さあ高らかに歌おう


小さな生きものが私に教えてくれる


『必要な分だけで充分だよ

暖かな日差し

綺麗な水

新鮮な空気

全部取ろうなんて

野暮なことはしないよ

少しで充分

あり難い

あり難い』



私は

嬉しくなり

そして

悲しくなって

そして

歌う



今を生きる人間

それだけでは足りず

過去に生きたものの亡骸すら

その欲望のために

燃やす

しかも

必要以上に



それだけでは足りず

よりおぞましいものすらも

その欲望のために

燃やす

しかも

永く続くさらにおぞましきものを残して



私は歌う

弱きものの代わりに



私は歌う

言葉なきものの代わりに



その定めとして

私は虐げられ孤立し

石の礫を投げられ

罵声を浴びせられ

日々蔑まれる



何を恐れることがあろううか

何故なら 神 がついている



何を嘆くことがあろうか

何故なら 必要以上に科学使い今を謳歌する人以外の 全てのもの がついている

過去に生き 未来に生きる 人 を含めて

それ以外の全てのあらゆるものが



そう奴らは気づいていない

難攻不落と思っているその煌びやかで光輝く夢のような城郭が

どこにも根ざしておらず

どこにも続いておらず

完全に孤立して

神の声すら

届かないことを

そこで今日も

狂乱の宴を開く

奴らだけの



さあ高らかに歌おう

奴ら以外の

全てのものへの詩を


この青い空の下で


さあ高らかに歌おう

自分の弱さを知る

全てのものへの詩を


この青い空の下で




2018年10月30日 mixiにアップしたものを、そのまま転載しております。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?