手段にフォーカス

ときどき Twitter のわたしのタイムラインに、プログラマーとはかくあるべし、ソフトウェアエンジニアならできて・やってて当然、みたいな強めの言説があがってきて、それに反応する人たちがいて、うっかりわたしも、その様子を見物しにいって、時間を無駄にする、ということがある。

営業職に求められる職務が、業界や職場や、その他の環境によって異なるように、おそらくあらゆる仕事がそうだと思う。例外はよっぽど規格化されてたり、プロセスが規格化されることが重要な仕事くらいじゃなかろうか。知らんけど。

前提が共有されないあるべき論を見物する、などという次のアクションにまったくつながらない、つまり無駄なことに時間を使わないように、自分がいまどうやってるのか、書き残しておこうと思う。

戦略的・効果的な広告キャンペーンの助言をする組織で、技術的な課題解決と、キャンペーンがはじまったときの、プロジェクトマネジメント的なことをする。というのがわたしの基本的な仕事だ。

で、マーケをかじったり、企画をする会社でいろんな企画を見たりしたので、目の前に出てくるキャンペーンの企画やクリエイティブ(制作物の設計とか、制作物そのものとか)に、言いたいことがあったりはする。こうしたほうがいいんじゃないかなーとか。でも基本的に私は、聞かれない限り言わないようにしている。それが私から見て、明らかにつまんなさそうであっても、言わない。

どうしてかというと、制作物・開発物や、その制作・開発プロセスについて考えられるのが私しかしないからだ。企画やクリエイティブに関して、言いたいこと言う人は、何人もいる。すごい人もしょぼい人も。だからわたしがいなくても、企画は進んでいく。でも、制作・開発について課題の発見、問題の解決を自分の職務だと思っている人はいないか、難易度を過小評価されている。そして、この領域での問題は、わたしが解決するべきだと認識されている。と思う。(そして内緒だけれど、わたしは、素人目線の斬新なアイデアなどというものを信用していない)

追記 2019-11-04 13:46 (同様に、私が思いつく企画のアイデアや、営業の進め方や、戦略策定は、それぞれのエキスパートから見れば、穴だらけで話にならないであろう)

わたしが所属するチームの人々は、わたしに協力的で、というか、だいぶ気を使ってくれていて、全力で信頼している。これは救いだ。

だからこそ、わたしは企画は彼らに全力で任せてしまって、自分はそうじゃない部分に集中する。

経営者目線がないとか、営業活動によりそっていないとか、解釈されることがあると認識している。その誤解を解くことで、この職がより正当に評価されるであろうと認識している。でも悪いけど、わたしは今のところ、そんなことにフォーカスしない、と決めている。

もとの発言を見つけられないんだけど「自分は、手段のエキスパートである」と位置づけていた人がいて、ああ、かっこいいなと思った。手段のエキスパートでいること、ではなくて、自分が所属する組織のなかで、そのように明確にスタンスを取ることが、だ。

わたしだって組織が変われば、もっと別のレイヤーを気にすることになると思う。でも、わたしが今の組織にもっとも貢献できるのは、手段にフォーカスするとき、なのである。


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