ガルラジを今すぐ追いかけろ

「ガールズ ラジオ デイズ」(ガルラジ)は、地方で暮らすごく普通の女の子たちが、ふとしたきっかけでラジオ番組を自主運営することになる――。
そんな彼女たちの日常と番組制作に悪戦苦闘する姿を描いた青春物語です。
愛知県・岡崎、静岡県・富士川、山梨県・双葉、石川県・徳光、三重県・御在所と、実在する5つの高速道路のサービスエリアが、彼女たちの拠点=スタジオ。
13人5つのチームが、個性豊かに物語を展開していきます。
そんな彼女たちが物語から現実世界に飛び出した、ネットラジオ番組「ガールズ ラジオ デイズ」(ガルラジ)がスタートします。
物語に登場するヒトや場所、また、物語ではわからなかった番組内容など、彼女たちのラジオが実際に聴けます。
ラジオに青春を捧げる彼女たちの物語――「ガールズ ラジオ デイズ」(ガルラジ)。
リアルでありリアルでない、物語であり物語でない。
そんなちょっぴり変わったお話をみなさん応援してください。
(公式サイト イントロダクションより引用)

ガルラジというコンテンツがある。二次元美少女によるラジオを中心としたコンテンツで公式チャンネル(https://ch.nicovideo.jp/garuradi)で小説が読めるし、過去の放送もタイムシフトで見れる。
公式サイト(https://garuradi.jp/)にキャラクターの詳細や公式アプリがへのリンクがある。ニコニコ生放送が気に食わないなら公式アプリからも各チームの過去放送が聞ける。ついでに言うとキャラクターによるつぶやきやアフターレポートもあるし、声優の写真付きアフターレポートまで揃っていて声優オタクにも優しい。今すぐ追いかけたほうがいい。

今回書くべきことはこれで終わりなんだけど、これだけでガルラジを今すぐ追うぞ!となる人間は少ないだろうし、納得できる人間はすでにガルラジを追っている人だけだろう。今すぐ追うべきであるぞと説得するためにもう少し頑張ってみようと思う。
すでに追いかける気になった人はこの方が具体的な追い方の話をしているので参照するといい。
https://livedoor.hatenadiary.com/entry/2019/01/03/142336

上に書いたとおり、ガルラジは二次元美少女によるラジオを中心としたコンテンツ群だ。強調しておきたいのはあくまでも『ラジオ』であってボイスドラマではないということである。もちろんボイスドラマ的な側面がまったくないとは言えないけれど。

もう少し詳しく話そう。
ラジオであるとはどういうことなのか。ここで取り上げたいのはラジオは少し遠くの世界で行われるものでありながら、向こう側だけで完結せずにこちら側に開かれたコンテンツであるという点だ。TVショーはショーの名の通り俺たちと違う向こう側の世界で世界が完結したものを外側から見ている感覚があるし、アニメや小説については言うまでもない。ギャルゲーやえっちなボイス、嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたいなどについても向こう側の世界にいる架空の誰かに向けられた行為をこちら側の世界から鑑賞するものである。こちらの世界と向こう側とは基本的につながっていない。
ラジオに親しみがない人にはSNSやブログを思い浮かべてもらうのがいいだろう。発信者と受診者が同じ時間に生きているという感覚と相互にやり取りできる窓口がありながらも、多少の世界的なズレがある感覚。またこれらはコンテンツ的でありながらも完成することはない。これがラジオの本質だ。
つまり「これはラジオだ」と感じるためには「同じ時間に生きている存在だ」「その気になれば繋がれる」「根本的には同じ世界に生きた人間である」ことを無意識的に理解する必要がある。ガルラジはこれを満たしているのだろうか?パーソナリティが実在すらしていないのに?そんなガルラジがラジオであると感じられるのはなぜ?
ここにガルラジの魅力がある。

ガルラジをラジオたらしめている工夫の一つは配信される動画の構成にある。
ガルラジは一本の動画のなかに25分程度のキャラクターのラジオ(メインコンテンツ)と10分程度の声優アフタートークをセットで配信している。そのためリスナーは、意識的に声優パートは聞かないぞと視聴を中止しない限り必ずキャラパートと声優パートを連続して聞くことになる。
またキャラクターパートの大きな特徴として、声優が噛んだり、笑ってしまったりと言った通常の演技であればカットされるような要素が活かされる。だからそれに対して声優はある程度アドリブで対応しなければいけない。
噛んだり笑ったりすることとその事後対応は声優の癖の要素、つまり身体性に由来する要素が大きい。またアドリブでそれに対応することもほとんど反射か、考えるにしても普段遣いの思考からでてくるものになる。だからこれらの要素は声優が素でトークするときには意識しなくても、いや意識していないほどに見られるものだ。俺たちはこれらの癖を通じて、無意識で声優とキャラクターを結びつける。キャラクターは声優の癖を骨にして自立する。
また声優ラジオとキャラクターのトークが強く結びつくことは、ラジオを聞き慣れた俺たちにとってキャラクターのトークをラジオと認識することを容易にしてしまう。そこには演技だけじゃなく声優の癖も見えているのだからなおさらだ。
キャラクターのラジオと声優ラジオをパッケージングすることはキャラクターコンテンツには興味あるけど声優にはそんなに興味がない人間にも声優とキャラクターを関連付けさせるため、そしてキャラクターが見せた声優の癖が無意識に残っているうちに声優ラジオを聞かせるための手法であろう。

