記事抜粋148

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[1] 公的予算での研究に学術論文の即時無料公開を義務づけへ…政府、成果を国民に還元 (msn.com)

  1. 政府の統合イノベーション戦略推進会議(議長・林官房長官)は16日、国などの公的予算で行う研究については、成果をまとめた学術論文を無料で即時公開するよう義務づける方針を決めた。研究成果を国民に還元し、利活用を促す狙いがあり、2025年度以降に公募する研究に適用する。 研究成果の発表は、学術誌に論文を掲載するのが主流だが、文部科学省などによると、9年間で掲載料は5・5倍、購読料は同1・3倍に高騰し、大学や研究者の経済負担が増している。 そこで政府は、審査を経て配分する「競争的研究費」を使った研究の論文は、一般でも閲覧可能な大学独自のデータベースなどへの登録を義務づけ、無料で読めるようにする。研究成果への「オープンアクセス」の実現で負担を軽減し、成果を自由に利活用できる環境を整える。また、掲載料などの価格交渉を個人ではなく大学が組織として行えるよう体制の構築を支援する。

  2. 国民に還元するのは結構だが、国民のリテラシーが上がらんことには・・・。

  3. そのためには国民所得を上げなくては・・・。

  4. その逆を狙っているようにしか見えんのだが・・・。

[2] 日本ってまだこんな国だしね:「女性は子ども3人産んで一人前」発言の有無問われた福岡・宮若市長「発言しました」…辞職の考えは否定 (msn.com)・・・家畜じゃねえんだよ!・・・だよね?・・・あれ?、家畜だと思われてたんか・・・。

塩川秀敏氏
  1. 地方政治家のリテラシー低っ!

  2. 福岡県宮若市の塩川秀敏市長(75)による職員へのハラスメント問題で、塩川市長は15日の市議会百条委員会に出席し、職員アンケートで指摘されたハラスメント行為の多くをおおむね認めた。 百条委は、塩川市長を証人喚問し、市職員労働組合が昨年12月に実施した職員アンケートの結果を基に尋問。アンケートでは、回答者の約2割がハラスメントを受けたと答えていた。

  3. 神谷喜久雄委員長が行った主尋問では、「女性は子どもを3人産んで一人前」「あんたは子どもがいないから親の気持ちがわからん」という発言の有無が問われ、塩川市長は当時の状況や経緯を説明しながら「発言しました」と回答した。

  4. また、忌引で3日間休んだ職員に「忙しい時期に何事じゃ」などと発言した点については、「やったと思います。謝ります」と述べた。

  5. このほか委員10人による尋問も行われ、塩川市長は職員への叱責(しっせき)に関しても「机をたたいて(叱責)したことはあります。パワハラになると思います」と語った。

  6. 終了後、塩川市長は報道陣の取材に応じ、今後については「大事なのは私がきちんと謝ることで、職員との信頼回復は可能」と述べ、辞職の考えはないことを強調した。神谷委員長は「ハラスメント行為を受けた職員の証人喚問も可能か検討したい」と話した。

[3] 孫氏がAI半導体ベンチャー設立目指す、1000億ドル規模-関係者 (msn.com)

  1. (ブルームバーグ): ソフトバンクグループ創業者の孫正義氏は、エヌビディアに対抗して人工知能(AI)に不可欠な半導体を供給するベンチャーを立ち上げるため、最大1000億ドル(約15兆円)の資金を考えている。事情に詳しい関係者が明らかにした。 このプロジェクトは「イザナギ」というコードネームで呼ばれ、ソフトバンクGがスタートアップへの投資を大幅に抑制する中、孫氏の次なる大きな試みとなる。 孫氏は、ソフトバンクG傘下の英半導体設計会社アーム・ホールディングスを補完するような会社を構想しているという。非公開情報であることを理由に関係者は匿名で語った。1人の関係者によると、現在検討されている一案は、ソフトバンクGが300億ドルを出し、中東の投資家などから700億ドルを調達するというもの。 成功すれば、この半導体プロジェクトは対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」の登場以来、AI分野で最大級の投資規模となり、米マイクロソフトによる米オープンAIへの投資額100億ドル余りを優にしのぐ。孫氏が同プロジェクトをイザナギ(Izanagi)と名付けた理由の一つは、汎用人工知能(AGI)の頭文字が含まれているからだと、関係者らは話した。孫氏は長年にわたり、自身のプレゼンテーションでAGIの到来を予見しており、人間よりも賢い機械で満たされた世界は、より安全で健康的、かつ幸福になると述べている。 資金調達方法や資金の使い道についての詳細はまだ決まっておらず、プロジェクトはさらに変化する可能性もあると関係者は語っている。孫氏はAI市場へのアーム参入を強化するため、複数の投資アイデアや戦略を絶えず練っており、異なる種類の次世代半導体を常に模索しているという。エヌビディアに挑戦するために必要な技術開発で、どの企業が中心的な役割を果たすのかは不明だ。エヌビディアは先端AIアクセラレーターで圧倒的なリーダーの位置にある。 ソフトバンクGとアームの担当者はコメントを差し控えた。

  2. オイルマネーなどが7割だ。

  3. ま、稀有の勝負師ではあるからね、孫氏。

  4. 再エネでは要らんことしてくれたけど・・・。


アームの時価総額、ソフトバンクGの2倍に-孝行息子ぶり発揮 (msn.com)

  1. (ブルームバーグ): ソフトバンクグループ株が3連騰している。9割を保有する傘下のアーム・ホールディングス株が業績の強気見通しで上昇を続けているためだ。アームの時価総額は、親のソフトバンクGの約2倍となり、孝行息子ぶりを見せている。

  2. ソフトバンクG株は午前、一時前週末に比べ11%高の8873円まで上昇、2021年5月13日以来の日中高値となった。

  3. 英半導体設計会社アーム株の時価総額は1532億ドル(約23兆円)と、ソフトバンクGの12兆5600億円を大きく上回る。アームは米国時間の7日、アナリスト予想を上回る強気の業績見通しを発表。それをきっかけに親子の株価ラリーが始まった。

