「もう写真展なんてしない」なんて言わないよ絶対 〜 個展「百日」を終えて 〜
こんにちは。トサノコージです。
お久しぶりです。
初の個展となった写真展「百日」は先日の日曜日に無事終えました。
開催までの3週間ほど、毎日note 連続投稿でしつこくアピールをしてきましたが、一段落。
今後は好きなタイミングでnote はツラツラと書いていければと思います!
文章を書くことは好きなので。
で、せっかくなので写真展を行ったことに対しての振り返りや感想などをここに記録しておければなとおもいます。
主に自分のための記録ではありますが、どなたかの参考になったり、読み物として少しでも楽しければいいかなと。
それでは。
写真展「百日」をやろうと思ったキッカケとそれまで
まず、開催を決めたキッカケについては下記の記事を読んでいただくとして、こんな弱小アカウントのカメラマンが個展を開くのはもう勢いでしかなかったです。
やると決めてから経験や反省を蓄積しよう、と思い立って見切り発車ではじめました。
そして個展タイトルにあるように、展示のための準備は実質100日前から始まっていました。
なんとか昨年12月27日から100日間毎日写真を撮り続け、Xやスレッズに毎日組写真を投稿し、インスタにリールをあげ、残り3週間はここnote に文章を書き続けてこれました。
まあ、100日目(準備日)は作業が楽しくてうっかりポストを忘れていたんですがね!
これ、毎日投稿を謳うなら日付が4/4であるべきなんですよ…。
ドヤ顔で「百日(きりっ)」とかキャプションつけてるのがもう黒歴史です。
わすれることにしますね。
なんの話してましたっけ?
あ、そうそう。写真は別に撮ってて楽しいのは変わらなかったんですが、動画に関しては迂闊に動画毎日投稿を始めたのは後悔していました。
写真はわりといかようにもごまかす術があるのですが、動画って撮影自体にも数秒の時間を費やさないといけないし、明確に「動画向き」なシーンってあるんですね。 それを写真展のためのおまけ感覚で毎日続けるのはなかなかしんどかった記憶があります。
まあ、後述しますが、多くの来場者に喜んでいただける映像が展示できたんじゃないかなとは思っているので、結果としては「やって良かった」なんですが。
12/27~4/4までの撮影データ総量
100日間、毎日写真や動画を撮り続けて溜まったカット数、データ量がこちら。
この写真展のために買った2TのSSDが残り300G程です。
展示作品のための写真や動画は、ほぼすべてFUJIFILM のX-T5 で撮っていますので、確か4000万画素ぐらいだったかな? それと動画はFHDで撮っていますね。
写真に関しては1日あたり180枚ぐらいは撮れているということでしょうか。
実際のところは一日の撮れ高が30枚ぐらいだったり、最多でも500枚ぐらいだったりばらつきはありました。
スナップが中心になるので、これはもう仕方ないことだと思っています。
何名ほど来場いただいたか
正確に確認してはいないのですが、3日間通して50〜60名ほどに来ていただいたようです。
これが多いか少ないかはわからないですが、もう少し宣伝の仕方はあったかな?? と反省はしております。
というのも、「トサノコージ」としての宣伝もSNS 以外ではHubase の村田さんにDM などまかせっぱなしだったし、「トサノコージの中の人」としては宣伝は1mm もしていなかったのです。
これは、あくまで写真アカウントの一個体としての成果を判断したかったのもあり、わざとそうしたのですが、中の人でもPRしておけばもっとご来場いただけたんじゃないかな? と今更ながら考えています。
まあ、実際のところ、リアル友人や写真の師匠、後輩までサプライズで来ていただいたんですが(びっくりした)
ここ一年半頑張ってきたX のアカウントを通じての繋がりが活きていたように感じます。
が、どちらかというと写真はinstagram のほうが主流のようなので、そちらでも今後力を入れていかないとな、といった感じです。
なんならinstagram のアカウントしかないフォトグラファーや写真好きもいっぱいいる模様。
そんな中、リール投稿だけでは効果は薄かったです。
メディア欄の統一感はよくなりましたが、写真展の宣伝には不向きかな。
なんにせよ、今回の展示を観に来ていただいた方には一生感謝しつづけます。
こんな無名の自分の写真に、現時点で少しでも興味をもっていただけたことが、すでにありがたいことなので。
いろんな事情で来られなかったというお声も耳にし、また別の機会に別の展示でお会いできればなとも思いました。
写真展の準備に関して 〜プリント用紙〜
今回自分がプリント用紙にしたのはこちら
ピクトリコのソフトグロスペーパーでした。
