ニアミス


夜空を見上げると明るい星、暗い星、たくさんあります。ただ月をのぞけばその大きさはほとんど同じ。というのも最も近い星である月は地球から38万キロというのに対し、惑星でもっとも近い金星となると、およそ4000万キロで全くケタは違ってきます。時速30万キロという光の速さを持ってしても、2分以上かかるような距離のため、近くても光の点のように見えてしまうのです。ただ現時点でわかっている宇宙の最も果ては、光の速さをもって130億年以上の距離にあります。つまり広い宇宙の中で、月や金星といった距離は、ごく近所という認識になります。

そんな近所を、きょう『2004BL86』という小惑星が通過します。通過する位置は地球から120万キロの地点が予測されています。この小惑星の大きさはおよそ500メートルという小さなものですが、状況によっては簡単な双眼鏡でみることもできるかもしれません。

さらにちょっと先の話になると、より地球に近づく小惑星が出てきます。いまから12年後の2027年、『1999AN10』と呼ばれている星は地球からわずか3万キロ、月と地球の距離の10分の1以下のところを通過します。こちらの直径は1キロ。これまでの研究では地球で栄華を誇った恐竜たちの時代が終わったのは、小惑星の衝突によって天候が激変したからとされています。その惑星の大きさはわずか10キロ程度と考えられますが、衝突の影響はものすごいものでした。

昨年にはロシアで巨大な火球が観測されたことがありました。今回の小惑星も気になってしまうところですが、NASAなどの研究機関では、ご紹介した2つの小惑星が衝突する心配はないとしています。

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