イーロン・マスク「要件定義なんてバカ、文字通りバカなんだ」

某IT系界隈でイーロン・マスクが語る5つのステップ」ついての記事が物凄く話題になっていたので、チラ読みしてみたら・・・

しょっぱなから笑いが止まらず、ズッコケてしまったであります。

まず要件定義ってのがあって「こういうデザインでこういうのを作ってくれ」って計画なんだけど、それらは必ずバカなんだ。本当に文字通りバカなんだ。誰が作ってもどうやってもまず要件定義ってのはバカなんだ。まずそうやって「バカなんだ」って定義しておかないといけない

一番危険なのはとびきり賢い人が出してきた要件定義で「あの人が作ったんだから大丈夫でしょ」って考えてしっかり質問しないこと。これが一番危険なんだ。私も含めて誰が要件定義を作ってもバカなんだ。だからとにかくバカなことを減らす。所詮は要件定義ってバカだからゼロにはならないけど、とにかくこのステップ1で減らすこと。

イーロン・マスクのロケット製造5つのステップがサイコーだった

あまり「だから言ったろ」みたいなことばかりで申し訳ないんですが、最近多いんですよねぇw いやホント。

何しろ、自分は先月こう書いたばかりですからw

「要件定義」なんて分からんヤツの戯言

DXは脱「ITゼネコン」から始めよう

日本のITゼネコン(SIer、システムインテグレーター)には、イーロン・マスクの爪のアカでも煎じて飲ませてやりたいくらいであります。

因みに、イーロン・マスクは物理経済をやった人で若い頃からプログラミングをやってて、1999年からPayPalなんかも立ち上げてる人です。

元動画を聴くと、英語では「要件定義(requirements)は確実(definitely)にバカ(dumb)」(13:38)と言っていますね。

「実際の所、全ての設計(デザイン)は間違ってる。どれだけ間違っているかの違いでしかない」(8:23)とかも言っています。

後半で、カーボンファイバーの話しが出て来て、

「ところでこのカーボンファイバーのマットはなんのためにあるんだ?」

というのがあるんですが、これ、私が一番よく使う言葉である「そもそも」の話しであります。「そもそも」を考えると、「別にいらんよね」という事が見えたりするのです。新しい発見がいつもあります。

「そもそも」大事。

賢いエンジニア達が共通して犯すミスのひとつは不必要な機能をとても賢く最適化してしまうこと。 どんなに上手く最適化しても、実はその機能自体が要らないってことがよくあるんだ。

これは日本の製品でも本当にあるあるで、理系の人は特に「スペック」や「数値的性能」にばかりにこだわって「高性能・高品質」だ、というのだけども、実態は「いやユーザーはそんなの必要としてないし・・・使いにくいだけ」みたいな事がままあります。で、結局、安価な製品や、iPhoneのような、パラダイムをひっくり返すような商品が出てきて淘汰される、と。

あと、また別の金言もあります。

本当に重要なのはロケットエンジンのデザインそのものじゃなくて、その製造工程なんだ。

イーロン・マスクのロケット製造5つのステップがサイコーだった

動画では、"Manufacturing is underrated and design is overrated; developing a production system is 10-100 times harder than designing the product." と発言している部分でしょう。「製造は過少評価され、設計(デザイン)は過大評価されている。製品を設計(デザイン)することよりも、生産システムを開発する方が、10倍から100倍難しい」、と。

他にも、動画では「minimum viable "rocket"」とか「製造プロセスをデバグする」とかも言っていました。

ソフトウェアでも、新しいことをやる際に大事なのは、設計なんかではなく、実際のプログラミングであり、最小機能(minimum viable product)、無駄を削除(KISS)、単純化と最適化、なども重要です。

このあたり、全部「ソフトウェアは生き物なり」で書いた通りであります。

イーロン・マスクは実際プログラミングをやっている人だけあって、分かっているなぁ、と思ったり。

ひょっとしたらこの人は、車やロケットといった「製造業」に、プログラミングというかソフトウェア開発でのパラダイムを持ち込んでいるのかもしれないですね。これはちょっと凄い事かも知れんですね。

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