紙の手触りを大事にしたいと思い、新宿ヨドバシにいって並んでいる紙をすべて触って見て、決めました。
富士フィルムのクラシックネガをベースにちょっとコントラスト強めを意識した調整をかけることは決めていたので、その明暗の強さを中和するという目的で、この優しい質感の紙に決めました。
光沢がありすぎて暗部がテカるのも避けたかったです。
また、展示枚数が100点になるので、費用的にもスペース的にも額装はハナから考えておらず、直接壁に虫ピンで留めることを決めていたので、実際に展示写真に触れていただいた際の手触りもちょうどいい紙かなと思っていました。
紙のセレクトに関しては狙い通りでした。
が、この紙、何故かA3がのびしかなく、レイアウトに少々困りましたが、それは後述の事前準備でなんとかクリアしました。
写真展の準備に関して 〜プリンタ〜
プリンターに関しては昔買ってほとんど使わずに妻に譲っていたCanonの PIXUS PRO-1 というものを使いました。
妻は写真はほとんど印刷しないので、ようやく本領が発揮できてPRO-1君も嬉しそうでした。
興奮してたのかインク大量消費してくれてましたね。
つら。
写真展の準備に関して 〜展示レイアウト〜
妻にプリンタを自宅からスタジオに持っていくと伝えた時、Photoshopでこんな資料を作ってくれました。
自分が事前にHubase の内観をスマホで撮ってきたものとHPの間取り図から。実際に用紙の縦横比も再現すると「こういう感じにレイアウトできる」が一目瞭然でした。
これだと、事前に100枚の組写真を終えておけば (↑のグレー部分に写真をいれることができる) 準備日に展示写真のレイアウトに悩む必要もないし、バランスをみることもできます。
メチャクチャ役に立ちました。
グラフィックデザイナーすげえ。
写真展の準備に関して 〜映像コーナー設営〜
今回、写真展だというのに同時に映像作品も流していました。
といっても、リール動画100日分(準備日はいれてないので実質99日分)のリール動画をただ繋いだものでしたが。
一日2.5秒を5〜7カットで15秒程度、それを99日分で動画の尺はだいたい25分程度ありました。
写真の展示と違って映像を流す場合、プロジェクタからの投影のほうが雰囲気があるかなと思い、amazon で中国製の10000円ぐらいのものをダメ元で買ってみました。
が、最近は安かろう悪かろう、が一概には言えなくなってきてるので、これも大丈夫でした。
PCやディスプレイから直接、じゃなくて投影映像になると照明が難しくなるのですが、それはまた後ほど。
とりあえず、映像の展示に関してはこんな感じでした。
写真展の準備に関して 〜照明〜
投影映像の場合、その周りは暗くないと見えないのですが、部屋を暗くすると次は主役であるはずの写真たちが見えなくなります。
ならどうするか??
ここで、本職であるカメラマンとしての「ライティング技術」が役に立ちます。
今回、展示会場の照明をそのまま使うのではなく、奥の部屋に関しては独自に照明を組ませてもらいました。
また、これはプリントに対して「自身の見せたい色」をキチンと観てもらう意味もありました。
どうしたって物理的な制約があるので100%思い通りにはいかないものですが、個人的には7割ぐらいはクリアできたんじゃないかなと思っています。
ちなみに、写真以外に持ち込んだ機材がこんな感じです。
実際の業務ではこんなもんじゃないぐらい更に機材が多くなるので、これぐらいは慣れっこです。
催期間中について
なんだかんだ、展示時間中はお昼以降は常に誰かとおしゃべりをしてたんじゃないかなと思います。
自分の分身である写真についていろんな人と真剣にお話をするっていうのは相当に神経を使うようで、かなり疲れましたね。
毎日、帰ってから風呂にもつからず泥のように寝て、朝シャワーな感じでした( ちなみに自分、毎晩湯船につかりたい派です )
今ぐらいの来場者で自分がそれぞれに対応するのはギリギリだったので、これ以上の来場者が一度に来る場合は真剣にペッパーくんの導入がいるんじゃないかな。
いや、ペッパー君は冗談だとして、一度も会話ができずに帰ってしまう人がいると悲しいし、自分はひとりだし、難しいものですね。
ひとつ良かったことが、映像作品を用意していたこと。
これって、映像を見てくださっている間は、たまにお喋りすることはあっても、自分は何もしなくていいし、他の人とお話しててもいいのです。
ソファも用意してたので、長くて25分間ずっと観ていただいたのは自分の対応を分散させるという点でも予想外のメリットでした。
Hubase がカフェバーとしてコーヒーやお酒も売ってあって、映画館感覚にできたのも良かったんだじゃないかなと思っています。
