【FX】単純で超強力。ピンバーを使った最強の逆張りエントリー手法
FXには様々なプライスアクションがある中で、最も単純で分かりやすく強力なサインと言えば「ピンバー」でしょう。
ピンバーは長いヒゲを付けるので視覚的にもインパクトがあって目立ちますし、それだけ多くのトレーダーにも意識されるプライスアクションです。
こちらではピンバーを使った単純なエントリー手法について紹介していきたいと思います。
ピンバーの定義は「ヒゲと実体の比率が3:1以上のローソク足」
まず、何をもってピンバーとみなすのか?ピンバーというのはどこからどこまでを言えるのか、という「ピンバーの定義」についての問題がありますが一般的には
「ヒゲと実体部分の比率が3:1以上の時」
にピンバーとみなすという基準があります。
確かに、実際の相場を見ていると3:1以上のピンバーの方が機能することが多いように思えます。
例えばこのチャートで出た「実体よりヒゲの方が少し長い陰線」なんかは反転のプライスアクションにはなっておりませんね。
これくらいのヒゲだとむしろそのヒゲ先を試しに行くようなトレンド継続の値動きが多くなります。
経済指標発表時なんかはこういったヒゲと実体の比率が微妙なものが多くなったりしますが、それを見て安易に逆張りするとヒゲ先を試しに行く動きにやられるので注意が必要です。
あるいは、次のような上ヒゲと下ヒゲを両方出しているような「十字線」に近い場合にもあまり信用しない方が良いです。
こちらは一応実体とヒゲの比率で言えばピンバーの基準を満たしていると言えますが、上ヒゲとさほど変わらない長さの下ヒゲも出ており、相場に迷いが感じられます。
上記の画像は15分足ですが、これをさらに細かく5分足で見ていくと上ヒゲと下ヒゲが連発しており単にレンジになっているのがわかります。
ピンバーとは要するに「V字反転」のこと
ピンバーは1本のローソク足で表される強い反転のサインになるわけですが、これはさらに細かく見ていくと「V字反転」になっているはずです。
例えばこういう感じで始値・終値・最安値の3点によるピンバーが確定した場合、その中の値動きというのは次のようなV字反転になっているはずですね。
あるいは、始値と終値が逆の位置であっても同じことです。
ピンバーというのは
「V字反転が1本のローソク足という分かりやすい事実で確定した状態」
と言うことも出来ます。
下位足チャートを見てV字反転として見る人と、上位足チャートを見てピンバーとして見る人がいますが、どちらにしてもそれを反転のサインとして見ることには変わりません。
つまり、それを反転のサインと見る人間の母数が増えるのでピンバーという事実が確定すればより反転の根拠は強くなるということです。
下位足より上位足の事実を重んじる人が多いというのもピンバーの反転の根拠の一つですね。
V字反転というのはそれ単体でも強い反転のサインを示しているわけですが、そのV字反転部分そのものを取っていくのはなかなか難しいところがあります。
ところが、このV字反転が確定した後の”二の矢”を取っていくのはそれほど難しいものではありません。
「V字反転が出現した後の二の矢」
を拾うサインとして代表的なものに三尊(ヘッドアンドショルダー)があり、こちらも非常に強力な反転のサインです。
例えばこちらは15分足チャートで出現した底値圏での三尊ですが、こういう風に下位足で出現した三尊のネックライン抜けのエントリーというのは1時間足や4時間足、日足といったさらに上位の足で見た時に
「下ヒゲのピンバー上抜け」
になっているということがよくあります。
見ているチャートの時間軸によって見え方が異なるというだけで、値動きの原理としてはほとんど同じということですね。
下位足よりも上位足のピンバーの方が信用度が高い
これはピンバーに限らずすべてのプライスアクションやチャートパターンに言えることですが、ピンバーが出たからといってそれが即反転のサインというわけではありません。
例えば15分足や5分足といった下位足チャートを見るとあちこちにピンバーが出現してしまったりするので、ピンバーが出現するたびにエントリーしていてはそのたびにやられることになります。