もう一つの工夫は『つぶやき』というコンテンツにある。これはアプリから見られるもので、SNSを模した画面にキャラクターによるつぶやきがリアルタイムで更新されていく。SNSにすっかり慣れ親しんだ俺たちはSNSの文体で投稿されるのを見るとそれだけでキャラクターの実存を感じる。SNSのルールに完全にしつけられている。一度同じ時間に生きている人だと思ってしまえばラジオで同じように感じるのも簡単だ。前にも書いたとおりSNSがラジオに近いものであるというのもこの関連付けが上手く働く理由の一つだろう。

SNSとラジオが近い媒体であることの効能はもう一つある。
ラジオに慣れ親しんでいない人間にはガルラジがやってることがまさしくラジオであってもそうと理解できないことや、ラジオであることがわかったとしてもラジオの楽しみ方がよくわからない場合がある。そんな人でも現代のオタクであるならばSNSの楽しみ方が全くわからない人はいない。
おそらくニコニコチャンネルで連載されている小説を読んで、アプリからつぶやきを眺めるだけでも、ラジオに慣れ親しんでいない人間がラジオを聴いたときに直感的に「こういう楽しみ方ができるものなんだ」と理解する下地にはなるんじゃないだろうか。キャラクターラジオと声優ラジオのパッケージングがここでも機能していて、多くの種類のラジオを聞くことはラジオの聞き方を覚える最短ルートだ。さらにガルラジはエジソン内で広告番組をやっているのでそちらにも誘導される人もいるだろう。
これは妄想だけど、こういうふうにラジオを聞き慣れた人が楽しめるのは当然として、ラジオを普段聞かない人でもラジオに馴染んでいけるような仕組みになっているのを見ると、NEXCO中日本がガルラジ使ってやろうとしてることの一つにラジオの普及があるんじゃないかなと思ってしまう。俺はラジオが好きな人間だから高速道路の運営会社がラジオを普及しようとしてるならその思想はめちゃくちゃ最高だと思う。

さて、ガルラジは非実在美少女たちがパーソナリティであるにもかかわらず、声優を骨としつぶやきを肉とすることでラジオたりえていることがわかった。ここで話がようやく本筋に戻る。この記事のテーマは今すぐにガルラジを追うべき理由だ。

Q. なぜ今すぐガルラジを追うべきなのか?
A. ガルラジがラジオだから

ラジオをできるだけ時差なく聞くべき理由は、時間が立ちすぎるとラジオはラジオでなくなってしまうからだ。ラジオが同じ時間で俺たちに対して開かれたものではなくなってしまう。ラジオのアーカイブはラジオではなく、『ラジオのアーカイブ』なのである。ラジオのアーカイブを聞くのは、ある人物の過去のツイートを漁ることであり、まとめサイトでスレをみることであり、アルバムをめくることだ。
大昔の放送を聞くのは足跡の化石を眺めることだが、いまなら一番古い配信でもまだぬかるんだ足跡だ。匂いすら残ってる。時系列的にそれより前に当たる小説から読み始めてもまだ全然余裕で追いきれる。全然背中が見えてる。今すぐ追いかけろ。追いつけ。追いついてからもう一度振り返れ。

ガルラジを今すぐ追い始めるべき理由はもう一つある。
実を言えばこちらのほうが切実な理由なのだが、ガルラジはもうすぐ終わる。そのことがすでに予告されている。ここで一度小説版に記されているガルラジの設定を引用しよう。

ガールズラジオ・プロジェクト。それは、各地域ごとに集められた女の子たちに、ミニFMのラジオ放送を行ってもらうという企画。初動グループは五つ、開催期間は一年。それぞれ再生数、評価点数、コメントなどを総合したポイントが、ワンクールごとに集計される。最も高い成績を収めたグループは、正式な広域ラジオ放送に格上げされるが、逆にデッドラインを下回った組は解体され、新しい組が編成される。

ガルラジ本格始動の直前に行われたニコ生でもこのことについて触れられた。実際曖昧にぼやかされたのでこの設定がどのように反映されるのかはわからないが、『全六回の予定であること』『人気次第で継続の可能性があること』は告知されていた。
この継続の可能性というやつが厄介で最下位チームが解体されて継続されるのか、今の形式のままで継続されるのか、設定どおり人気チームが広域放送に格上げされるのかまったくわからない。
どれにせよ、今の俺に言えることはガルラジはこのまま人気が出るにしろ何事もなく終わっていくにしろ、伝説的なコンテンツとして我々の印象に残っていくことは確実である。

君が将来「ガルラジというコンテンツがあってな…」と過去の伝説としてオタクに聞かされることになるのか、あるいは乗り遅れた人気のコンテンツとして遠くから眺めることになるのかはわからない。だがどちらにせよ「なんでこんなおもしろそうなものがあるって早く教えてくれなかったんだ!」とは言わせないぞ。俺はちゃんと言ったからな。

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