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「ハトさん」、多すぎ問題

私はもう業界を離れてしばらく経ちましたが、不動産の管理をしていると、駅周辺エリアに集まるハトの事を大嫌いになります。建物に巣を作りフンだらけにするので、あれはもう公害です。

なので、ハトには個人的なうらみがあります。そんなハトですが、なぜか宅建協会という不動産団体のシンボルがハトのマークだったりします。宅建協会には特にうらみはありません。

しかしですね、ハト関係の一般向け物件検索サイト、普通に考えて、多すぎやしないですか?

・「ハトマーク東京不動産」(東京都宅建協会)
・「ハトマークネット」(東京・埼玉・千葉の宅建協会)
・「ハトマークサイト」(全宅連)
・「不動産ジャパン」(全宅連+全日等)

さすがに、ハトマークネットは消えたようですが・・・(存在感もなかったので、消えたのすらしばらく気が付かなかった)、代わりにハトマーク東京不動産があらたに出来た、と。

これ普通に何かを間違えてません?混乱するだけでしょう。「ネットは都宅建、サイトは全宅連」、っていつも頭の中で確認しなければならなかったですよ、当時。これ、現役の不動産会社の人間だって、どこに登録したのがどこにどう流れるか、なんて把握している人います?ぱって言える人は極極少数だと思いますよ。

一般消費者だって相当混乱するだろうし、わけわからんですよ。もともと知名度もないし、単に分散してしまって、どれもほとんど誰も見ないでしょう。いわゆる「ブランド戦略」的にもアレというか・・ま、大失敗でしょう。

本当にお客さんにリーチしたいなら、1つにまとめるべきです。出来ない、というのでばれば、それはつまり本当にお客さんにリーチしたいと思っていないということで、やる気がないならいっそ全部やめるべきです。会員のお金の無駄遣いです。

一般消費者的にとっては、ワンストップで必要な物件を全部検索できるのが一番なわけです。そこに宅建業者から直接集まる新鮮で大量の物件情報が集まっている、となればポイント高いです。他の、民間というか、アットホームやホームズやスーモなどの有力な対抗馬になるでしょうに。

しかし、わたしが使っていた当時は、不動産ジャパンも含めてハト系のサイトはどこも閑古鳥が鳴いていて、お客さんからの反響もないので業者も力を入れない>物件情報が集まらない>お客さんも見ない、という悪循環に嵌っていました。

それはなぜか。

問題は、第一にやはりハトさん系のサイトが三つも四つもあるので、宅建業者としても混乱している、という点でしょう。どこに登録したのがどう流れるかも分からないし、物件情報登録が面倒そう、という印象を与える時点でまず負け

第二に、私が現役でやっていた頃は、物件情報はアットホームに登録した物件情報がおまけでハト系にも少し流れてる程度の感じでした。また、登録したのが(賃貸だと)30日間掲載されたままで良い、という緩いルールだったので、物件情報も新鮮とは程遠い状況。繁忙期の最中に、物件数少ないうえに、1ヵ月間掲載されたままの物件情報なんて、誰が見ますか。

それを勘違いしてサイトの広告宣伝に幾らお金を突っ込んでも意味がないです。サイトがバラバラに分かれている上に、そもそも掲載物件情報がアレなのですから

単に「もう相当お金を突っ込んでしまったので、止めるにも止められない」とか「前任者の顔を潰せない」とかいう典型的な日本の官僚主義的な発想になっているのであれば、そんな役員達は全員クビにすべきでしょう、論理的に考えて。

自分が業界にいた頃は、「まぁ~たくだらないことしてるな」ぐらいに思って日々の業務に勤しんでいましたが、外から見た今では、さすがにアホらしいです。

やるのであれば、1つにまとめて宅建業者が物件情報を登録、更新しやすいように、徹底的にこだわるべきなのです。当然、宅建業者が普段使っている各々様々な業務システムから直接物件情報の連動ができるようにAPIを用意すべきでしょう。

いくら何でも今までが酷すぎです。アットホームに運営丸投げとか、ITゼネコンに外注丸投げして放置とか、セールスフォースの顧客管理システムを無理やり物件登録システムとして使うとかそんなんじゃ碌なものが出来るわけがないでしょうに

一般向けの画面がオシャレでも、宅建業者向けの物件情報の管理画面が手抜きで使いにくかったら、宅建業者だって誰も使いませんから。レインズのようなクソ画面のままで放置なんてあり得ません。外注して(ITゼネコンにぼったくられて)、酷い出来のサイトをそのまま放置するようなのではダメなのです。また、特定の業務システムの利用を半ば強制させるのはアホの極みでしかなく、宅建業者が普段使っている各々様々な業務システムから直接物件情報の連動ができるようにAPIを用意すべきでしょう。

基本中のキであります。

アメリカの全米リアルター協会(NAR)の提携している「realtor.com」とは、比較するのもおこがましい持ち出すのも恥ずかしいレベルの違いです。realtor.comの技術者達が日々サイトの機能追加改善をしていて、携帯のアプリまで自分達で作ってなんとテックブログまでやってますからね。

日本で「不動産ジャパン」を運営しているのは、国交省の天下り元官僚っすよ?

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ありえないっしょ

追記:この件、改めて、翻訳などを交えて、「国交省が主導した『不動産ジャパン』が大失敗した理由」にて紹介しています。

その他、諸々の課題は下記にまとめていますが、こうして改めて見てみると、まぁ本当に頭を抱えたくなる状況ですね。


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