Vol.2-#41 ハネムーン紀行⑧
モナリザまでの最短距離
出発10日前、ジャミ子は焦っていた。
ルーヴル美術館の予約が取れません!!!
ルーヴルは夫の悲願だった。
オフィシャルサイトを開いたところ、滞在期間中の全ての日にちが完売していた。
これは一体……取り掛かるのが遅すぎた。。
しかし数時間後、ジャミ子はとあるチケットを入手した。
それは現地ツアーを企画している会社の「入場チケット+モナリザの前まで連れて行ってあげますよツアー」だった。
なんだか怪しかったが、イチかバチか…。2万円払った。芸術はバクチだ。
そして運命の日。朝9時、敷地内にあるカルーゼル凱旋門の横。
旗を持ったスタッフを見つけた。予約は取れていた!
さぁ、連れてってくれ!私をモナリザへ!!
ツアーガイドに連れられ、夫婦はルーヴルの中へ。
館内は天井が高く、果てしなく広い。こんな迷路のような場所でA4サイズほどのモナリザを見つけ出すなんて、徳川埋蔵金を見つけるより困難だ。
だがジャミ子はものの10分でモナリザの前に辿り着いた。なぜならツアーは他の作品には一切立ち止まる事なく、入口からの最短距離でモナリザを目指すからだ。
そしてこの時点でツアーは解散となる。あとは各々ご自由に、という流れだ。
モナリザ前はすごい人だかりだった。
ジャミ子は昔、ダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」を読み、「自分はいつかモナリザと対峙する時が来るのだろう」と思っていた。
しかしそんな感動の瞬間を味わう余裕は、この人垣の中で1ミリもなく、ジャミ子は記念撮影に必死だった。
いや~満足満足。ジャミ子的にオッケー!
だが夫の唯一の希望であるルーヴルを、もう少し楽しむ事にしよう。
2時間後…気力体力の限界を迎えた時、外を見るとガラスのピラミッドには長蛇の列ができていた。
歴史と創作の泉、ルーヴル美術館へようこそ。
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