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なつかし劇場/ミスター・グッドバカを探して

飯田橋駅近くのオンボロ居酒屋で、名物の納豆オムレツをツマミにホッピーをあおる小生と同僚のしんちゃん。

しんちゃんはどん底の気分だった。

本日。職場の近所にある定食屋のおねえちゃんをデートに誘うべく、お誘いのタイミングをはかっていたその時。

おねえちゃんの彼氏が定食屋に初登場したのです。

彼氏を見たとたん、パッと笑顔が満開になる彼女。

「彼氏いたんか〜い」

思わず小声で口走る小生。

その瞬間に燃え尽きて白い灰となったしんちゃん、、、


というわけでヤケ酒です。

子供の頃からいたずらざんまいの小生。しんちゃんも同類です。いたずらや楽しかった思い出を披露。飲みの最後には決まって、

「下町のガキ魂を持ち続ける大人は俺たち位だよ」

というシメで納得し、ご帰宅するのです。

ちなみにしんちゃんは柴又出身。

柴又駅では「男はつらいよ」がテレビ放送された翌日。

「昨日、寅見たか?寅?」

と切符切りの駅員に挨拶のように確認するオジサンが続出してたそうでございます。

いささか飲み過ぎた2人。

店を後にして歩いていると、神田川が昼間の様に明るいではありませんか。

覗き込んでみると、警察の鑑識と言うんでしょうか、科捜研の女ならぬ、おっさん達が川をさらっております。

そうか!オウムの事件。

警察の偉いおっさんが撃たれて、兇器を神田川に捨てたとかなんとか、さっきテレビでやってたっけ。

仕事とはいえドロまみれになる、気の毒なおじさん達。


ここからはうろ覚えフィクションなのでございますが、、、


おじさん達の労をねぎらおうではございませんか。

張りつめた彼らの心をなごませ、明るい笑顔をお届けし、ついでにしんちゃんの失恋を吹き飛ばす名案を思いつきました。

「上流から、ダッチワイフ流そう!」

小生が提案した瞬間。

しんちゃんは吹き出し、膝から崩れ落ちました。

「裸族ってホンマモンのバカだよな!」

という事で、神保町のアダルトショップでとびっきりアヘ顔のダッチワイフを購入。

早速、神田川の脇でフーフーと息を吹き込み膨らましておりますと、、、

「あなた達何してるんです?」

つゆはらい的に警戒していたお巡りさんです。

ダッチワイフのバルブを口にしたまま振り向く、しんちゃん。

度肝を抜かれるお巡りさん。

どうやらコチラがマウントを取った感じです。今のうちにウヤムヤにして立ち去るのが吉。

「お巡りさん!しんちゃんは今日失恋しちゃったんだよ!優しく見守ってやろうよ!」

と、小生。しんちゃんの受け役も凄かった。

「あ!あけみちゃ〜ん!」

アヘ顔のダッチワイフに口づけをブチュ〜!

「そういう事は、家でやんなさい!」

動揺しているお巡りさん。

「お巡りさん、それを言っちゃあ、おしまいだョ、、」

「情の薄い世の中になったもんだねェ、、、しんちゃん、あけみちゃんと一緒にもう1軒行こうか」

半ベソでダッチワイフを抱きしめるしんちゃん。それを優しくなぐさめる小生。

ダブル男優賞の演技をかましながらその場を立ち去る、2人でございました。





最後までお付き合いいただき
ありがとうございました。(*´∀`*)
鳥裸族



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(拝啓、関東平野#68)





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