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オンライン修学旅行「広島 平和学習編」ご報告

「元教員」でも生きていける。そんな証明になります。

「コロナで残念なこともあったけれど、だからこそ見つけられたステキな出逢いもあったよね」と思ってほしい。
そんなオンライン修学旅行も、4回目を実施しました。

行き先は広島。平和学習です。

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今回の内容

二川先生にご紹介いただいて、第三世代が考えるヒロシマ「」継ぐ展の皆さんと一緒に平和記念公園を廻りました。
(以下、「継ぐ展」と書かせていただきます。)

「戦争」は僕にとって大きなテーマ。でもどうしてもモノクロでしかイメージできず、今の自分とは離れた「昔」という印象を受けてしまう。

「継ぐ展」のように年の近い方々が活動されている姿を見ると、その距離が縮まる感覚を覚えます。


広島ではピースボランティアの西村さんが迎えてくださって、
現地にいる「継ぐ展」の皆さんに向けて、そして東京にいる小学生に向けてお話をしてくださいました。


公開後に追記:「継ぐ展」の方が、facebookで記事にしてくださいました!


知らないことが山ほどある

今回は一コマ、短い時間を以下のルートで回りました。
原爆ドーム→平和の鐘→原爆供養塔→原爆の子の像→原爆死没者慰霊碑
(まさに爆心地を歩いたことになります)

歩きながら、西村さんが当時の状況を解説してくださいました。
お話しに合わせて、重要な箇所は僕がチャットに残していきました。内容を下に貼ります。

普通の爆弾と原子爆弾がちがうのは、熱戦、爆風、放射線
→だから地上で爆発するのではなく上空で爆発

原爆ドームは、もともとは博物館、美術館、品物を売っていた場所
→原爆で、屋根が一瞬で溶け落ちた、火をふくようになった
→原爆ドームが唯一残ったのは、①レンガ造りだったから②横からではなく真上からの爆風をうけたから

唯一残った原爆ドームを目がけて、たくさんの人が集まった。
→家族の名前を書き残したりした
→原爆ドームを保存するための募金も集めて、今保存している
→当時はまわりにギッシリと街があった

相生橋では、今でも8:15にチャイムが鳴る
→原爆が投下された時刻

平和の鐘には世界地図が描かれている
→国境が書いていない
→世界は一つなんだというメッセージ
→平和の鐘には原子力マーク
→そのマークに向けて鐘を打つ

公園にはハスの葉がある
→原爆を受けた人は、太陽の光がとても痛い
→ハスの葉で少しでも太陽をさえぎろうとした

原爆供養塔(げんばくくようとう)
→名前が分からないのでお墓に入れない方のお骨が入っている
→よその地域に行って亡くなった方もいる
→今でも見つかったお骨を供養塔に入れることがある

原爆8月6日~その年の12月終わりまでで、亡くなった方が14万人±1万人
→名前があった一人ひとりの方なのに、「1万人」という数にされてしまっている
→1万人もの単位でハッキリと分からない状況だった
→原爆で亡くなって、名前が分かって供養塔に収められているかたは「814名」
(亡くなった方は14万人)

原爆の子の像のモデルの方
→6年生ころまで元気だったが、体調が急変し、中学校に行けずに亡くなった
(白血病、原爆や放射線による病気)
→亡くなるまでに鶴を何羽も折った
→今でも毎年1000万羽の折り鶴が届く

今でも世界には、1万4000発の核兵器がある
→3000発以上が実際にすぐにでも使える状態

平和の灯(へいわのともしび)
→核兵器がなくなるまで燃やし続ける

原爆で家族を亡くした子ども達はどうしたのか
→疎開(そかい)といって、学校ごと別の場所に避難をしていた
→親が原爆で亡くなって、疎開先にずっと残されることになった
→親を亡くした子ども達が集まって暮らす場所ができた
→逃げ出す子もいて、広島駅前にそうした子ども達がたくさんいた。大人の靴をみがいたりして生活をした
→親せきのところに行った子も、一つの家にいづらくなって色々な場所を移ることがあった
(原爆孤児(げんばくこじ)

原爆で、街の表面は3000~4000℃になった

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上:原爆ドームの前で解説をする西村さん

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上:平和の鐘をつく「継ぐ展」の皆さん

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上:原爆ドーム

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上:平和の子の像


僕の中での気付き・振り返り

まだメンバーで振り返りは出来ていませんが、僕の中では「平和学習」と「オンライン修学旅行」という組みあわせにおいて、貴重な気付きをいただけた時間でした。

・平和学習もオンラインで行えたことに意義がある
→コロナ禍でも諦めなくてよいというメッセージ
→実際に現地で行う平和学習の前後にオンラインを取り入れられる
→それが可能であれば「現地だけの時間」で完結させる必要がなくなる

・現地で同時に学ぶ人がいて、オンライン先でも同時に学んでいて、という形の新しさ
→その人たち同士が話す状況を作れたら面白いのではないか
→今回ご一緒した「継ぐ展」メンバーの多くは学生さんだったので、異年齢交流も生み出せたかも
→先生でも友達でもない方々と、ナナメの関係として話せることで素直な思いも出せそう
→素直な思いを出せることがその後の学びを一番促進させるはず

・伝達か双方向か、当日のスタンスをハッキリ決めておく方がよい
→聞く時間が多いのはやっぱり苦しい。オンラインだとなおさらなのかもしれない?
→平和学習だと特に、話が長くなる場面は出る。途中で双方向性を挟めるかがカギなのでは?
→双方向の平和学習というのは新しいチャレンジになる、デザインを変えれば作れそう
→どちらかと言えば伝達寄りになりやすい平和学習。それならそれで振り切るべきだった
→今回であれば伝達型としてデザインを考えた方がよかったかもしれない。以前書いたこの記事のように。手前味噌ながら


今回、子ども達から挙がった質問は以下の通りでした。
双方向の平和学習をデザインする際は、これらの疑問や興味の取り上げ方、タイミング、扱う順番が大事になるはず…!

スライド1

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関連資料

参加した学校では事前学習も取り入れました。以下の資料、ご実践される際のご参考にしていただければ幸いです。「継ぐ展」の方々が作成されたワークシート


今回のことが子ども達のどこか心の中に残って、ふと思い出すような、いつか行ってみようと思うような経験になっていたらと願います。

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