見出し画像

第42話「自力旅における風呂と飯問題」(鳥取県)

自転車日本一周旅〜人生で大切なことはすべて旅で学んだ〜

本日の日記は女性もしくは、潔癖症関連の方はスルー願います。

山口県萩市を後にした自転車日本一周旅は、日本海からの潮風に乗り、爽快に鳥取県米子方面に進む。
国道191号線から国道9号線に合流。温泉付きの道の駅、海浜公園、オートキャンプ場など国道沿いに点在する快適な宿泊野営地を利用して旅は続いていく。
島根県の出雲大社にお参りした後、島根ワイナリーにて無料試飲コーナーでワインを嗜む。

松江市を抜けて、ゲゲゲの鬼太郎で有名な境港市にある公共マリーナキャンプ場に到着した。

キャンプ場のすぐ近くにみなと温泉「ほのかみ」がある。快適な自力旅を続けるのに、温泉の存在は必須だ。
キャンプ場を選定する場合、近くに温泉があるかどうかをまず確認する。
ペダルを漕ぎ続けて、大量の汗をかいた身体を浄める入浴施設は、自力旅のオアシスだ。
この癒やしと安心感、理解できるだろうか?

ペダルを漕いで大量に汗をかく。潮風を受けて、汗は瞬く間に乾き、肌はカサカサ状態になる。
海岸線は起伏道の連続だから、上り坂に差し掛かるとまた汗をかいて、潮風でカサカサ状態。
幾重にも発汗、乾燥を繰り返す肌からは、塩の結晶が浮き出してくる。
不快感極まりない。
自転車による汗とともに、寝苦しいテント泊での寝汗も実は半端ない。
やがて身体はカサカサ状態からネタネタ状態になる。木工用ボンドのように粘着度を増した肌は、寝袋や肌着と密着してくる。
さらに汗をたくさんかくと、皮脂の分泌も活発になる。 大量に分泌された皮脂が髪に伝わり、そこへ自転車走行による埃や車の排気ガスの細かい粒子などが付着する。髪の毛は、ネタネタを通り越してベタベタ状態になる。
身体は垢まみれになり、異臭を発するようになる。

本日は3日ぶりの入浴となった。
3日分の垢を落とすため、温泉で頭を洗う。
一回目洗髪、泡が立たない。
二回目洗髪、少し泡立つ。
三回目洗髪、通常の泡立ち。
全身の垢を洗い落とし切った爽快感。
サッパリ爽やかになった状態でテント泊ではあるが寝床が保証された安心感。
この爽快感と安心感は至福のヒトトキだ。
キャンプ場に戻り、夕飯の準備をする。

さて、ここでいきなり問題だ。
松江市からある野菜島を経由して境港市に入った。
その島とは次のうちどれか答えなさい。
① 人参島 ②大根島 ③タマネギ島
正解は②の大根島である。
大根だからと言って、決して、島の形状は大根型ではない。
特産品は人参だ。

続いての問題。
野外料理における便利野菜ランキングの第一位は一体何か。
答えなさい。
便利野菜の王様は、タマネギである。
理由は
・水がいらない。
・洗わなくていい。
・どこにでもある。
・ 煮てよし、焼いてよし、蒸してよし、炒めてよし、生でもオーケー。
・ 保存が利く
キャンプでは万能アルミホイルが活躍する。野菜界のチャンピオンであるタマネギやとにかく食べたいものを包んで焚き火に放り込めばオーケー。

第3問。
自力旅における男の三大料理は何か。
① インスタントラーメン
② スパゲティー
③ ご飯を炊いて、野菜炒めORレトルトカレー

その日限りのデイキャンプや一夜限りのBBQ大会であれば、豪快にダッチオーブン仕立ての鶏の丸焼きなどが男らしいところだが、自力旅ではそうはいかない。
旅が繰り返される自力旅では、荷物は出来るだけ軽い方がいい。
野外料理のコツは、早くできること、並行して料理を作ること。
必要最低限の食材で切り盛りすること。
少しの食材で素早く作って、ゴミを出さずに素早く片付けられるのが望ましい。
もう答えを言ってるが、すべて正解だ。
オートキャンプ場でよく見かけた風景。たまの家族サービスで張り切るお父さん。
腰にかけたサバイバルナイフを素早く取り出し、レトルトカレーの封を切る。
「お父さん、すごい」と喜ぶ子供たち。
時にアウトドアライフは人を狂わせる。
その雰囲気を傍目で面白がり、この3大料理必勝トライアングルを繰り返していた。
スピードメニューとして外せないのが、茹でたてのスパゲティにマヨネーズと醤油をかけて素早くかき混ぜて腹に放り込む。最高に美味い。

第4問だ。
じゃあ、大根の生きる道はなにか?
ランク的に第10位くらいの大根は、やはり大根おろしに限る。
チリメンジャコと大根おろしをホクホクのご飯にぶっかけて、しょうゆをたらして食べたいなあー。今すぐ食べたいなー。
しかし今晩の料理は、③を選択。
ご飯を炊いてふりかけと野菜炒め。
島根ワイナリーで購入したワインで乾杯だ。

では最後の問題だ。
これがあるだけで毎日毎日いいことばかりがいっぱい起こるのは次のどれか?
①力を抜く
②身体を動かす
③遊び心を忘れない
正解は全部だ。
人生一生暇つぶし。
そんくらいの気持ちで力を抜いていきましょう。私たちの身体は、食べたもので作られる。
私たちの心は、聞いた言葉で作られる。
私たちの未来は、発した言葉で作られる。


身体を動かすと、何を食べても美味しく感じる。
過去の集積で心は作られているから、過ぎてしまった過去のことをくよくよ考えない。
人間は考えすぎると臆病になるから、未来に向かって、力を抜いて、遊び心を大切に前向きに、前に進む。
自分のやりたいことを諦めるのではなく、やりたいことをやって自分の未来を明らめるのだ。
だから、
昨日には、感謝を。
今日には、情熱を。
明日には、希望を。


くだらない日記を書き留め、飯を食って、ワインを飲んだら、テントの中で、いつものようにいつの間にか眠っていた。

自転車日本一周旅を始めて1年2ヶ月が経ち、いよいよ大詰めを迎えた。
旅の締めくくりは、自転車遍路だ。
四国88ヶ所札所巡りに挑戦しよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?