例えばこちらの5分足チャートにおけるレンジ相場において定義通りのピンバーというのはこれだけ出現しているわけですが、明確に反転したと言えるようなものはほとんどありません。
レンジ相場においては5分足や15分足程度の下位足チャートではピンバーがあちこちに出現するので、あまりアテにしない方が良いですね。
もちろん5分足や15分足でのピンバーが見事にトレンド反転の初動を捉えるということもありますが、それはかなりポイントが限定されてきます。
それに比べれば1時間足や4時間足といった比較的規模の大きな時間足で出現するピンバーの方が信用度は上がります。
こちらは4時間足の上ヒゲピンバーですね。このピンバーを起点に50pips以上の下降しています。
ただ4時間足というのは1本のローソク足を形成するのに4時間かかるわけですから、当然その出現頻度はそれほど多くはありません。日足ともなれば24時間かかるわけですからなおさらですね。
私個人が日々のトレードでよく使うのは、4時間足や日足のピンバーよりも
「1時間足のピンバー」です。
1時間足であれば1日のうち24本が出現するのでそれなりにエントリーチャンスがあり、それでいて5分足や15分足といった下位足よりも信頼できるというデイトレーダーにとってはちょうど良い塩梅になります。
4時間足のピンバーというのは、それ自体をエントリーの根拠にするというよりは
「1時間足ピンバーでエントリーしてポジションを持っていたら4時間足のピンバーも確定したのでホールド続行」
という風にポジションをさらに保有し続ける根拠とすることの方が多いですね。
長期足のピンバーが出ても即逆張りではない
いくら長期足のピンバーが信用できると言っても、それでも毎回ピンバーでエントリーしてしまうのは危険です。
例えばこちらはユーロドル1時間足チャートに出現した上ヒゲのピンバーですが、もしこれを根拠に売りエントリーしていれば完全に裏目で上昇トレンドに巻き込まれて損切りに遭うことになります。
5分足や1分足レベルではなく1時間足などの比較的長期時間軸でのピンバーはエントリーの根拠としては心強く感じますが、こういうダマシも普通にあります。
そもそもピンバーというのはトレンド転換を示唆するサインではあるものの基本的にはそれまでの大きな流れに対する逆張りになることが多いので、それを踏まえた上でエントリーを厳選する必要があります。
やはりピンバーというのは
「ここぞという節目で出現した時」
に使うことで非常に有効なエントリー手法へと昇華できます。
「節目」の中で一番わかりやすい例で言えば「前日の高値・安値」というのがピンバーを有効に使うのに最も感覚的にもわかりやすいと思います。
デイトレ勢は言わずもがなですが、スキャルピングトレーダーであっても前日足の高安というのは気にするポイントですよね。こういうところでピンバーが出現すると比較的信用度が増します。
先ほどの画像をもう一度見てもらいたいのですが、実はもう一つ上ヒゲピンバーが出現しておりそちらは見事に反転の初動を捉えています。
先ほどの反転に失敗したピンバーと見比べても「ピンバーとしての形」そのものはそれほど変わらないわけですが、こちらのピンバーの大きな違いは
「前日高値を一度飛び越える形で出現している」
というところにあります。
私は1時間足チャートに日足ローソク足も同時に表示させており、この画像ではピンク点線と水色点線のローソク足がそのまま日足になります。
左側にあるピンク点線のローソク足の高値から引っ張ってきた水平線がそのまま前日高値です。つまり、このピンバーは
「前日高値をブレイクしようと試みたにもかかわらず失敗に終わった上ヒゲピンバー」
ということになります。いわゆる「ダマシ」ですね。
こういう節目を超えられずにダマシに終わった上ヒゲピンバーというのは、ブレイクが失敗に終わったことでこれ以上買い手のフォローがつかずに失速して下降トレンドへと転じていきます。
ピンバーを使った具体的なエントリー手法を考えるなら、
1.ピンバー確定
