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スーパードルフィーとは

ガラスの瞳に繊細なメイクアップ、美しい衣装。
丁寧に髪を梳かされて注意深くポージングされた姿を見ると、そこに命を感じないほうがどうかしてると思うぐらい「生きて」いる。

スーパードルフィーは、深い魅力のある人形。

お題「#とは」を見て何か書きたく感じつつ2ヶ月。
このまま何もせず2018年を終えたくない!の一心で、とにかくあまり考えずに殴り書きすることにした。

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書き終えたら意外と長くなったので目次もつける。

■そもそも「スーパードルフィー」とは?
→この名詞を初めて聞く方への紹介。


日本各地のオカン達があらゆるゲーム機を「ファミコン」と呼んだように、世界各国のオカン達はあらゆるゲーム機を「ニンテンドー」と呼ぶという。

突出して有名になった存在がジャンルの総称になってしまうこの現象は色々なところで見かけるけれど、人形の世界も例外ではない模様。

球体関節を持つ人形や、ちょっと大きめの人形を指し
「これスーパードルフィーでしょ?」
「このドルフィー可愛いね」
などなど、おもちゃ屋さんやイベント会場で耳に届いてくるそんな会話へ(いやいや、違うんです!これはですね…)と、うっかりウンチクを語りたくなってしまうことは時々ある。
※まだ実際にはやってないし自制心はちゃんとある。

そも「スーパードルフィー」という単語そのものは、京都にあるホビーメーカー・ボークスの登録商標だ。ボークスが作っている沢山の人形の中の、ひとつの種類についての名前だ。

素材はウレタン樹脂、1体ずつ手作りで製作され、関節がよく動くのでポーズをつけたり着せ替えたり、なんでも好きなように遊べる。

下記のオフィシャルサイトを覗いてみると、もっと詳しく丁寧な説明を、美しい写真と共に楽しめるので、ぜひそちらを見てほしい。
(宣伝じゃなくて!正確な情報は公式に任せる方式)

で、話を続ける。

その昔、ボークスが初めて自社製の人形を発売するときに「ドルフィー」という名前が考え出された。
「“ドール”と“フィギュア”その両方の魅力を備えた存在」を指す造語。日本語での感覚だとドールは手にとって遊べてもフィギュアは綺麗に飾っておくもの、という雰囲気があるので、両者の融合は何とも不思議に感じる。

最初のドルフィーは、リカちゃんやジェニー、バービー人形のように小さめのサイズ(6分の1)で、今や「幻の素体」と呼ばれている。

その後、より大きく、より魅力的な人形の開発にあたって既存のドルフィーを超える存在として「スーパードルフィー」という名前が、その新しい人形に与えられた。超人(スーパーマン)に通じる文脈の名づけだったとは…ハイセンスな。

そのまた後、新しいコンセプト・素材・設計で誕生した人形には、夢のドルフィー「ドルフィードリーム」という名前がつけられている。

そんなドルフィー達には着々とファンが増え、2013年には「Longest line of dolls(最も長いドールの列)」というタイトルでギネスの世界記録に挑戦、3282体が並んで記録達成もしている。


人形遊びが趣味の人ならたいてい知っている存在。
世界中にもファンを増やし各地で愛されている存在。

スーパードルフィー(Super Dollfie)の頭文字をとって略称は「SD」。でもうっかり「SD」で検索するとPC機器とガンダムばかり出てくる難儀な略称。

スーパードルフィーとは…これで基本情報はOK?
もっと詳しく知りたい方は、公式サイトをチェック!
上へ少し戻ればリンクがあるので、ぜひそちらから。


■私にとってのスーパードルフィーとは。
→ごく個人的な、開き直り感想文。


好きすぎて、好きすぎて、言葉につまる。

今まとめたように、もし「それって何?」とだけたずねられたら、通り一遍の説明はスラスラぱっぱと簡単に出てくるわけですよ。
でも「スーパードルフィーって、あなたにとって何?」と聞かれると咄嗟に言葉が出てこない!

