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イケてる One More Thing

ちょっと手伝い的に、打ち合わせに呼ばれた。その場で、その人がおそらくは気合をいれて案を考えた、あるいは、これはイケてる考えている要素を提案していた。問題は、顧客の課題解決につながってないように見えることだった。

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むかーしむかし、営業やビジネスデベロップメントの人に、「こういう提案をしたい。こういう課題があるかも知れないから、念のために調べておいて欲しい」と言われることがあった。あるいは、もっと自主的に、この課題であれば、このテクノロジーを応用できるのではないか、と考えたりすることがあった。

いろいろ調べる。デモを作る。ちょっと違うなと思って修正する。すると、また調べるべきことが出てくる。結果、そこそこの時間を投入するし、なれないことを学ぶので精神的に疲れる。達成感と、疲労を覚える。するとこう考える ―― 「ものすごく良い提案だ」

顧客、あるいは顧客候補と会う。話を聞いているうちに、あるいは提案をしているうちに、「あれ?この後で、One More Thing 的に出そうとしている、俺のものすごく良い提案は、顧客の課題を解決しないな」と気づくことがある。まあ、大抵そうなる。2割も当たればいいほうだった。

で、私を連れていく人々は、それでも私を再指名(いや、別にそんなしくみはなかったけど、◯◯さんに来てもらいたな、みたいなね)する人は多かった。「どんなに時間をかけても、自分のアピールためだけの提案をしないから」という理由で。

エンジニアに限らないけど、聞かれたことではなくて、言いたいことを話す人というのがいる。私は気を許した人でなければ、いちいち話をしたくないので、たいてい黙っている。残念ではあるけれど。営業の連中なんて、どんなに正しいことを言っても、客が喜ばなければエンジニアを煙たがる(個人の偏見です)。顧客が興味を持たない提案なんて、なおさらだ。だから、黙っていた。

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反発を食らっている状態で押し込んでも、いいことはない。せめて、相手の問題を解決することを、納得しないと、押し付けられているように感じるだけだ。

イケてる案は含めないことになった。それでいいと思う。

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