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L45等級のフローリング✕車いすの操作性

マンションと戸建住宅との違いは何かと言えば、当然、マンションは集合住宅の訳なので、2階以上に住んでいる方は、自ずと下階があり、「他人」が住んでいます。

そこで、やはり気を遣うことと言えば、「音」(生活音や物を落とした時など)ではないでしょうか?

現在のマンションでは、管理規約でほぼほぼフローリングを貼り替える際は、

「遮音等級のL45以上のフローリングにしなさい」

と、明記されているでしょう。

そもそも、遮音等級というのは、

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上階の人の音が下階にどのような騒音として聞こえるのかの指標です。

そして、よく言われるL45は、この表にもあるように、上から二つ目の性能をクリアしているフローリング材になります。


例えば、古いマンションで、現在はこのL45ではない、普通の硬いフローリング材だとしても、新たにリフォームする床材にはL45のフローリングにしなさい、となります。

では、そのL45とはどんな物なのかというと、

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フローリングの断面ですが、この一番下にある白っぽい部分が、遮音性のある材質で、少しフカフカしています。


なので、マンションに住んでいる方は分かると思いますが、フローリングの上を歩くと少しフカフカと柔らかい感じがすると思います。


よく、介護保険の住宅改修で、室内で車いすを利用している利用者さんから、

「畳の上ではタイヤが沈み込んで操作がしにくいので、フローリングに貼り替えてほしい」

という依頼を頂きます。

その「操作がしにくい」という感覚は、このL45のフローリングでも同じです。

なので注意が必要なのは、マンションでL45のフローリングにしないといけない所での改修は、

フローリングに替えても、もしかしたらあまり効果が得られない可能性がある、

ということを利用者にはお伝えしないといけません。

また、それと合わせて注意が必要なことは、

「車いすや、シャワーキャリーのタイヤは小回りが利く」

ということ。

小回りが利くことは、良いことなのですが、このフカフカのL45等級のフローリング上では、タイヤが動く際にフローリング材が捻れてしまうことがある。


その事で、フローリングの表面が切れてしまうことがあります。

これって、結構見逃しやすい点です。

車いすのタイヤはご存知の通り、

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前後にタイヤがありますよね。

そして、その前輪部分は、

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当たり前ですが、360度クルクル回ります。

その動きがどうしても、方向転換する時には、自身の体重、車いすの自重が合わせて加わることて、よりフローリングの表面に強い捻れ力が加わり捻れていきます。


以上のことから、マンションの床材変更の時には、必ずマンションの規約を必ず確認し、そして、施工後の使用時の注意点をお伝えし、利用者や家族さんに今回の内容をお伝えしましょう。


綺麗に仕上がっても、直ぐにダメになっては元も子もないですもんね。


by inochi

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【inochi プロフィール】

これまでの、福祉用具、住宅改修の実績は2500件を超える。

【資格】

二級建築士/福祉用具専門相談員/福祉住環境コーディネーター二級/ホームヘルパー二級/神戸市キャラバンメイト/既存住宅状況調査技術者


〇執筆実績
日総研出版
「訪問介護サービス」、「達人ケアマネ」にて、福祉用具・住宅改修の「村上式 福祉用具のQ&A」を2年半執筆連載。
〇講師実績
福祉用具専門相談員指定講習会主任講師

介護職員初任者研修

認知症サポーター養成講座(地域住民・NPO・企業・介護施設など)

〇施設向け研修
「明日から使える!福祉用具の使い方」

「知っているようで知らない福祉用具活用法」
「どこにも載っていない、手すりの取り付け方と考え方!」

など



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