  4. ソフトバンクGの後藤芳光最高財務責任者(CFO)は8日開催した決算説明会で、アームの上方修正は実現する可能性がかなり高いと言及。ソフトバンクGの今後の人工知能(AI)ビジネス戦略において、アームの成長が最重要課題だとした。

  5. 投資分析サイトのスマートカルマは13日付けのリポートで、アームの好調な業績と株価のさらなる上昇はソフトバンクGの時価純資産と株価をさらに押し上げる要因になると指摘。ただ「アームへの過度な依存がリスクとして高まっている」と警鐘を鳴らす。 23年9月に米ナスダックに上場したアームのロックアップは3月に解除される。その後は保有株を売却する可能性もあり、株価動向が注目される。

コラム:アーム株、法外な高値を維持できそうな訳 | ロイター (reuters.com)

  1. 売り上げ増の原動力は、新たな顧客企業5社と半導体設計への完全アクセス契約を結んだことだ。これにより、ハース氏は「ライセンス収入前払い金」の大きな部分を確保できる。一方、利益率拡大は、より先進的な半導体を売ることにより、チップ1個当たりのロイヤルティーを倍増させたことが理由だ。この結果、中核であるスマートフォン向け事業の収益力が向上した。さらには、AIアプリでもデータセンターでも、設計にアームの省エネ型技術を使いたいと考える顧客が増えている。いずれもハース氏が拡大を狙う分野だ。

  2. Breakingviewsの計算によると、アームのPERと、アナリストが現在想定している同社の営業利益率45%のつじつまを合わせるには、25年3月までに売上高を倍増させる必要がある。これは達成できそうにない。半導体設計の契約社数が増えているとはいえ、ライセンス収入は不安定で予見が難しい。しかも大半の大手半導体グループは、既にそうした契約を締結済みだ。アームの設計を顧客自体の製品に転換させるまでに必要な1年かそれ以上の間、ハース氏はロイヤルティーを課すことができない。ロイヤルティーが入ってくるのは半導体が出荷される時だ。一方、アームの主力であるスマホ市場の成長は減速するかもしれないし、同社が成長を望む電気自動車(EV)とデータセンター事業の先行きも不透明だ。こうしたことを考え合わせると、アーム株は急騰の時と同じくらいのスピードで急落しそうに思われるかもしれない。だが、そうとは言い切れない。SBGが今も株式の90%を保有しているため、アームの浮動株は非常に少ない。これにより株価の振幅は大きくなりやすく、空売りはリスクが高い。3月12日のロックアップ期間明けにSBGの孫正義会長兼社長が保有しているアーム株の一部を売れば、株価は急落するかもしれない。しかしSBG幹部の発言から判断するに、同社は上昇したアーム株を借り入れの担保として活用したいようだ。

Tモバイルも引っ張ったらしい:ソフトバンクG、5四半期ぶり黒字はアーム・Tモバイルが貢献 孫氏は不在も「とんでもなく忙しい」 (msn.com)

  1. ソフトバンクGは12月28日、Tモバイル株式4880万株(1兆1000億円相当)を無償で取得。2020年4月1日に完了した米T-Mobileと、ソフトバンクG傘下の米スプリントの合併取引の対価の一部となる条件付対価の条件が、12月22日に充足(アーンアウト条項)したという。後藤氏は、「スプリントの買収発表以降、各方面からさまざまなご懸念をいただくなど、随分長いこと苦労した。この合併は当初からもっていたアイデアだが、実現までだいぶ時間がかかった。新生Tモバイルは時価総額で世界一のキャリアとなり、大型のインフラ案件としてはよい投資になった」と話す。

  2. 「われわれの資産構成は直近5年ほど、どうしてもアリババ中心だった。かなりシフトが進み、プロジェクトとしては“まとまったかな”という段階」という。実際に、2019年末時点の保有資産の半分をアリババが占める状況から、2023年末には0.02%まで改善。アームやSVF、Tモバイルに通信会社としてのソフトバンクなど、多様な構成へと変化している。また、いずれもAIでの中心となる企業、またAIを活用する企業であるため、AIへのシフトが進み、地域という観点で見た場合の中国集中というリスクも緩和していると加えた。

ま、俺はIT屋じゃないので、「モノになってから」技術的に何してるかを確認するだけだが。

[4] 韓日 局長級「水素協力対話」新設・定例化へ (msn.com)

  1. まあ、孫氏は手を出さんだろうけど。

  2. 俺もこんなものを書いたけど、本当はあまり関わりたくない(笑):Electrochemical Impedance Analysis for Fuel Cell (2020);H2 & NH3 Combustion Technologies (2020).

  3. このへんは単なる現状確認だし:Electrochemical Impedance Analysis for Fuel Cell 2 (2023);H2 & NH3 Combustion Technologies 2 (2023).

  4. 今回の協議は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と岸田文雄首相が昨年11月にアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のため訪米した際、スタンフォード大で開かれた討論会にそろって出席し、水素分野での協力に合意したことを受けて開かれた。協議で双方は▼水素供給網の開発および新たな水素活用分野の創出▼水素の標準化・規格作り▼水素政策――など多様な分野で協力を強化していくことを確認した。特にクリーン水素市場をリードするために局長級の「韓日水素協力対話」を新設して定例化し、同分野に関連した多様な意見を交換し、緊密な協力を続けることで一致した。

  5. ここも結構LNGに頼っとるからな:韓国における発電の割合の推移 | 聯合ニュース (yna.co.kr)

[5] UNRWA、さらに30人関与 奇襲攻撃、イスラエル国防相主張 (msn.com)

  1. 【エルサレム共同】イスラム組織ハマスのイスラエル奇襲に国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)スタッフが関与した疑惑を巡り、イスラエルのガラント国防相は16日、これまで浮上していた12人の名前を明らかにしたほか、新たに30人超が奇襲に関与した確かな情報があると主張した。地元メディアが伝えた。 ガラント氏は「(UNRWAは)正当性を失っており、もはや国連の機関として機能を果たすことはできない」と強調。約1万3千人いるパレスチナ自治区ガザのスタッフのうち少なくとも12%がハマスや過激派「イスラム聖戦」と関係を持っていると指摘した。

