📸１０年前、国会で揺れを感じ、被災地に飛びました

　2011年3月11日午後2時46分、東京・永田町の国会の参議院特別委員会で菅総理（当時）を撮影中にこれまでに体験したことのない揺れを感じました。
ロイター通信のフォトグラファーだった私はそのまま被災地に向かい、その時、最も行方不明者の多かった、陸前高田市に入りました。

📷１０年間取材を続けると、いろんな忘れられない話を聞きます。

ー悪いけど、ここに住んでいないあなたには分からない。やっぱりこの気持ちは住んでいる者にしか分からないと思うわ。これは言葉で言っても伝わらない。ー

ー（帰還困難区域）解除になって、故郷に帰れる？もう何年も息子夫婦と孫と今の生活をしている。孫にしてみれば、今の生活の方が長い。子や孫と離れてまで故郷に戻るかね。今の所なら、パン買うのも病院も歩いていけるー

🌸10年という月日は長い。当事者の方々に思いを寄せたい。📷

　10年前の陸前高田で無限に広がる瓦礫の海を見て、「写真なんかとっている場合か⁉️」と思いました。しかし、その夜に避難所で「あなたたちの写真で助けられているのよ」と言っていただき、自分の使命を悟りました。

　その後１０年間取材でお世話になった人たちには、

「自分の使命はこの（福島）事実を世界に伝えることだ。そして世界の人たちに福島を忘れさせない事だ」
「もし伝えることが無ければ、もう取材には来ません。遊びに来ます。」

　そう言ってきました。そして10年目の3月が来ました。（つづく）