展示写真を何周も観て周ってくださる方もいたし、25分もある映像を最初から最後まで観てくださる方もいたし、それらを交互にしてくださる方もいたし、本当に展示をして良かったかなと思います。
写真、映像を観ていただいた感想など
これだけ点数があると、いつもならどうしてもサラッと流してしまう写真も多いけど、この展示はどの写真も単体で見応えがあって、日めくりにして毎日眺めたいぐらいだ
人の顔が写っていないのに、人の存在が確かに感じられる
見ていると自分も写真を撮りたくなる
目線が下をみているものが多い
写真の展示が少し暗めなのも雰囲気があってよかった
どこか静けさや寂しさを感じる
直線の使い方が面白い
これだけ点数があっても、統一感がある
光の反射やトーンがいい
海外の人がみた日本の景色のようで珍しい(動画)
ずっとボーっと観ていられる(動画)
猫が好き
などなど、ざっと思い出せるものでもいろんなご感想をいただきました。
なかでも「下をみている写真が多い」という感想は、自分でも気づかなかったのですが、確かに高いところから見下ろしている景色や、そもそも足元をみてる写真が多いのです。
空を見上げて「おそらきれい」ってな感じの写真の無いこと無いこと。
これは「なんでだろう??」って考えた時、きっと光とそれが生み出す影を探しているからなんじゃないかな〜と思ったんです。
空には基本的には影ができないので、変化に富む眼の前や足元を見がちなんですね。空には空で、雲の変化や夕暮れの綺麗さはありますが、それでも、自分は影が生み出すコントラストとドラマが好きなんでしょう。
あと、「静けさや寂しさを感じる」というのは、冷静に考えると自分は人の背中や後ろ姿の写真が多いという気付きにもなりました。
このご時世、顔を写して無用のトラブルを避けるためでもありますが、なにより僕は人の背中や後ろ姿に無性に魅力を感じるタイプで、「顔が見えない」からこそ勝手にドラマを想像してしまうのです。
それらのドラマがきっと切なさを含んでいるのでしょう。
街なかでのガッツリ顔の見えてるキャンディドフォトとは逆のイメージですね。あれは「向かってくる」意思や強さなんかを感じて、そういう魅力を感じます。
などなどです。
自分でも気づかなかった写真の傾向や「何故?」が人との対話で知ることができたのが大収穫でした。
あと、SNSに染まりすぎているのか、100枚中縦位置の写真がほんの数点しかなかったのも、衝撃でした。
そう、最近はポートレートでも無い限り横位置ばかりの写真を撮りがちなんです。WEB系の仕事も最近は多いのも影響してるのですかね。
これは、大きな反省点ですね。
写真展「百日」を終えて
正直なところ、趣味写真を楽しむという目的で始めたSNSアカウントで勢いで写真展の開催を決めていしまい、途中で「今日の分を撮らないといけない」という自ら背負った義務感でしんどいタイミングもありました。
60日目ぐらいの中だるみの時期には「もう、写真展なんてしない」と心のなかで呟いていたのですが、終わってみれば
「また、写真展やってみたいな」
に変わっていました。
時間、少々のお金、精神力、身体の不調、といろいろと失うものも多かったですが、それでも明らかに写真展をやることによって得られるものはメチャクチャ多かったです。
展示を決めるまでの流れ、準備、開催期間中の動き、片付けなど、経験が知識として今後きっと役に立つし、なによりも来場の方々と写真について語った内容が自身の写真やこれまで、そしてこれからについて考えさせられる宝になりました。
SNSなどで画面を通してではなく、実際にプリントしたものを目の前で観てもらい、それについて深い対話をする、というのはとても精神力を使うものでしたが、展示を終えた今は3日間お寺に修行にいっていたかのような閃きに満ちています。
これは、お仕事でも趣味でも、今後の自分の写真にとって活きるものになるんじゃないかという確信があります。
以上です。
なんどもお伝えしますが、今回の写真展にご協力頂いたみなさん、ご来場いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
しばらくは「毎日撮って更新しなきゃ」からの開放感を味わいつつ、これからも写真を撮ることを楽しんでいけたらなと思います。
というか、合同展にはいくつかお声がけいただいてるので、それの準備もしなきゃ。
楽しみです。
そしてHubase の村田さん、会場もそうですが不慣れな自分にアドバイスなどしていただいて、本当にありがとうございました。
こちら、撤収前に撮っていただいた自分の後ろ姿です。
それでは、また近いうちに。
トサノコージでした。
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