  2. 杜撰すぎる国連。


ところで、二国家共存は有り得ないだろうね・・・。

[6] 「プーチンは人殺し」 在独ロシア大使館前で抗議デモ (msn.com)

  1. 「プーチンは人殺し」 在独ロシア大使館前で抗議デモ

  2. なにかというと毒を盛るしな・・・。

[7] ビル・ゲイツも支援する「地中水素」採掘企業が370億円を調達 (msn.com)

  1. 地下の天然鉱床から「地中水素(geologic hydrogen)」と呼ばれるカーボンフリーな水素を採掘するスタートアップのKoloma(コロマ)は、新たに2億4570万ドル(約370億円)の資金を調達した。デンバーを拠点とするコロマは2月9日、米証券取引委員会(SEC)の提出書類で新たな資金調達を公表した。このラウンドはKhosla Ventures(コースラベンチャーズ)の主導によるもので、アマゾンのClimate Pledge Fundとユナイテッド航空のSustainable Flight Fundも参加した。これまでビル・ゲイツのブレイクスルー・エナジー・ベンチャーズなどからも資金を獲得しているコロマの累計調達額は、3億ドル(約450億円)を突破した。同社は、この前日の8日に、米エネルギー省が地中水素の採掘テクノロジーの開発を支援するために設定した総額2000万ドルの助成金の支給対象の1社に選ばれていた。3年前にひっそりと設立され、秘密裏に活動してきたコロマは、昨年7月のフォーブスの記事によってステルスモードを抜け出した。同社は、地中水素の採掘に関連する16件の特許を出願したオハイオ州立大学の地質学者であるトム・ダラーの広範な研究を商業化している。コロマの共同創業者でCTOを務めるダラーは、地中の水素ポケットが発見されやすい場所や、石油・ガス産業で開発された技術を活用して資源を得る方法を研究してきた。

  2. 地中水素が、米国だけでなく世界各地の地下で自然に生成されているという事実は、この1年で急速に知られつつある。サイエンス誌は2月8日付の記事で、アルバニアの鉱山で水素ガスの噴出が確認されたと報じていた。「地中水素はどの大陸にも存在する」と、ダラーは昨年のインタビューで述べていた。

  3. 二酸化炭素(CO2)を排出しない水素エネルギーは、燃料電池車(FCV)の動力源や電力の貯蔵と製造にも利用されている。しかし、現在の工業用水素のほとんどは、天然ガスを分解して製造されており、そのプロセスでCO2を排出する。CO2を出さない「グリーン水素」の製造法としては、電気分解を使って水から水素を取り出す方法も有望だが、コストが高いのが難点だ。そんな中、地中水素は、古くから確立されている石油や石炭の掘削技術を活用できることから、この方法が最も安価に水素を得る方法だと考えられている。

  4. コロマの主な出資元であるエナジー・インパクト・パートナーズでリサーチ責任者を務めるアンディ・ルバーシェーンは、「私たちは、この分野でコロマが先陣を切っており、独自の強みを持っていると考えている」と述べている。

  5. バイデン政権は、水素燃料の大量生産を促進しようとしており、米財務省は昨年末に提案した税額控除規則に、CO2をほとんど排出せずに製造された水素に対し、1キログラムあたり最大3ドルのクレジットを提供する案を盛り込んだ。この対象には、グリーン水素の他に地中水素が含まれている。


前にも一度取り上げたが:天然水素の動向|JOGMEC石油・天然ガス資源情報ウェブサイト

  1. 天然水素が実際に商業開発に至った例は未だないが、マリ・Bourakebougou案件では、生産した水素を直接燃焼して発電し、近隣の村に提供するパイロットプロジェクトに成功している。その他、欧州(フランス、スペイン)、米国、豪州、北アフリカ(モロッコ、ジブチ)等で探鉱が実施されている。主なプレイヤーは、フランス、豪州、米国の政府機関・大学とスタートアップ企業であり、特にスタートアップ企業の動きは早く、探鉱権取得のうえ試錐により高濃度の水素を観測した案件もある。米国地質調査所(USGS)、豪州連邦科学産業研究機構(CSIRO)、韓国石油公社(KNOC)等の公的機関による広域的なポテンシャル調査も進んでいる。

  2. 水素探鉱・開発の許認可制度整備も課題であり、南豪州、フランスは法改正を実施し、水素探鉱のための鉱区の付与が可能となっている。米国は一部の州では既存法により既にライセンスを発行しているほか、西豪州は法改正の準備中である。スペインでは環境関連法により新規の石油ガス探鉱・開発許可が禁止されていることが、天然水素案件の開発移行にあたっての課題となっている。

  3. 国際エネルギー機関(IEA)によると、2021年の世界の水素需要は9千4百万t、供給コストはグレー水素で1.0~2.5USD/kg、ブルー水素で1.5~3.0USD/kg、グリーンで4.0~9.0 USD/kgである [3]。日本の足元の需要は約200万t、国内水素ステーションにおけるコスト(販売価格)は100円/Nm3(ノルマルリューベ[1])(約 1,112円/kg)である。2023年6月に改訂された日本の水素基本戦略 [4]では、低コスト化を進め、需要と供給を一体的に拡大して水素の社会実装を推進する方針である。具体的には、供給コスト(CIFコスト)を2030 年に 30 円/Nm3(約 334 円/kg)、2050 年には20 円/Nm3(約 222 円/kg)とガソリンや液化天然ガスと同程度まで引き下げ、導入量を300万t/年(2030年)、1,200万t/年(2040年)、2,000万t/年(2050年)と拡大する目標を掲げている。earth2[2]によると天然水素の価格は1 USD/kg以下と推定されており [5]、天然水素が大量に賦存し、安価に生産・利用可能となれば、導入拡大に向けた、さらには脱炭素化に向けたゲームチェンジャーとなりうる。数年後から十数年後には、新たな一次エネルギー源として水素が脚光を浴びる未来も想定される。

