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ウェアラブルは流行るか考察(1) なぜ身にまとうのかの必然性 [連載]

ウェアラブルに興味がある。かっこいいし便利そうだし、もっとたくさん市場に出回って流行ればいいのにと僕は個人的には思う。でも流行らないのには理由があるし、けっこう根深い課題も抱えてもいそうだ。だれが何年後にその“谷”を突破するか。その先にはどんなビジネスやマーケティングが生まれそうか。
“ウェアラブルデバイス周辺の市場理解”について、数回の連載の形で考察しながら整理しておく。
(専門家ではありません。マーケッターの視点から、外野の新興市場を調べながら“個人見解”として整理する趣旨ですので、ざっくり市場状況を共に勉強したい方々向けの記事です)

1、まずウェアラブルとは?の定義

「ウェアラブルデバイス」とは、単に持ち運べるだけではなく、衣服や腕時計などのように“身体に身につけて常時利用できるデバイス”のことを指す。
腕時計型や、ブレスレット型、メガネ型、アクセサリー型などが登場している。とりあえず2019年時点の代表例としてはApple Watchをイメージしてもらうと良い。

ウェアラブルって、昔からイメージとしては存在してる方向性だし前衛的な先行商品もいくつも登場していたが、テクノロジーの進歩を受けて実際に市場形成しはじめたのは2010年代以降といえる

まずスマホを出発点におくとわかりやすいと思う。
昔々PCは自宅でないと閲覧できなかったが、スマートフォンが登場して外出先でも気軽にインターネットにアクセスできる環境が整った。
スマホは人類を素晴らしく便利にしたが、それでもスマホだと、持ち運ぶためにポケットやバッグが必要だし、使う時にはそこから取り出して操作に手と指を使わなければならないし、画面を目で見なければならない。両手がふさがっている時には使いにくいし、いちいち使うたびに起動の動作が必要である。

スマホだけでも充分便利なのだが、わざとあげつらうと、そういう弱点?からウェアラブルの必要性が発想できる。(じゃないと全部スマホに集約できる)

技術の進歩によりデバイスはますます小型化が可能になってきたので、“人類の人体構造”を再点検したときに、「もっと便利にインターネット接続機能を人間が持ち歩くことができるか」というのが、ウェアラブル端末の基本的な目標である。

2、その“部位”に合った“ニーズ”

この“人類の人体構造を再点検”というのも重要なポイントだ。

人類はもう何万年も、基本的な人体構造の形については変わっていない。足は2本しかないし、手も2本、指は片手に5本ずつ、耳は左右のみである。
そこに対して「手をもう一本増やそう」という発想は別の事業課題で、ウェアラブルは、この「人体構造の原則的フォーマット」の上にどう機能的にデバイスをシームレスに載せるかというのがお題目なのである。

その上でウェアラブルのひとつめの検討ポイントは、“部位の検討”だ。
身体にはいくつもの部位がある。手、足、目、口、鼻、頭。そのどこにどのようにウェアラブルするかである。

その部位を選ぶためには「なんのために」が付いて回る。“どんな機能を持ったデバイスなのか”ということである。つまり、ユーザー視点でいうと“どんな不便を解消してくれる機能なのか”というニーズである。

例で考えてみよう。
(例なので単純なのにするが)「気温が確認したい」というニーズがあったとして、スマホを見れば確認できるが“もっと早く簡単に的確に”確認できる方法はないか? がウェアラブルの目的である。

腕に気温が表示されているデバイスをつける
・気温を声で教えてくれるイヤフォン
・気温を常に映しているメガネ

ありがちなアイデアだが、こういうことである。気温が知りたいのに、“足の指につけるデバイス”だと便利ではない。

3、ウェアラブルを通じた“インプットとアウトプット”の違い

この例で示したのは“ウェアラブルを通じたインプット”の事例といえる。
ウェアラブルデバイスには大きく2つの要素があると考えていて、ウェアラブルを通じて①“インプット”をスムーズにするニーズと、②“アウトプット”を実現するニーズがあると整理できる。
両方を兼ねることも場合によりできるが、理解の上では①と②の機能特性があることを分解して整理しておくことは重要だろう。

②“アウトプット”の機能特性について例を挙げると、
走る速度をより正確に測りたい」といったニーズの場合だ。
これはリアルタイムにスコアを見たいというよりは、“正確に測る”というほうにニーズがある場合だ。
ユーザーの中にある身体性や感情量に関わるものをウェアラブルデバイスを通じて可視化する(アウトプットする)用途だ。

速度計のついたデバイスを身につける

でも、速度だけを測りたければ、デバイスは“極力振動のない身の着け方”をしたほうが正しい速度が測りやすいと(仮に)した場合。従来のスマホで、ポケットに入れた様式だとデバイスが安定せず速度が測りにくいとしたら何ができるか。手とか足への着用だと可動範囲が大きすぎてブレる。(これはあくまで例えばだ)

肌着シャツの背中にウェアラブル計測器がついていて、走っても揺れにくい
ヘアバンドにウェアラブル計測器がついていて、走っても揺れにくい

何が言いたいかというと、
“ウェアラブルデバイスの形はニーズに依存する”ということだ。
実現したいこと(ニーズ)があり、それをよりシームレスに“インプットやアウトプット”ができうる方法を真剣に検討している先に、ウェアラブルは登場する(必要になる)。

GPSでケガ減らす デジタルブラジャー、サッカーで拡大(日本経済新聞)

4、五感とウェアラブル

“ウェアラブルによる効率的なインプット”を考える際、“人体へのインプット”をやってる部位とはどこなのかとつきつめると「五感」にたどり着く。

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚。

基準となるスマホに比べて、“より見やすく”や“より聞き取りやすく”に特化したインプットを実現するためには、ウェアラブルが五感に直結する形状に近づく。
すなわち、視覚であればメガネやコンタクトレンズといった眼球周辺デバイスであるし、聴覚であればイヤフォンや骨伝導といった耳周辺デバイスとなる。

以上、第1回はウェアラブルの概況までとするが、第2回は実際のデバイスについて考察するつもりです。

(おわり、第2回に続きます)

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miyamoto maru

本業がマーケティング系で、時事ニュースにおけるマーケティング戦略や市場構造を分析する記事を書いてます。アート系やエンタメの分析評論も。2019はいだてんの全話感想が目標。

マーケティング戦略の観察【最近のニュースの分析まとめ】

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