2.ピンバーの次の足でピンバーの高安をブレイクでエントリー
という単純なものでもそれなりの勝率を得られると思います。
逆に最初に紹介したピンバーの方は、前日高値付近で出現したものはあるものの何度か上に抜こうとそのラインを試している形跡が見られます。
そしてラインを何度か試すうちに段々下への反発が少なくなって安値を切り上げていますね。
こういう風に
「水平線に何度か上昇を阻まれるも段々反発が小さくなり安値を切り上げてブレイク」
というのは「アセンディングトライアングル」というチャートパターンで、最終的にブレイクする可能性が高くなる典型的な形です。
段々反発が少なくなって水平線への信用度が低くなっていき、最後の抵抗でピンバーを出すも結局上へ抜かす力の方が強くてブレイクされたという感じですね。
こういうところで出現するピンバーというのはプライスアクションとしての信用度も低くなります。
やはり「1時間ピンバーで即逆張り」という杓子定規な捉え方ではなくてどういう流れで出現したのかというのを考える必要はありますね。
上記のものは水平線が上へブレイクされる形ですが、上下反対にしても全く同じで下へのブレイクの形は「ディセンディングトライアングル」と言います。
ピンバーを使った天底エントリー
トレンド転換を狙う場合の定番チャートパターンとしてダブルボトムやダブルトップなどがありますが、そのチャートパターンの完成を待っているとチャンスを逃してしまうということもあります。
例えばこちらの1時間足チャートは特に方向感のないレンジ相場ですが、こういうレンジ相場の中にもダブルボトムが出現していますね。
ただ、チャートを見て分かるようにこのダブルボトムはネックラインに到達して完成・・・と思いきやそこで反転してしまってトレンド転換が失敗してしまっています。
方向感のないレンジ相場というのはこういう値動きが結構あって、チャートパターンが完成してからレンジの真ん中からの途中乗りは失速する恐れが高くなります。
こういうレンジ相場では
「なるべくレンジの上限or下限に引き付けての天底エントリー」
が望ましいわけですが、そういう時にピンバーが使えます。
下ヒゲの長いピンバーの出現とその上値抜けでエントリーすることで、ダブルボトムの完成を待たずにこのオレンジの枠内の上昇を取ることが出来ます。
レンジ相場で方向感がないと言ってもこれは1時間足チャートですから、このわずかな上昇の部分だけでも50pips分くらいの値幅があってそのうち20~30pips程は取れると思うとデイトレード規模なら上出来のトレードと言えます。
ただこの天底エントリーというのも単に1時間足ピンバー抜けというだけでは毎回有効なエントリーとはならず、もう少し相場の流れを加味する必要があります。
この天底エントリーについては別の記事で詳細をお話しているのでそちらも参考にしてみてください。
下位足のピンバーでピンポイント狙い撃ち
また、いろいろな節目が重なる場所であればピンバーを利用してピンポイントで狙い撃ちするようなトレード手法も可能になります。
例えばこの15分足下ヒゲピンバーが出現した場面では、
・148.50のキリ番
・(このチャート時点における)先週高値
・4時間足チャネルライン下限
という複数のサポート候補が重なるエリアとなっております。
一見すると急降下の最中にピンバーの出現のみでエントリーというのはものすごく危険に思えますが、長期足の流れを確認しておけばこういったポイントで狙い撃ちの買いエントリーが可能です。
このピンバーを使った逆張り手法について、別記事にて詳しく紹介しております。
こちらは前述の水平線のブレイクアウトがダマシになる時に狙いを絞り、ブレイクアウト飛び乗り勢の損切りを燃料にした反発を取っていくという手法にないます。
①水平線を引いて待つ
②ブレイクアウトがダマシになった時にエントリー
という単純な手法ですが、勝率はかなり高いと言えますので参考にしてみてください。
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