  4. 水素の生成にはいくつかのプロセスがある([12]、図3)。1つ目は、2.にて前述の通り、水の放射性分解である。岩石中に含まれる微量のウラン、トリウム、カリウム等の放射性元素の壊変により発生する放射線によって水が分解され水素が発生する。この反応は速度が遅いため、先カンブリア紀などの古い岩体において、現在に至るまで長い時間をかけての水素生成が期待される。また、ウランなどの放射性元素を多く含む性質のある花崗岩類は生成ポテンシャルが高い。

  5. 2つ目は蛇紋岩化反応である。かんらん岩等の超苦鉄質岩[6]が変質して蛇紋岩となる際に、水素が発生する(図4、詳細は参考1:岩石―水反応による水素生成を参照。)。反応速度は比較的速い[7]。天然水素の生成プロセスの中でもっともよく研究されているプロセスである。白馬八方温泉は、蛇紋岩体を掘削した温泉であり、観測されている水素は蛇紋岩化反応により生成したものである。トルコのChimaeraや高純度の水素が観測されているオマーン・Samailオフィオライトも同様のプロセスで水素が生成している。

  6. 3つ目は、水素を大量に含む地球深部のコアや下部マントルから排出された水素が、プレート境界や断層に沿って浅部まで上昇するものである。

  7. 図3には記載されていないが、火山活動においても水素が生成する。火山噴火時や噴気中に水素が観測されており(米国・ハワイ、ニュージーランド・White island等)、これはマグマから脱ガスしたものと考えられている。比較的低圧において脱ガスする際に、硫化水素と水の反応により、二酸化硫黄と水素が発生する(2H2O + H2S → SO2 + 3H2)。また、岩石のフラクチャリング(断裂・破砕)も水素生成プロセスの一つである。断層活動などにより岩石が破砕される際に、鉱物の主要構成物質である珪酸のSiとOの結合が切れ、Siのフリーラジカル[8]が発生し、水と反応して水素が発生する。そのほかにも多様な生成プロセスがあり、Boreham et al. (2021) [13] 、Zgonnik (2020) [6] 等に詳しいので参照されたい。

  8. 上記のプロセスは、すべて非生物起源のプロセスである。生成量は多くないが生物起源の水素生成プロセスもあり、熱変成と微生物由来に分類される。前者は、続成作用の過程で、生物遺骸からケロジェンが生成する際や、その後の熱分解による石油ガスの生成時にわずかに水素が生じる。後者は、水素生成菌により生成されるものである。

  9. 蛇紋岩化反応についてもう少し詳しく説明する。かんらん岩がその主要構成鉱物であるかんらん石や輝石の蛇紋石化変質により、蛇紋岩となる反応のことを蛇紋岩化反応という。かんらん石や輝石は鉄に富む鉱物であり、この「鉄」、そして「水」と「熱」が条件となり、二価鉄が三価鉄に酸化するのに伴い水が還元されて水素が発生する(図4)。この反応による水素発生では、鉄がカギとなるため、かんらん石、輝石に限らず、鉄を含む鉱物と水の反応によって水素は発生しうる。例えば、かんらん石を含まない過アルカリ岩[9]分布域でも水素およびメタンが流体包有物や遊離ガスとして観測されており(カナダStrange Lake、ロシアLovozeroとKhibiny、グリーンランドIlımaussaq)、岩石中に含まれる鉄に富む鉱物(角閃石)と水の反応により発生した水素であると推定されている [16]。フランスのSoultz-sous-Forêts地熱地帯では、基盤花崗岩に到達する5,000メートルもの大深度の井戸を利用した地熱増産システム[10]により発電を実施しているが、流体のガス相として0.25~46.3%の水素が報告されている。その起源は、花崗岩中の鉄を含む鉱物である雲母と水の反応であると推定されている [17]。このように、多様な岩石(鉱物)と水の反応により水素は生成しうると考えられている。

  10. 全球規模での年間の水素生成量を試算した研究例がある(表1)。研究によって、対象とする生成場やプロセス、計算方法は異なっており、その結果は数万~数千万ton/yearと幅がある。最も楽観的に見積もられているZgonnik (2020) [6] においては、22,680千ton/yearと見積もられている。これは体積に換算すると254 ±91 Bm3/ year (8.97 ± 3.21 Tcf) であり、天然ガスの世界生産量(2019年)の4.1 Tm3 (145Tcf) と比較すると2桁も小さい数字にとどまっているが、いずれの見積もりも生成プロセスの一部のみを扱っており過小評価であると考えらえる。また、数億年前の比較的短い時間に堆積した有機物を原料として、続成作用によって生成するまでに非常に長い時間のかかる化石燃料に対して、天然水素は比較的早い反応速度で長期にわたり連続的に生成し続けていることを考慮すると、大量に賦存している可能性はあると考えられる。

