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【山陽バスむかしさんぽ】(10)多聞

多聞寺前停留所に停車する舞子駅前行きの山陽バス。青々とした木々の向こうに佇む屋根は古刹・多聞寺です。

多聞寺前停留所と山陽バス

1963年に開設された山陽電鉄バスの舞子線は多聞地区の山手にある舞子ゴルフ場を目指していました。大門橋を過ぎた路線は多聞南交差点で新道の舞子多聞線から分かれて54系統のバス道を進みますが、多聞寺前停留所の手前でバス道からも分かれて山田川に沿っていました。

多聞南交差点
左に分かれるのが旧道で今は54系統のバス道です
54系統のバス道となっている旧道
多聞寺前停留所付近
54系統は山田川を渡って左手へ向かいますが、山田川沿いに右手に向かいます。
山田川沿いの旧道

多聞寺交差点で新道に一瞬接してからも水道局垂水センターの裏手の山田川沿いに進んでいきます。バスが通っていたとは思えないような細い道が続きますが、住宅開発される前はもう少し広かったそうです。

多聞寺交差点
旧道は一瞬だけ新道に接します
多聞寺交差点の北側
左に分かれる山田川沿いの細道が旧道です
山田川に沿う旧道
山田川に沿う旧道
水道局垂水センターの裏手を行きます
山田川に沿う旧道

神戸市交通局さまの公式Facebookページ「神戸市交通局 沿線NAVI」には当時のこの辺りと思われる写真が掲載されています。

https://www.facebook.com/Kobe.Ensen.navi/posts/1648409862010838

水道局垂水センターの裏手を抜けると、道幅が少しだけ広がりました。山田川を挟んだ対岸は多聞寺と多聞六神社が佇んでいます。住宅地の中に緑があふれる景色はこの道をバスが行きかっていた当時と変わっていないのでしょう。

住宅地の中の旧道
対岸は多聞六神社です

多聞地区を通り抜けたバスはさらに山手へ舞子ゴルフ場を目指していました。

廃線跡調査が一つのジャンルとして成立している鉄道趣味に対して、バス路線は休廃止されればそこはただの道路になってしまいます。そのせいか、「廃バス跡」の調査はバス趣味の世界でもかなりマイナーな分野なのが現状です。しかし、「廃バス跡」の調査からは忘れられ、失われてしまったちょっと昔の町の姿が見えてきます。この「山陽バスむかしさんぽ」シリーズでは、今の神戸や明石を歩きながら、かつて走っていた山陽バスと昔の町の面影を辿っていきたいと思います。

参考文献山陽電気鉄道株式会社『山陽電気鉄道百年史』(2007年)山陽電気鉄道株式会社『山陽電気鉄道六十五年史』(1972年)

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