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おれの、漫画の描き方

こんにちは、武田登竜門です。
年の瀬ですが、もう年の中盤くらいで2022を振り返ったかのような記事を3本もぶっ放していたため、そういうのではなく、漫画の描き方について記したいと思います。参考になる人には、なるかもしれない。常に方法とか思ってることとかを頭の中に圧縮(喋る機会がないと)しているのでおならみたいな感じで出力させていただきます。

ーーー以下おならーーー

📚武田登竜門の漫画ハウツー📚

ストーリー・作画について説明します。

📖ストーリーについて


(商業・同人合わせて)まずストーリー作りに着手する時、スタート地点が3つあります。

①移動しつつ恋愛っぽい感じになるのに相応わしいと思えるキャラクターを2〜3体描く(即ち長編)
②「やりたい読後感・味わい」の一つを選び、そうなるように逆算して考える
③「やりたい掛け合い・設定」のメモを組み合わせて、とりあえず話がどう始まって終わるかは流れに任せる


①はBADDUCKSとDOGAに共通する始まりで、俺は長編を描く場合は「知らない世界を移動する話にしたい」というこだわりが今のところ強いので、主要キャラのビジュアルから話を作っていきます。(というか、結果的にそうなっている)

②・③はそもそも「なんかこういうの良いな、と思ったことを書き走ったメモ」が存在している前提です。日々過ごしたり色々見聞きしたりするうちに思った、なんかこういうのいいな、という雰囲気や発言のメモに肉付けをしていく感じで話を考えていきます。②と③の大きな違いは「着地点がどうなるかわからない状態でネームに行くかどうか」かなと思います。③の状態で考えると「このエピソード入れたいんだけどな」「でも削った方がいいな」という取捨選択が最後まで多いです。


既作をストーリー構成のタイプ別に分類してみました。

①移動しつつ恋愛っぽい感じになるのに相応わしいと思えるキャラクターを2〜3体描く(即ち長編)
→BADDUCKS・DOGA

②「やりたい読後感・味わい」の一つを選び、逆算して考える
→楽園、初夜はつつがなく、大好きな妻だった、よかったね

③「やりたい掛け合い・設定」のメモを組み合わせて、とりあえず話がどう始まって終わるかは流れに任せる
→10分後に警察は来た、悪くはねえけど、その時がきたら(、よかったね)


※画像を貼るのが面倒なので単行本などをお手元に置いてご参照ください※

こうして見るとキャラクターのビジュアルを決めているのは長編だけで、基本的に短編は後付けで見た目を考えています。短編と長編の目的は違うと思っていて、短編は「読者に話を面白がらせる」ため、長編は「読者に話を面白がらせつつ、キャラクターへ肩入れできるようにする」ために書いています。
短編のキャラクターは物語のためだけに存在している気色が強いので、基本的に使い捨てます。下書きに入ってもまだ見た目が決まってないこともあります。

長編のプロセス
1.最初にキャラクターのビジュアルや背景・プロフィールなどを掘り下げて考えます。「肩入れのしやすさ」のためです。
2.次に、基本的に旅物語なので、どう終わらせるか、どういう結末にするか、考えます。
3.そして考え終わった後に「物語上の通過ポイント」を決めます。結末に至れるまでの道標のようなものです。途中で変わることもあります。ここでなるべく自分が心底やりたいことを設置しておくととてもスムーズです。
→1〜3で大体、キャラクターが存在する世界の状態が定まってきます。
4.最終的には各話に、アイデアのメモを漁って出てきたネタを全て投入して話を作ります。これは当然「面白くするため」です。なので長編には①②③の方法を全て投入していく感じになります。

私は長編を描いている最中に短編を描けなくなるのですが、全方法を駆使して全ネタを投入しているから、というのが大きい気がします。
とはいえ長編だからといって全てのネタが使えるわけではないので、そこから弾かれたネタから短編のアイデアが浮かんだりしてはいます。その際は書き留めて、「これが終わって気が向いたら描く」のフォルダに保管しておきます。


ストーリーの小手先テクニック

小手先のテクニックです。
まず前提として私は漫画を「サービス」で描いています。自分の思う娯楽を提供したい、なるべく狙った通りに楽しんでもらいたい。自分の基準の「こういう展開がおもしろい」を作りたい。そのためにやっていることの一覧です。短編も長編もその辺は大体同じなのでまとめて書きました。