  11. マリの首都Bamakoの北部50キロメートルに位置する鉱区(Block25)は、1987年に水井戸掘削の際に水素が発見されたBourakebougouを含む面積43,000平方キロメートルの広大な鉱区である。2017年から2018年にかけて24本(計6,953メートル、深度100~1,800メートル)の試錐を実施しており、2022年5月より新たな試錐キャンペーンも実施している。Bourakebougouの発見井は、発見時の水素爆発を機に仮廃坑されていたが、2011年にHydroma社がリエントリーし、生産した水素を直接燃焼して発電し、近隣の村に提供するパイロットプロジェクトを2012年から開始し、現在まで電気の供給を続けている。本地域は、Taoudeni 堆積盆内に位置している。花崗岩、花崗閃緑岩、閃緑岩、閃長岩、アプライト等からなる基盤岩の上位に、主に砂岩-泥岩層、炭酸塩岩、ダイアミクタイトからなる新原生界の地層が不整合に累重している。これに、古生界もしくは三畳系—ジュラ系のドレライトシルが大規模に貫入している。Maiga et al. (2023) [21]では、2018年に掘削した13孔の試錐コアの記載と水素を対象としたマッドロギングを対比した結果、3層以上の水素の濃集、岩相としては2種類の貯留層を特定している。一つは浅部に堆積するドロマイトを主体とした炭酸塩岩層である(BOUGOU-19では深度110~150メートル)。5キロメートル×6キロメートル四方に分布する研究対象の13孔のみでなく、Hydroma社が掘削した全24孔と発見井において、対比可能とみられるこの浅部の炭酸塩岩層で水素の濃集を観測しており、広範囲において導通したポテンシャルの高い貯留層とみられる。岩相は、葉理と溶食されてできた空洞組織(カルスト)の発達が特徴であり(図7)、このカルストが不規則な分布ながら水素の貯留に適した孔隙となっている。カルストの不均質性を反映して孔隙率は0.21~14.32%と幅がある。カルストは、ドレライトシルのマグマから脱ガスしたCO2を含む酸性流体により炭酸塩が溶解して形成されたとみられ、その発達はドレライトシルの付近に限られている。また、このドレライト自体はシールの役割も果たしていると考えられる。もう1種の貯留層は、より深部に分布する砂岩層であり、この砂岩層中の複数の深度で水素の濃集がみられる。水平方向(試錐孔ごと)にも深度方向にも比較的均質な岩相を反映して、孔隙率も4.52%~6.37%と均質である。また、砂岩層中の鉄に特に富む部分 (Banded Iron Formation: BIF) では、定常的に高い水素量を示しており(BOUGOU-6:深度1,300~1,410 メートル)、鉄の酸化が水素のソースである可能性が示唆される。Maiga et al. (2023) [21]では、図8のようなモデルを想定している。浅部の炭酸塩岩貯留層及び砂岩貯留層の比較的上部では、水素は遊離ガスとして孔隙内に存在する。水への溶解が限界となる深度(研究域の地温勾配では800メートル程度)よりも深部の砂岩貯留層では、孔隙を満たす地下水中に溶存水素として存在する。発見井では、2012年の生産パイロットプロジェクト開始以来、11年間にわたって減圧はみられず、4.5barsから5.0barsに加圧している。これは、水素が閉鎖系ではなく継続的に供給していることを示しており、可採埋蔵量や最適な生産レートを見出すためには、動的モデルによる評価を行う必要があると結論付けている。

[8] 山形大学など、4秒で充放電できるハイパワー電池 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

  1. 山形大学と関西学院大学の研究チームは最短3.6秒で充電が完了する電池を開発した。電気の放出も最短3.6秒でできる。亜鉛やナトリウムなどの安価な材料を用いる亜鉛電池の仲間だ。研究室レベルの試作セルだが、15万回繰り返し充放電できることも確認した。

  2. Na+イオンとZn2+イオンのハイブリッド式だろう。

  3. Leclanchéセル(マンガン乾電池)がH+イオンとZn2+イオンのハイブリッド式だが一次電池だ。これの正極が変わったものと考えればよい。

  4. 海外でもLi+イオンとZn2+イオンのハイブリッド式などをやっているがものすごく分厚いセパレータを使って無理やり「数百サイクル充放電できた」と報告している(笑)。

  5. 日本の場合は、おそらくLDHをコーティングして使っているのではないかと思うが、実用的なレベルの膜厚のセパレータで原理的にZnデンドライトの貫通を防いでいる。2014-2015年にも「たぶんそうしているな」と思ったが教えないで帰国することに決めていた(笑)。

  6. 電気自動車(EV)用バッテリーは長い充電時間が課題となっている。一般的な製品では普通充電に10時間程度、急速充電に30分程度かかる。数分で給油が終わるガソリン車に比べて利便性が落ちる。

  7. エネルギー密度が高くないとBEV用のバッテリーには難しいが・・・。水系なので電圧も低い。

  8. 研究チームは新たな正極材料を開発した。イオンを蓄える材料「プルシアンブルー類似体」の細かい粒子と、電気を流しやすくするための「単層カーボンナノチューブ」を混ぜたものだ。ナトリウムイオンやカリウムイオンを蓄えられる。この材料ではイオンや電子が材料内部を速く動きやすく、充電の時間を大幅に短縮できた。

  9. これだけ微粒子を組み合わせていれば体積エネルギー密度は低いと思う。

  10. 放電も高速にできるため、EVやドローンなどの駆動モーターの出力を高められる。基礎研究レベルの成果だが、「(新開発の正極材料を使えば)実用サイズの電池を組み立てても36秒程度の充放電はできるだろう」(山形大理学部の石崎学講師)という。

  11. 低コストながらパワーが要求される用途での活用が期待される。超小型のBEVなら使えるかもしれない。

[9] EVから太陽光発電まで世界の蓄電池市場を完全制覇中! 中国発!! "原子力電池"が大爆誕!? - IT・科学 - ニュース|週プレNEWS (shueisha.co.jp)

  1. 現在、不動産や金融などでの"バブル崩壊"が連日伝えられる中国。その一方、バブル真っただ中で世界のシェアを独占しつつある市場が! それがバッテリーをはじめとする蓄電池だ。圧倒的に強い中国の蓄電池技術、さらに突如登場した"謎の原子力電池"も紹介です!

  2. 前にも紹介したけど、放射性同位体+熱電素子=原子力電池です(笑)。仕様も公開されてます。

  3. ■原子力電池の開発企業には謎が多すぎ!? EV(電気自動車)や、それに関連する充電ステーションなどの給電インフラ、そして太陽光発電などの利用者が急増中の日本。だが実は、それらに使用される蓄電池関連の技術だけでなく、製品そのものも中国製が多いという。 そんな中、1月8日には中国のIT企業から"原子力電池を2025年に発売予定"という驚きのリリースも! 原子力電池のスペックから、近年の中国企業による蓄電池関連の大躍進っぷりを、中国IT関連に精通するジャーナリストの高口康太さんに解説してもらいます!

  4. ――まずは中国メーカーから発表された原子力電池についてお聞きします。これ、どんな用途に使われるのですか?

