猫の反抗期

・・・おう。なんだ。どうしたこっちみて。ご主人様。
あたしゃアンタの飼い猫だが、トイレに居座ってなにが悪い。
いや、用はもうたしたよ。すでに。端っこの方に砂かけてるよ。
だから、踏んでないだってば!汚くないんだって。
トイレの一部のスペースを、部屋のように使ってるだけだって。

あんたらが思ってるよりね。猫にとっちゃペット用のトイレって
案外広いんだからね。ご主人様が旅行先とかで止まるホテルのトイレ考えてみなよ。案外広いだろ?バスタブ付きみたいなもんなんだよ。
ご主人様。困った顔をしているね。そうさ。なんだってこんなトイレなんかに居座るようになったのかって。

・・・反抗期だよ。

いいじゃないかぁ。猫にだってあるんだよそういう年頃が。
あっちゃいけないのかね。理由はわからないけど、なんかうざくなってきたんだよ。ご主人様がいちいち可愛がるのが。よーくみりゃ顔つきだって変わってるはずさ。三毛猫だけに、「みけんにしわが」なんつってね。

「じゃぁね。お留守番よろしくね。行ってきまーす」

あぁ、出かけた出かけた。寒い寒い。ご主人様のヤツ、エアコンあんまり回さねえから寒いんだよな。さて、トイレなんかにいつまでもいないでご主人様の布団に・・・

「あぁ、財布忘れた」

おおお戻ってきた!油断も隙もないね。ご主人様の布団殿てるところなんか見られたら反抗期としてのプライドが許さない。猫は元来プライドの高い動物ですからね。
いやいやご主人様。うろうろしてるけどあたしゃトイレに戻るんですからね。これは無言の抵抗ですよ。ご主人様と、世間に対するね。

さぁてそろそろ布団に行きましょうか。今度こそ戻ってこないでしょ。ふあ〜あ、一人になったら気も抜けて、眠くなってきた・・・。

「・・・ピピちゃんただいまー」

はっ!ご主人様戻ってきた!あ、夜かー!仕事終わって帰ってきたのか!油断してた〜!

・・・布団にいるところ見られた〜!!!

いやいやそういうつもりじゃないんですよ。ちょっとお布団湿ったりしてませんかと思ってね。ほらご主人オネショとかしちゃいないかと思ってチェックしたまでで。いやいや困ったもんですね。さて私はトイレに戻りますよ。ご主人様のことはなんかうざいんですからね。いまわたくし反抗期ですから。プライド高い期にいるんですからね。

「さぁピピちゃん、遊ぼう!」

あ、おもちゃを取り出しましたねご主人様!あの猫じゃらしはたまんなくクセになるんだなー。
でもそうはいかない私は反抗期。遊ぶなんてプライドが許さ・・・な・・・

きになる。もうね。あのじゃらし、いい味だしてるんですよ。

及川光博くらい揺るぎない存在感で。

えーい飛びついちゃえ。キャーキャーキャー!

・・・おほん。私は反抗期なんでした。遊ぶなんて反抗期のプライドが許しません。トイレに戻りますからね。・・・トイレから飛び出して追いかけることにします。キャーキャーキャー!!

こうして、猫じゃらしを追いかけたらトイレに戻る。トイレから猫じゃらしにダッシュする。

・・・て、こらご主人様!いま私のこと「ルンバ」っておっしゃいました!?チキショー誰が自動お掃除ロボットですか!プライドが許さねーなー!!


・・・・・・


ふわ〜遊んだら疲れたなー。
うーんそろそろ眠い・・・。ご主人様も寝る頃か。でもここからが夜更かし猫の時間・・・だ・・・


「ヂリリリ!」

ふぁ〜あ。朝かぁ。はっ!ご主人の腕の中で寝ている!いつの間にか抱えて布団に持って行きましたね私のこと!

・・・まぁ、この寒さじゃほっとかれてたらおそらく凍死してたので仕方ない。許してあげましょう朝くらいは。反抗期のプライドはありますけども。しかし私はちょっと体を許したからといって、すぐトイレに戻りますからね。ふっふっふ。困った顔をしている。その顔が見たいんですよヒヒヒ。さてご飯まだですかねー!

「あ〜、これがいいかなー」

ネットで何かを検索している。・・・なんだ。猫ちぐら!私をトイレから出そうたってそうはいきませんよ。私の反抗期はまだ続くんですからね!しばらくウザがるんですからね!ご主人様を困らせてやるんですからね!あくまで家の主はアタシ!家を守ってる時間はこっちの方が長いんですからね!家賃くらい払って当然です!

ちぐらなんか買うのはやめなさい!反抗期のプライドが許さない!

それに・・・、ご主人の腕の中で眠れなくなっちまうじゃないか。

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