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写真の自己分析:主観性と客観性

写真の主観性と客観性の話
主観性がある写真とは作家の主観的な目線の写真
客観性がある写真とは作家そのものより写真の構成要素(色味、構図等)に意味を持たせた写真
個性(オリジナリティ)とは別の要素である

人間の脳は色味に関してほぼ共通で想起する感情が同じらしいです。
夕焼けを見るとノスタルジーだなぁってな具合です。

ところで夕焼けって何色ですか?
そういえば夕焼けって言われてもどんな色だったか思い出せない。そもそもオレンジだっけ?赤だっけ?
夕焼けの色を考えたとき、あなたは夕焼けにちなんだ想い出のシーンを想起したはず、想い出とはいかなくても記憶の片隅にある夕焼けを思い出したはずです。
写真や絵のような鑑賞芸術を見た場合、上と同じように自己記憶の中を思考が巡り、想い出や記憶の片隅にあるシーンが思い出されます。ここで思い出す記憶は人それぞれ違うにも関わらず夕焼けに関して言えば殆どの日本人は「ノスタルジー」という感情を想起します。
つまり、夕焼けの写真を見る→ノスタルジーまでの間にあなたの記憶である主観的な目線が入っています。

ノスタルジーは客観的であるにも関わらず、客観性は主観的な記憶により想起されるという事です。

人それぞれ主観的な目線で物事を考えますが、それは純粋に自分の考えなのかは正確にはわかりません。全ての人が別々の人生経験を経たにも関わらず、これはこうあるべきだと無意識に他者と共有したり、共感したりする部分が客観性であり、写真においてもある種の正解(ポートレートのピントは目に合わせた方がいい、水平垂直はキチンと揃える等)と思われる要素が客観的な写真だと考えます。

主観的な写真の例として、構図、ピント、色味など、構成要素の一部、又は全てが技術的な要素ではなく(アレ、ブレ、ボケ等)、作家がどのようなイメージを持って撮影したかが重要になります。
客観的な写真の例として、構図、ピント、色味など、構成要素のどれもが極端にズレる事なく技術的な面でのクオリティの高さが重要になります。

上は極端な例です。
主観性と客観性は相反する物ではなく、写真1枚、又は組み写真の構成によってバランスを変える事ができます。
主観的すぎると他者の理解が難しくなり、客観的すぎると作家のコンセプトやテーマが伝わりにくくなります。

又、文章で補う方法もあります。
コンセプト、テーマの部分を作品のステートメントとして載せたり、日々のSNSなんかで呟く事で伝える事もできます。
個性とは写真のクオリティだけではなく、作家の考えを発信していく事で形成されていく外部からの評価も大きなファクターであると感じます。

主観性と客観性のバランスが個性で大きな役割を果たしているはずです。
今まで撮影した作品の主観性と客観性のバランスを考えて自己分析する事で、自身の写真の傾向と今後の作品制作、発表に役立つかもしれません。

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