動したって。

「全く関係ないことで笑ったので誤解ではあるが、そう捉えられてしまったことは事実。ならば謝るのが筋」ということで、高3全員が整列して、高2に謝罪したそうな。

顧問の先生たちは、ただ嬉しくて泣いたって言ってた。


「こころを作っているのです」

生徒さんに聞いて回った「これが実践ベスト3!」は
「校舎、制服、友達」だった。

私が思う実践を3つ挙げるとしたら
「白ネクタイ、メイポールダンスのリボン(中3が躍る伝統舞踊)、
図書館の蔵書(85000冊)」
ここはご存知、可愛いと評判のセーラー服。
ネクタイは中学生がえんじ色で、高校生は黒になる。ところが、式典の時だけは「白」のネクタイを家から着用してくるんだって。「白」ネクタイは「厳粛」の象徴。

先生はこう教えてくれた。
「その日は特別な式典のために、自宅を出る時から“心を作って”来て欲しいの」

ネクタイにはこういう話もある。
「先日、中3のクラスが中学でお世話になった先生方のためにと謝恩会を校内で実施してくれたんです。また高校で会えるのにね(笑)その時、秘密で練習していたというダンスを披露してくれたんですが、その最後に、皆が赤ネクタイを取って、空中に投げたんです。
『3年間、ありがとうございました!』って。私たち教員は『成長したなぁ…』って思って、泣けて泣けて…」

本当に多くの先生に話を聞かせて頂いたけど、多くの先生が感極まって泣くんだよね。「本当にいい子たちなんです…」ってね。

高大連携授業と大学進学とOGの就職先

ここは日本でも有数な文教地区にあるから、ご近所に大学がゴロゴロしている。
その地の利を生かして、高校生の分際でありながら、大学の講義も受けられるんだな。
希望すれば、併設大学の実践女子大は当然(5限の14講座の中から選択)だけど、国学院大学でも毎日、16時10分から19時20分までの90分2コマを開放してもらっている。
(今年は高1&高2で合計20名が参加中・高3は受験があるので除外)

講座名を見るだけで贅沢。「サブカルチャー論」「女性と言語文化」「美学」など(以上、実践女子大)、「ビジネス英語」「情報処理の基礎」「マスコミ論」「考古学各論」「宗教哲学」など(実に驚きの91講座by国学院大)。

やる気のある子には、ドンドンとアカデミックな環境を与える学校でも
あるんだが、大学進学実績とその先についても触れておこう。

まずは気になる、併設大学、実践女子大だが、併願と専願推薦に分かれる(専門性が高い「栄養管理士専攻」「幼児教育」は併願制度なし)。
今年は4人にひとりが実践女子大に進学している。
今年のね、ボリュームゾーン(評定平均で3.5。全体の真ん中層)の進学先を教えてもらったら、ザっとこんな感じ。

杏林(臨床工)、慶応(総合政策)、神奈川歯(歯)、中央(国際経営)、
法政(キャリアデザイン)、北里(動物資源科学)。

ランキングで言えば、この辺りが並んでいる。
真ん中でこのラインナップは悪くなくない?

指針になるかなぁ?と思って、就職も絶好調の東京女子大を使って、ちょっと考察してみたい。

東女には今現在5枠の指定校推薦があるのだが、評定平均3.5以上で推薦可能。2019年は16名が合格している(内、2名が指定校推薦)。
評定が足りない子は、一般受験になるが、今年は一般受験で評定平均3.1の
子が合格している。ここ3年の実績は同じように推移しているので、言い切ってしまうのならば、真ん中あたりに居れば、東女は「いただきます!」ということになる。

ついでに、OGたちの就活状況を見せてもらった(ちゃんと学校が把握して
いるところが女子校力なんだよ!)

今年23歳組(社会人1年生=250名)で一般企業に入社した人の中で、総合職採用が実に文理とも70%。今どき女子は頑張っている!

文系(110名)の進路ベスト3は銀行・保険(24.5%)、
運輸・卸売・小売(8.2%)、情報通信、放送、出版(7.3%)

理系(44名)の進路ベスト3は建設業・鉱業(13.6%)、銀行・保険(13.6%)
医療系(13.6%)

