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【読んだ本】 センスは知識からはじまる/水野 学

この本を一言で言うと...

普段なんとなく使っている「あの人、センスが良いよね」の「センス」って何か、どうやって身に付けるのか、がわかる本

読むべき人は...

① サービス・プロダクトづくりに携わるすべての人(一定の美意識が求められる人)

② マネージャーや経営層など、客観的な判断が求められる人

読んで学んだことは...

①「センスの良さ」とは数値化できない事象の良し悪しを判断し、最適化する能力である。

例えば、おしゃれもかっこよさもかわいらしさも、数値化できない。でも、そのシーン、そのとき一緒にいる人、自分の個性に合わせて服装のよし悪しを判断し、最適化することはできる。それを「かっこいい、センスがいい」と言う。

② 技術がピークを迎えると「センスの時代」がやってくる

人間は、技術がその時点の限界まで達すると、美しいものを求める傾向にある(技術からセンスへの揺り戻し)。だから今の時代、企業の美意識やセンスが、企業価値になる。

③ センスとは「知識の集積」である。

センスとは「知識の集積」であり「知識に基づく予測」である。

効率よく知識を集積するには、以下の3つがある。
1. 王道を知る
2. 流行を知る
3. それらに共通項やルールがないかを分析し、自分なりに解釈する

④ センスの最大の敵は「思い込み」「主観性」である。

思い込みや主観による情報収集や判断を行うとセンスは良くならない。客観情報を集積し、客観的な判断ができるようになることで、数値化されない事象を最適化するセンスの力が発揮される。

読んで思ったことは...

センスは「メタ思考」だ。

水野さんが語る「センス」は、細谷功さんが『具体と抽象』や『メタ思考トレーニング』の中で語っている「メタ思考」に限りなく近い。

細谷さん曰く、「メタ思考」は以下のような能力のことを言う。

・自分が “気づいていないこと” を認識し(無知の知)、
・思い込みや思考の癖から脱して、
・そこから得られる気づきや発想をもとに創造的な発想ができること

これは、水野さんが語っている「センス」の定義にとても似ている。

・何を知っていて何を知らないかを客観的に判断して知識を集積し、
・思い込みや主観性を排除して、
・集積した知識の共通項やルールを分析・解釈して、物事を判断し最適化する能力

特に、メタ思考において重要な「抽象化の能力」が、センスの良し悪しにおいても大きく影響するはず。センスが良いと感じる人は、膨大な知識の中から抽象化したエッセンスを目の前に出現させて、問題を解決するのが得意な人だ。

水野さんが言うように、客観的にいろいろな知識を集積しつつ、それらの共通項やルールを自分なりに解釈する(=抽象化)と言う作業をもっと意識的にしてみたいと思った。



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