  5. 高口 原子力電池は1960年代から宇宙開発用として実用化され、人工衛星の電源供給用途として利用されていました。医療部門でも心臓のペースメーカー用電源として研究されていた時期があります。宇宙開発に使われていた原子力電池の技術を転用し、スマホやドローンに内蔵できるサイズまで小型化したのが、今回中国メーカーが発表した製品です。充電せずに50年間も電力供給をし続けられる世界初の〝民生品原子力電池〟となります。そのインパクトもあり、日本や欧米のネットでは話題になりました。

  6. 人工衛星用電源としては現在は太陽光発電パネルと蓄電池の組み合わせが主流だ。ただ、ロシアはまだ古い原子力電池を使っているかもしれない。

  7. ――これは世界的な大発明じゃないですか!

  8. 高口 普通ならそうなりますが、現状では原子力電池を発表した会社に関して謎が多すぎます。このプレスリリースを発表したのは2021年に創業された「北京貝塔伏特新能科技有限公司(ベータボルトテクノロジー)」というスタートアップ企業です。これまで、今回のリリース以外に目立った発表もなく、活動内容も公開されていません。おそらくロシア人と思われる社長の名前は公開されていますが、組織図なども不明という......。

  9. ――でも、公式HPには【医療・軍事・宇宙開発】という活動項目も紹介されていますから、原子力電池との親和性の高い企業ですよね。

  10. 高口 はい。ただし、項目はありますが、その先がまったく表示されません。つまり詳細な活動内容がまったく不明なのです。これは〝中国のスタートアップ企業あるある〟なんですけど(笑)。

  11. ――え!?

  12. 高口 中国のスタートアップ企業には、資金調達のためにとりあえずインパクトの強いリリースを流す企業が多くあります。ベータボルトテクノロジー社がそれをやっているとは言い切れませんが、現在中国で最も活気があり儲かっているジャンルである蓄電池市場では、こういった手法のリリースが多いのも事実。それもあってか、今回の原子力電池に関して中国のネットニュース、SNSもいまいち盛り上がっていないという。

  13. ――ダメじゃん! 最近の中国報道だと〝◯◯バブル崩壊〟といったものが多いですけど、蓄電池市場はそんなに好景気なんですか?

  14. ダメじゃないです(笑)。ま、喜んで採用されるかどうかは話は別だけど。

  15. 高口 はい。これまで中国の輸出商材は【アパレル・日用品・家電】が主力で、中国では「老三様」と呼ばれています。家電にはスマホをはじめとする各種ガジェットも含まれ、これを扱っていれば間違いのない商品だったのです。しかし、中国国内の人件費がアップしアパレルや日用品は価格勝負が苦しい。スマホやドローンなどはアメリカからの経済制裁もあってこれまでのようにビジネス展開するのが難しくなってきました。それに代わる商材として登場したのが【太陽光パネル・EV・バッテリー】です。これらは「新三様」と呼ばれ、中国では流行語にもなっているほどです。

  16. 老三様もe-コマースフル活用でまだまだ期待できる。

  17. ――新三様はどれぐらいの経済規模なんですか?

  18. 高口 EV、各種バッテリー共に世界シェアで50%以上を誇っており、太陽光パネルに関しては90%以上のシェアで、関連製品を含めた輸出額は7兆円を超えています。

  19. ――圧倒的じゃないですか! 中国国内でこれら新三様が台頭したきっかけとは?

  20. 高口 08年に地球温暖化防止に技術・経済面で積極的に取り組む「グリーン・ニューディール」がアメリカで発表され、世界的に再生可能エネルギーに対する関心が高まりました。各国が石油に代わる新エネルギーを模索する中、中国は全力で太陽光発電の研究・開発を行なったのです。当初は太陽光の蓄電に使うバッテリー容量も低く、停電が頻発する不安定な電力というイメージでした。しかし、蓄電用バッテリー、太陽光パネルの研究を推し進め、現在では大サプライチェーンを構築したのです。

  21. ――バッテリー以外にもすごい技術がある?

  22. 高口 製品開発だけでなく、例えば停電が発生した場合にも、ほかの地域から即電力を供給できる電力インフラ網も整備されました。なので、海外のように家庭や地域だけの小規模な太陽光発電ではなく太陽光発電所も至る所に増設され、平地どころか海にまで発電所を建設しているほどです。この太陽光発電インフラを海外へ丸ごと売り込むことも可能なのです。このように太陽光関連が発展した理由は、中国政府の補助金、そして海外で生活していた蓄電池技術に強い〝中華系エンジニア〟を大量に引き抜いたことが大きいです。

  23. ま、LFP一択って感じではあるが。発電量の5-10%くらいを蓄電できるスケールということで、そう無理は無いが、リチウムイオン電池では短周期変動対策+αが経済合理的限界だ。今後はもっと安い蓄電池や水素が必要になる。ただ、BEVでLFPが主流になるまで定置型がサプライヤを支えてきた。

  24. ――では、EVはどのように発展したのですか?

  25. 高口 中国では15年が〝EV元年〟と呼ばれています。ここから政府はEV、EV関連技術を開発する企業に対して補助金を配るようになり、多くのスタートアップ企業が登場しました。ただ、中には一台もEVを製造することなく、消滅した会社も多く存在します。

  26. ――その〝中国EVメーカーの倒産〟って最近よく報道されていますよね。

  27. 高口 これは、ある意味で国策なんです。多くのスタートアップ企業同士を競わせ新技術を生み出させ、その技術を勝ち残った企業が買収して吸収していく。家電やスマホ、ゲームメーカーでも行なわれてきた手法です。それもあって世界最大のEVバッテリーのメーカー・CATLが躍進し、EVメーカーのBYDも車体とバッテリーで世界的なシェアを高めているのです。もちろん太陽光パネル関連で培った技術も、EVに生かされています。CATLはフォードやテスラにもバッテリーの技術供与をしており、技術・製造力で圧倒的です。

  28. 俺は、冗談でだが、この手法を蟲毒生産法と呼んでいる(笑)。

  29. ――太陽光パネルで得た蓄電技術がつながってるし!

  30. 高口 それが新三様の特徴でもあります。さらにEVに関しては、ファーウェイやシャオミといったスマホや家電を手がけるメーカーも参入。彼らは車載OSや半導体を開発でき、これはIT関連に強い中国メーカーならではです。そして両社ともスマホ、車載OSの統合を今年から行ない、スマホや家電開発で培った技術も転用されています。

  31. ――このほかにも技術転用はあるのですか?