となっている。

企業は星の数ほどあるので、バラバラなんだが、敢えて言えば、みずほ、あいおいニッセイ損保、全日空などが多く、私でも知っているビッグネーム企業の羅列の表だったよ~。

冒頭にも書いたけど、やっぱ、ここの子たちの“人事受け”は本当だね。


授業はこんな感じで、意外と活発・・・にほえ、やしまの外までも

この学校、嬉しいことに森鴎外の「舞姫」を原文で高3に学ばせてるのよ。

知らない人のために、ものすっごく簡単なあらすじをりんこが書くと、こういう感じ。

「国費留学でドイツに行った超ご優秀な主人公・豊太郎は何やかやで貧しい娘
エリスと恋仲になって国費はく奪。豊太郎はエリスとは別れ、自分だけ日本に
戻り、偉くなっちゃうぞ!と決断。これを豊太郎の友人から聞いた懐妊中の
エリスは発狂。結局「狂人エリスとお腹の子どもを頼むね」とエリスママに
金を握らせ、日本に帰りやがった。それなのに『こうなったのは友だちのせい
だから、ちょっと恨むな』で作品は終わっている」


これは一般的には「豊太郎のクズっぷりが酷い」って話になるんだが、ここの
生徒さんの感想がすごく新鮮だったので、代表的なものを書いておくね。

「そもそもエリスにしっかりとした働き先があり、収入が安定していれば豊太郎に助けを求めることも、豊太郎に恋をすることもなかったと思う」
「豊太郎がこのような選択をするしかなかった、またエリスが身体を売ることで
しか稼げない舞姫という職に就かせた時代が悪いと思う」
「豊太郎は周りのいう事を聞くだけで、自分から阻止することや、考え直すことも出来ず、自分の感情に流されていくだけである。まさに器械的な人物であり、
ドイツに行ったから『自我に目覚めた』というのは目覚めてもいない人が
言うことである」
「豊太郎のその軽率な行動が多くの人を不幸や死に追い込んでいることから、
最も悪いのは豊太郎だ。しかし、エリスも豊太郎に依存し過ぎていると思う」

いや~!エリスが逆にクズなのだ!という意見は本当に斬新で、さすが、明治以来「にほへやしまの外までも」(←実践女子の校歌)と高らかに宣言してきた学校だけのことはある。
多角的に物を見られるということは素晴らしい。

何故、高3で「舞姫」か(難解なので今は殆どの学校が取り上げないから)を先生に聞いたら、こう答えられた。

「『置かれた環境の中で、人はどのように生きるのか』を高3という将来の進路について、最も真剣に悩む多感な年代の生徒たちに考えさせる教材として最適と考えています。
『自分だったら、どうするか?』という視点を持たせることを大切にして、学習を進めています」

「舞姫はやり続けます!」(by 24歳OG教諭)という、こういう信念が女子校の本当の存在意義!とちょっと感動。

また、高2フロアでは、こんな光景に出会った。
「大鏡の花山天皇の出家」という有名なアレをやってたんだけど、ここはどの授業でも生徒さんが活発に発言しているのが特徴。(←舞姫もそうだけど、どんな感想・意見でも一切、否定されない。むしろ参加歓迎なんだよね)

例えば、この授業では先生が「花山天皇は天皇になってまだ2年なのね。でも、
ある夜、誰にも言わずに出家しちゃったんだけど、どう思う?」って聞いたら、
生徒さんが「あり得ない!」「年号が(短期間で)変わって迷惑!」みたいに
口々に感想を言うから、可笑しくて笑ってしまった。

英会話もしんみりしてるのかと思いきや、そんなことない。習熟度別だけど、
どのクラスも笑い声がするんだよね。
いろんな授業を見て回ったけど、参加率、ハンパね~(笑)

英会話授業動画

実践女子がこれだけで分かる短いエピソード

丁度、訪問した日は高校生の球技大会の練習が行われている日で、高2VS.高3の
し烈なバレーボールとかを見学してた。

その中で、印象に残ったのがドッチボール。
先生が言うんだよ。
「生徒の中には運動が苦手な子もいます。でも、ドッチボールはそういう子こそ、英雄になれるんで良いんですよ(笑)。ボールが苦手だと、逃げ回るので、結果、最後まで残ってヒーロー待遇です(笑)」

そっか、ここでは、どんな子も必要とされて、その子を認め、褒められるから、
次第に自分の意見を堂々と言えるようになって、また、それを認めっていう
循環が出来ているんだなぁって、素直に、残った英雄に拍手した。

高3座談会が終わった後、私は「みんな、ありがとね」と言って、席を立ち、
別の場所に移動しようと20mほど進んで、振り返ったんだな。
そしたら、その子たちは私をずっと立ったままの姿勢で見送ってくれていた。

ある先生が「生徒の背中に点数は付けられないでしょ?教育はその場の点数ではなく、その子の一生のものだから…」とおっしゃる。

この意味を深く理解してくれるご家庭にこそ、お勧めしたい学校なのだ。

【数字で見る】実践女子に続きます!


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