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新作『DOGA』


どこからどう見てもDOGA

武田登竜門は現在、『DOGA -of the great arch』※仏題

という新作長編を執筆中です。紀伊国屋書店新宿本店さんで配布していただいたフリーペーパーの裏面に概要が載っています↓

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ペーパー上半分


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ペーパー下半分

●概要●

フランスのKi-oon社と『DOGA -of the great arch-』(以下『DOGA』)という長編を執筆しています。Ki-oon本社はフランスにあり、掲載誌はありません。単行本になる分量の原稿を描き貯めて、その原稿が翻訳され、フランスで単行本が出版されます。武田登竜門初の商業長編本はフランスで発売されます。


日本での発売はいつ?●

☆今年(2023年)の秋頃よりwebアクションにて連載が始まる予定です☆

単行本の発売は来年(2024年頭:フランスとほぼ同じタイミング)、レーベルは同じくアクションコミックスでの発売を予定しています。楽しみだねえ!!!オイ!!!!


●ストーリー●

主人公:ドガ(20)・ヨーテ(27)

広い砂漠の真ん中にある自由都市レウールのスラムで育った少女、ドガと、北方の大陸で広大な領地ソテルナを治める貴族の嫡男、ヨーテ(ヨーテルダ)。レウールを訪れたヨーテは護衛の目を盗んで一人で街を歩いていたところ、強盗に遭い、殺害されてしまう。死の間際に縋った人物、モーリアの手によって機械の身体を得、死んでいながらも意識があり、人間のように振る舞うことのできる奇妙な存在になった。それでもレウールで自由への憧れを抱いたヨーテは、生き返り、人間の身体を取り戻したいと強く願うようになる。そこでモーリアの伝手で出会ったドガという孤児の少女に、財産を分与する代わりに協力を頼むのだが……

要約:機械の男性(死人)と元気な女性が旅をする話


●BADDUCKSから受け継がれる文脈とその無視●

「長く生きた者」「長く生きていない者」「長くは生きられない者」の比較はDOGAにも強く受け継がれていきます。ただ、BADDUCKSでは「長く生きていない者」(主にボズ)が比較的外から眺める対象だったのに対して、DOGAでは「長く生きていない者」すなわち「若者」のふたりが主人公です(片方は死人ですが)。すなわち達観した大人はふたりの外側にいるのです。ですから失敗を多くします。わざわざ禁じられても、やってしまいます。忠告を聞いたり聞かなかったりです。そういう比較的おバカな人間の営みや反発心に対し、私が愛情を向けて描く作品になる予定です。BADDUCKSでも比較的そういった営み(失敗をする、感情で突っ走ってしまう)を描くことが目的ではありましたが、DOGAではそれがより強く明確に、主体的に描かれる予定です。(ペーパーにもうちょい詳しく書きました※画像「ペーパー下半分」参照)

ただ「終わりなき苦悩」「出自への嘆き」みたいなものは主題にはならないだろうなと思います(興味がないから)。そういうのが読みたい人は残念ですが飛ばしてください。

年長者の発言に従った方がよかったり、従わない方がよかったりします。要は現実世界と同じですが、そういうのを楽しんでいただけたら嬉しいです。

あとBADDUCKSと比較すると、主人公達の旅する世界自体がかなり面白いです。まあ地球みたいな場所なんですが、植生や気候、不思議な生き物、不思議な世界、謎の多い歴史も色々とありますので、併せて楽しんでいただきたいです。

そして回りくどく描かれる恋愛要素にも是非注目してほしいです。一大メインディッシュと言っても過言ではないです。めちゃくちゃうまい肉。回りくどい恋愛は、いいですね。


個人的には初の商業長編執筆ということでどうなるかめちゃくちゃ心配でしたが、なんとかなりました。なんとかしました。楽しく執筆しています。


●特殊なケース●

Ki-oon社は本来、日本の作家をスカウトし、フランスで単行本を出し、その後日本の出版社に営業をかける(転載先/再掲載誌を探す)という形で作品を日本に逆輸出していました。ところが私が2023年発表に向けて長編の制作に取り掛かっていたところで、既作である『BADDUCKS』の仏語翻訳のライセンスを同じKi-oon社が勝ち取りました。フランスでの刊行の順番として『BADDUCKS』→『DOGA』であることが好ましいという判断(これには私も賛成です)が下ったのですが、結果として新作の発表が1年延びてしまいました。まさか1年も延びるとは思っていなかった私は大泣きをし、「早く読んでもらいたいのに」と担当のキムさん(当時フランスに出張していた)にSkypeで泣きつき、「なんとかもう少し早く読んでもらえませんかぁ!」と駄々をこねました。「もう描けないかも」とまで言いました。実際にそういう状態だったので。

その結果、フランスで単行本を出すより先に、日本のweb媒体・雑誌社に営業をかける、という特殊な方法を提示してくださいました。

本来であれば第一話は2024年になるまで皆さんにお届けできない予定だったのですが、このように柔軟な対応を取っていただいた結果、今年秋には皆さんにweb連載という形で楽しんでもらえることになりました。本当にありがたいです。(ちなみに今日10話脱稿しました。読んでもらえるのが楽しみです。)

というわけで秋頃まで日本の皆さんは新作が読めないんですが、これでも異例の速さです。楽しみにしていてくだされば幸いです!


武田登竜門

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