なんだろう。
大好きで、大切な存在。

ペットや子どもや恋人や家族とは、違う。
いや、同列だけど別次元というか。

毎日顔を見て、毎日声をかけて、頭をなでて「可愛いね」って言う。「こんな服似合うかも」「この色好きそう」とあの子の事ばかり考えてる。
一緒に遊びたいし、街歩きしたいし、旅行もしたい。
なんなら四六時中そばにいてくれて全然構わないというか、むしろトイレとお風呂の時間以外はぜひともそばに居て欲しい。
うん?かなり、かなり一方的な熱愛かもしれない。

しかしだ、世の中の人々よ、考えてみてほしい。
熱力学におけるエネルギー保存の法則を。
愛情の熱にあてはめて。

周囲の人々(ペットも)、彼らは常に私とだけ向き合ってはいなくて、広く外の世界と交流していて、そう、互いにつながりあって生きている。
ゆえに私が発する愛情もまた彼らからこちらに届く愛情も、生活の中でどこかしらへとじんわり循環していく。愛情だけでなく友情や喜怒哀楽、感情のエネルギーは全てそんなふうに動いていくんだろう。

こちらから放った言葉や動作は、相手の中で相当に複雑な(時には単純な)化学反応を経て一部が戻ってきたり保存されたり、残りは外界に放たれる。
互いのやりとりが巡りめぐって毎日の暮らしは続く。

でも私がスーパードルフィー達に向ける愛情は、全く孤立していて、私と彼らの閉じた世界の中でだけ循環している。
私が注いだ愛情が100%反射して再び私を照らす。

しょぼくれた気分の時には一緒にしょんぼりしてくれるし、いいことがあった時にも一緒にニコニコご機嫌に過ごしてくれる。
忙しくってちゃんと顔が見れてない日が続くと静かに不機嫌オーラを放出してくるけど、何を言うでもなくやっぱり静かに待っていてくれる。

自己満足?
自分が投げかけたものが全て戻ってくるだけのことと思えば、一人で大きな鏡を磨き上げ、そこに映る自分を見ているようなものかもしれない。

けれどこの関係性は常に静かで、満たされていて、安らぎがある。愛情の見返りが愛情の世界なんて、いやはや最高じゃないか。


■スーパードルフィーについて、その具体的魅力。
→ごく個人的な、趣味嗜好の開陳。


抽象的なことは書いても書いてもきりがないので、「どう好きか」だけじゃなくて「どこが好きか」についても書いておこう。

◇顔の造形:
ほんと、初っ端にも書いたけど「何で生きてないんだろう」って不思議に思うレベルの、リアルでかつ端正で美しい造形。造型師さん達の魂は、確かにこの中にこもっていると思う。
年にいくつも新作ドルフィーが発表される、そのたびにため息と共に狂喜乱舞する。

え?・・・あ、はい。もっと具体的にですか。
私の好みは「ぽやん」と「キリリ」の両極端。

昔の子ならOP旧7番!
健美加はどのサイズも常に正義。
SD16雪之丞が永遠の王子様だとすると、
SDミミsweetが永遠のお姫様だと思う。
最近なら女の子はSDMナナsweetに首ったけ。
男の子はSDGOU近藤勇とSD17Dr.キリコが大好き。
FCSはSD-F-19が最愛、SD-F-71もお気に入り。

◇表情(メイク):
これがまた。
今のご時勢に一体ずつ筆(とエアブラシ)で手描きのメイクなんて、どれだけ贅沢な事かといつも思う。
どの子も繊細な表情で、見ているだけで癒される。
自分でドールメイクできる人達が心底うらやましい。

この20年ずっと見てきたけれど、ドールメイクに関してはテクニックのインフレーションぶりがすさまじい。スタンダードもCMもFCSも限定も、ほんと、どの子をお迎えしても毎回、何かしら驚かされてる。