★とにかくびっくりさせる(かなり大事)
★謎を発生させ、最終的に解明させる
★「恋愛感情や愛着の発生」をなるべく詳細なステップで描く

★「こういう奴、(現実世界に)いるな」「こういう気持ちになること、(現実世界で)あるな」をなるべく全人物・出来事に反映させる
★読者が娯楽以外の雑念や違和感を抱かずに済むように画面やモチーフ、セリフに気を使う(大事)
→具体例:顔が変・セリフがダサい・伏線じゃないのに伏線のような雰囲気になっている・別人のキャラが似すぎている・今日本で流行ってる言い回しを使ってしまっている…etc. は全部直す

★見開きを乱発しない
★読者に説明が必要な事柄がある場合、なるべく説明せずに済むようにこじつけでエピソードを発生させる

という感じです。


まとめると、「何を見せたくて漫画を描くのか」という部分がはっきりしていれば、自分の経験や見聞きしたものと結びついてストーリーはどんどんできていきます。そこを「自分がどう思われたいか」という軸でやってしまうと迷走するのかなというのが個人的な所感です。もちろんそうした野望も人間が活動するモチベーションとして大いに意味のあるものですが、作品に関しては自分をある程度無視して、目的と実力を擦り合わせていく方がスムーズに作れる気がします。



🖋作画について

作画に関しては、先にも述べたように読者の「雑念」を排除すべくやるのが最優先です。目的に応じてそれに合った描き方をするのが基本です。
(作業環境:線画・ベタまでアナログ→スキャンしてペンタブでトーン・色塗り)

作画の目的の種類

●人が「何をどのようにしているのか」を見てわからせる
●景色・人物・その他の「印象」を伝える
●「凝った画面」はいくらあってもいいので、単純に会話しているシーンでも作画には凝る(ただし重要なシーンとはきちんと区別する)→絵だけ眺めても嬉しい状態にする

●本筋には大きく関係しないキャラクターの性格・俺の個人的な好みや遊びを反映させる

こちらは重要な順に並べました。

具体的な目的として例をあげると、「美しさ」「綺麗さ」「ワクワクする風景」「悲しそうな表情」「見たことのない感じ」などです。
私は原稿のラフ状態→下書き状態→ペン入れ途中→アナログ完成まで全部写真を撮って保存しているんですが、電車に乗っていて暇な時などに見返してみて、「悲しそうな表情なのにちょっとキレてる感じに見えるな」とか「ワクワクする風景だけどちょっとパッとしないな」とか「もっと美しくしないと伝わらないな」とか思ったらその都度直す…という感じで作画をしています。
トーンは未だに「おまけ」という気持ちが強いのであまり効果的に使えてない気がしますが、アナログの時点でそれなりに仕上がっていれば画面を見ただけで作画目的はわかるので、あとは綺麗に貼るだけ…って感じで貼っています。貼るとなんとなく色を塗ったような気持ちになるので、手が込んでるという意味では原稿がより良くなって嬉しいです。

絵を頑張る

作画に関しては「すごく頑張る」「(特定のモチーフを)描きたくなくても、ストーリー上絶対に必要なら頑張って描く」「描けなかったら、描けるまで直し続ける」という根性論でやっておりますので、根性です。
やはり自分が作った画像の出来がいいことは嬉しいことなので、自分を喜ばせるためにも頑張るのが吉に決まっています。

ただ絵の世界というのは「自分には逆立ちしたって出せない雰囲気」というのがもう、どうしようもない存在感で横たわっているので、描きたいお話と自分の絵の雰囲気がマッチしていない場合は潔く諦めて自分のできる範囲の話を作るか、逆立ちをし続けるようにめちゃくちゃ努力して雰囲気を会得するか、漫画なんて描かないで別のことをするか、どれかになるんじゃないでしょうか。


余談

「一枚絵」というのがどうも苦手です。
そもそも作画をがっつりやり始めた目的が「漫画を描くため」だったので、イラスト一枚で見栄えのする、趣のある、要は何らかの価値があるものを作るのが非常に難しいと感じます。
だらだらと述べたように、俺はほとんどの場合はストーリーありきでキャラクターを発生させるので、イラスト一枚で評価をされる舞台となると、途端に「特に描きたいものがないな」となってしまいます。既作のキャラクターを描く際も、ストーリーの本筋に合わない状態を描くのは気が引けます。
「人が何かをしている様子」を描くのは好きなんですが、「人がポーズを決めてこちらを見ている状態」を描くのはあまり得意ではないです。その辺やっぱり、向き不向きがあって、俺には向いていないなあと感じます。


※補足 2022.12.31  13:47
俺がこれを全部頭に叩き込んでから描いたというわけではなくて、自然にやっているのを一応分析したらこうだった、という結果の話なので、普通に漫画を描く才能はあると思います

ーーー以上おならーーー

誰かの参考になれば幸いですが、単に俺が言いたかっただけなので特に役立ててもらわなくて結構です。
良いお年を…


武田登竜門

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