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裸族日記/輪ゴムそば

小生の生前からあるとおもわれるので、50年は続いている東京都北区にある王子駅の中央口の脇にある立ち食いそば屋である。

店名はまだ無い。

大画面で見ている方はわかると思いますが敷かれている緑色の玄関マットの置き方が逆。
店内から外に出る時に「いらっしゃいませ」

シャバにようこそと言う事か?

深い、、、

メニューは数種類あるが、ココに来たら240円のかけそばを頼んでほしい。

客は来ないのに、狭い店内に券売機が2台ある。

しかも、最安値のかけそばを選ばせないよう、大手のケータイキャリアの料金コースみたいに複雑にメニューボタンが配列されている。

店内はお客さん5人で満員状態になる。
厨房のおばちゃんとさし向かいになれば7人イケるか。

だが、おばちゃんはキャバ孃では無い。

さらに店内は地縛霊でも居るような雰囲気で白く光る蛍光灯と白いテーブルが遺体安置所のような心霊エンターテイメント感を演出。

誰もいないのでかけそばはすぐに出てくる。

お気づきだろうが、窓枠には山盛りのホコリというか何かフケの吹き溜まりみたいな柔らかい物質が溜まっている。

放射線測定すればハイスコアが期待できる。

数カ月ぶりにそばをすすり上げ食べ始める。

やっぱりだ。

他のそば屋では味わえない輪ゴムのような感触。

文房具屋で売ってる茶色い箱のオーバンドと提携しているのか。

噛み締めていくうちに、ミノを噛んでいる錯覚に陥る。

いつ飲み込めば良いのか、、、

大リーガーの選手みたいに、ゲームセットまで何かをかみ続ける小生。

ゲームセット。私の負けだ。

あきらめ、飲み込む小生。
こうなると普通のそばを噛む回数で妥協し、次々と輪ゴムを呑み込むビックリ人間。

もう、この店から出たいのだ。

胃の中に輪ゴムが溜まっていくのがわかる。

昔の江戸っ子はそばをたぐって飲んでいた。
そんな痩我慢を粋というのだ。

完食。

ごっそさん!

おばちゃんに別れを告げ外へ。

もうこの店には二度と来ないと誓いながら家路につく小生。

だが、また数カ月後。小生はこの店に現れるだろう。

あの輪ゴムの感触を確かめるために。




失礼しました。m(__)m

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