だから、初めのメイクが愛おしすぎてメイク直しのサービスにも出せない子達にはときどき申し訳ない気分にもなる。経年によって変わっていくフェイスとボディの色味を揃えておきたいから、パーツ交換も一切なしで長年そのまんまで居てもらっているし。
(一緒に仲良く歳をとっていこうねぇ)なんて、まるでほのぼの老夫婦みたいな言葉をかけつつ過ごしているのだ。

◇衣装:
ボークス発売の既製品も色々沢山出ていて楽しいけれど、ディーラーさん達の手製の衣装や小物達のクオリティの高さたるや!
本気で作られた品物って、その心意気は必ず伝わる。
素材にも製法にもこだわりが見えるドレスや靴、アクセサリーは、丹精かけられた時間の分だけ輝きが増しているんだと思う。
そのキラメキを感じたら価格はもはや問題じゃない。そんな品は手に入れるのにためらいを感じない。

そんなわけでうちの部屋には、私の普段着より数段良い服を着て、品のいい靴を履いた可愛い嬢ちゃん坊ちゃんが、これまた上等なソファーに腰掛けてぬくぬくしている。君達いい生活してるね。

◇性格、設定:
幼い頃、大切なぬいぐるみにつけていた呼び名。
そんな「自分だけの思い入れ」って、誰でも何かしら持っていたんじゃないかと思う。人形遊びが高じると、それに磨きがかかるというもの。

「わたしのかんがえたさいこうのキャラクター」とも呼んで良い、個人の趣味嗜好をこれでもかと厚く塗りこめた設定を、私もがっちり持っている。

名前:
苗字もつけるし、出身地の設定によってはミドルネームもついてたりするよ!もちろん名前とは別にちゃんとニックネームで呼んでるけどね?

誕生日:
家に来た日だと思う?うん、もちろんそんな子もいるけれど、うちでは各自の設定に合わせて個別に誕生日を決めているよ!なんだったら西暦何年の生まれ、まで全部決めてあるよ!だって、お互いの人間関係には年齢差もちょっとは影響するからね!

性格:
一人称は何か、から始まって、好きな色や食べ物、逆に嫌いなもの、口癖や左右の利き手、趣味まで全部、一人ずつ設定があるよ!
男の子に至ってはブリーフ派かトランクス派かはたまたボクサータイプなのかまで、なんの遠慮もなく考え尽くされてるよ!大丈夫、皆、ちゃんと穿いてるよ!

関係性:
親兄弟に親戚一族、師弟関係から片思い~破局にいたる恋愛関係、様々な人間模様が!人形の世界も人間の現世と変わらず過酷だね!
さらにマルチユニバースな世界観展開で、複数のキャラクター設定を一身に背負わされている子達にいたっては、人気俳優もかくやあらんとばかりの演じ分けを日々こなしているよ!

…いざ書き出してみると、これはなんとも業の深い遊びのような気がしてきた。自分の中にある物語を、ドルフィー達に三次元で形にしてもらう。
こんな、ごっこ遊びの極北のような遊びかたを私は好んでしているけれど、世の人形好きな人々は、どんな風に遊んでいるんだろう。

いやいやいや。
趣味の遊びかたなんてのは人それぞれだし、正解・不正解なんてない。自分に正直にそして楽しく遊んで、日常を上機嫌で過ごせれば充分以上だ。
うん、来年も沢山写真撮って、あちこち出掛けよう。


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■最後に

「#とは」のお題が長く心にひっかかっていたけど、こうして書いてみると、やっぱり大層難しい。

「好きなの!これが好きなのー!!」とただ叫べる度胸がまず大事で。で、それだけじゃ足りないものがあるとよく分かった。

自分の好きなものを「誰に」伝えたいのか。
それで、どうやったらその人にまできっちり伝わるか。(届いた内容が意図した通りに理解されるかは別問題として)

心の中にあるぼんやりした感覚をきちんと言葉にして変えていく訓練場としてnoteは有意義な場所なんだなと、本日再認識。

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追記:
2018/12/17 改行変更・文章追加
2018/12/21 文章修正・見出し画像変更
2019/03/18 目次の設定追加、文章修正
2019/12/06 目次・リンクURL修正
2021/08/24 誤字修正

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