  32. 高口 能登半島地震で活躍しているポータブル電源。これの蓄電技術や内蔵される半導体はEVからの転用が多くあります。このように【開発→転用】を繰り返し、新技術が生み出されている状態なので、近い将来に給電寿命50年の原子力電池の発売もありえるかもしれませんね(笑)。

  33. ――ただし、絶対に安全第一のやつでお願いします!

  34. ですね(笑)。

[10] 三菱マテリアル、リチウムイオン電池リサイクル技術のパイロットプラントを福島県いわき市に建設│オートメーション新聞WEB (automation-news.jp)

  1. 三菱マテリアルは、リチウムイオン電池(LIB)リサイクル技術の確立に向け、福島県いわき市の小名浜製錬 小名浜製錬所の敷地内にパイロットプラントを建設して、LIBを放電・乾燥・破砕・選別したリチウム、コバルト、ニッケルの濃縮滓であるブラックマスからのレアメタルの高効率回収の事業化に向けた技術開発に取り組む。同社はこれまでブラックマスからリチウム、コバルト、ニッケルなどのレアメタルを回収・精製する事業化に向けて、これまで小規模試験による技術開発を行ってきて、一定の成果が得られたことから、福島県いわき市の小名浜製錬所の敷地内にパイロットプラントを建設して、ブラックマスからのレアメタルの高効率回収の事業化に取り組む。2025年稼働開始。

  2. まあ、日本ではHEV用電池のリサイクルが当分主流だろう。

  3. 中国はLFPのパーティクルリサイクル技術も開発している。三元系が少し難しいがこれもやるだろう。

[23] 欧米自動車メーカー、中国との競争でEVコスト削減に注力 (msn.com)

  1. [ロンドン/デトロイト 15日 ロイター] - 中国製の安価な電気自動車(EV)との競争にさらされている欧米の自動車メーカー各社は、EV価格を化石燃料車並みに抑えるため、コスト削減の取り組みを強めている。業界幹部らが15日、明らかにした。欧米のステランティスと仏ルノーは、より手ごろな価格のEVの開発を試みている。米ゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーターは、EV生産コストの低下に寄与しそうな提携の可能性を探っているところだ。

  2. 部品の共用は進むかもしれんね。

  3. ただ、当初考えていた中国製電池が使えないとなると、自力で安い電池をつくらざるを得ないわけだ。

  4. 今までもドライ電極だのクレイ型だの出ているが、はっきり言って雑だ。次にどうするのかね?

  5. 安価なEVを生産する比亜迪(BYD)などの中国メーカーは、欧州などへの輸出攻勢を加速。米メーカーは、中国企業がメキシコに工場を建設して米国にEVを輸出する可能性を懸念している。

  6. 中国の進出は消費者目線からは歓迎されるべきだろう。韓国でもそのような意見が出ていて興味深かった。

  7. ルノーのルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)は2023年の決算発表後、アナリストらに対し、どの社もEVのコストを化石燃料モデル並みに引き下げようと努めていると説明。価格引き下げは、電池パックのサイズを小さくできる小型車の方が簡単であり、大型電池載したEVの価格は高止まりするとの見通しを示した。

  8. つまり現行の欧米モデルでは踊り場に達したことを認めた。

  9. 実際、欧州メーカーの出すBEVはコンパクトカーが増えている。が、価格はそのクラスの市場で受け入れられるにはあまりにも高い。

  10. フォードのジム・ファーリーCEOは、BYDに対抗できる低コストEVを設計するための特別チームを立ち上げたと述べた。ただ欧米メーカーは、投資家が求める利益を確保するため、まずコストを引き下げてからEVの価格を下げる必要がある。ステランティスのカルロス・タバレスCEOは通年決算の発表後に記者団に対し、「私が(目先のことだけを考える)短期主義者なら、利ざやの圧縮を看過するだけで即座にEVの売り上げを増やすこともできるだろう」と語る。その上でタバレス氏は、電池の原材料コストが下がっているため、同社のEVと化石燃料車の利ざやは「収れんしつつある」とし、この流れを加速させたい意向を示した。

  11. 資源開発を加速させて原材料の需給を緩和させコストを下げるのかな?現在は中国が大半を握っているが。

  12. リサイクルも早期に実施するのかな?中国はLFPのパーティクルリサイクル技術も開発済みだ。三元系がまだちょっと難しそうだが、これもいずれやるだろう(現在は焼いてブラックマスにして抽出ってのが主流だ)。


重要鉱物をめぐる政策競争と将来シナリオ:企業が検討すべき備えとは | PwC Japanグループ

  1. 悲観シナリオ:資源デカップリング 米中対立が先鋭化し、日米欧などが中国産資源の輸入や使用を禁止した場合、中国も対抗して、資源や資源を使った製品、さらには製品製造技術の輸出を禁止することが考えられます。前述したIRAのEV補助金要件と同様に、米国は今後、中国産の製品だけでなく資源についても、米国を含むサプライチェーンから排除する動きを本格化することも想定されます。その場合、中国産の原料・部品が使用できなくなるだけでなく、米国産の原料・部品を含む製品の対中輸出も禁止されると考えられます。また、日米欧では採鉱・精錬に厳しい持続可能性要求が課せられ、これを遵守しない国の産品とは価格競争力に差が生じます。 このシナリオでは、採鉱・精錬を行う上流企業は中国での採鉱が難しくなり、また中国産鉱物の販路が限定されます。また、日米欧の持続可能性配慮規制の結果、コスト増となり、国際市場での競争力が低下します。一方、採鉱・精錬時の環境負荷低減技術を磨けば、さまざまな資源国にこうした技術を輸出できる可能性もあります。 鉱物を使用した部品・製品を生産する中下流企業にとっては、原料価格が上昇し、それに伴って部品価格が上昇します。このコスト増を川下の顧客企業や最終消費者に転嫁できなければ、企業業績への悪影響が考えられます。また、中国工場で生産した製品の日米欧への輸出ができなくなり、売り上げ減だけでなく販売先変更や物流変更のコスト負担も考えられます。中国でしか生産できない資源を使っている製品の場合は、日米欧での生産・販売は不可能になります。

  2. 中間シナリオ:くすぶる供給不安 米中は対立し続けますが決定的なデカップリングには至らず、完全な脱中国も要求されません。一方で、資源保有国は資源ナショナリズム的な動きを継続し、時折、突発的な供給寸断や市況の悪化が起きるリスクがあります。また、市民社会の支持を背景に、日米欧を中心に持続可能性に配慮した生産ルールがさまざまな国に広く浸透します。 このシナリオでは、上流企業にとっては資源保有国の保護主義的政策から受ける事業影響は現在と同等以上に大きくなります。一方で、ある国からの供給が途絶したり、その不安が高まったりすれば市場価格が高騰し、別の国で生産している企業は増収となる可能性があります。また、採鉱・精錬時の環境負荷低減技術をさまざまな資源国に輸出できる可能性もあります。 中下流企業にとっては、概ね現状のサプライチェーンを維持した生産継続が可能です。ただし、保護主義が強まる結果、原材料供給が突然停止し、サプライチェーンが寸断するリスクは大きくなります。市民社会からの要求も考慮し、持続可能性に配慮したサプライヤーを選定し、原材料を確実に調達することが求められます。

  3. 楽観シナリオ:レアメタル・リスク解消 未発見・未開発だった鉱床が開発される、もしくはこれまで採掘の難しかった鉱床からの効率的な採掘を可能にする新技術が開発されるなどして、重要鉱物の生産国数が拡大します。また、主要な産業・製品において重要鉱物を使わない技術が完成します。この結果、重要鉱物の重要性が低下し、価格が下がります。重要鉱物の需要は完全にゼロにはなりませんが、残る需要についても調達元の多様化などのリスク軽減策が進みます。 このシナリオでは、上流企業にとっては需要減が業績に悪影響を及ぼしますが、事業ポートフォリオを多様化すれば、リスクが分散されます。持続可能性配慮のコスト負担面では、採掘地・精錬地に関わらず競争条件が平準化するとともに、環境負荷を低減するうえで技術力の高い日米欧企業にはアドバンテージが生まれます。 中下流企業にとっては、重要鉱物の使用量が減って価格高騰の影響を受けにくくなるとともに、供給寸断リスクが減少します。一方、代替技術を使った部素材の製造においては、新たなプレイヤーと競争市場が生まれます。また、一部需要が残る重要鉱物については、市民社会からの要求も考慮し、持続可能性に配慮したサプライヤーを選定し、こうした部素材を確実に調達することが求められます。

まあ、技術的には楽観シナリオを目指すことになるんでしょう。

ただ、昔はこんな風にして露天掘りしていたものも・・・鉱業 - Wikipedia

チリのチュキカマタにある銅鉱山。露天掘りでは、外周が世界最大で深さが世界2位である。

だんだんと坑内採掘になってきているんだよね。テレビやインターネットででチリの銅山の事故のニュースを見た人も多いでしょう。

参考までに:坑内採掘から出荷まで - 土橋鉱山株式会社土橋鉱山株式会社 (tsuchihashi-kozan.co.jp)

  • まあ、大変な作業ですわ・・・。

  • 原油や天然ガスと違って流体じゃないですから・・・。

  • あ、ちなみに坑内で作業する車はバッテリー・カーだそうです。

参考までに:坑内掘金属鉱山の操業現場における岩盤応力情報の取得・利用のされ方|JOGMEC金属資源情報

  1. 金属鉱物資源の鉱石採掘現場の多くで、地表近傍の鉱石の枯渇に伴い、露天掘りから坑内掘りへの移行や採掘レベルの深部化が進んでいる。世界には既に地表下2,000m以深の大深度で操業する鉱山が多数あり、その数と深度は今後も増加すると予想される。


ひとつながりの鉱業 鉱山で採掘する鉱石や金属を最大限活用します - リオティントジャパン (riotintojapan.com)

  1. アメリカ・カリフォルニア州のホウ素事業では、90年にわたるホウ酸塩採掘によって排出された廃石からリチウムを抽出するプロセスをテストしています。当社の実証プラントが成功した場合、リチウムの生産量を年間5000トンに増やすことができ、これは電気自動車およそ7万台分のバッテリーを製造するのに十分な量です。

他にも北米ではリチウム鉱山も見つかっているしな・・・。


by T. H.



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[1] Materials/Electronics

  1. Fermi Level (2018).

  2. Vacuum Polarization, and Polariton (2018).

  3. Current Status on ReRAM & FTJ (2023).

  4. Fermi Level 2 (2023).

  5. Vacuum Polarization, Polaron, and Polariton 2 (2023).

[2] Electrochemistry/Transportation/Stationanergy Storage

  1. Electrochemical Impedance Analysis for Li-ion Batteries (2018).

  2. Electrochemical Impedance Analysis for Fuel Cell (2020).

  3. Progresses on Sulfide-Based All Solid-State Li-ion Batteries (2023).

  4. 国内電池関連学会動向 (2023).

  5. Electrochemical Impedance Analysis for Li-ion Batteries 2 (2023).

  6. Electrochemical Impedance Analysis for Fuel Cell 2 (2023).

[3] Power Generation/Consumption

  1. Electric-Power Generation, Power Consumption, and Thermal Control (2020).

  2. H2 & NH3 Combustion Technologies (2020).

  3. Electric-Power Generation, Power Consumption, and Thermal Control 2 (2023).

  4. H2 & NH3 Combustion Technologies 2 (2023).

[4] Life

  1. Home Appliances I (2021).

  2. Home Appliances II (2021).

  3. Home Appliances III (2023).

[5] Life Ver. 2

  1. Human Augmentation (2021).

  2. Vehicle Electrification & Renewable Energy Shift I-LXXXI (2022).

  3. Human Augmentation II (2023).

[6] 経済/民主主義

  1. 経済/民主主義 I-LIX (2023).

  2. 記事抜粋1-147 (2023-2024).


Published Articles' List (2004-2005, 2008-2011, 2015)

  1. researchgate.net

  2. Google Scholar

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