一枚の写真から・・・乘るのを止めたハーレーダビッドソン
アメリカのユタ州へいったとき、「トシ、乗って良いぞ」と、友人のクレッグが言ってくれた。
目の前にあるのは、バイク好きの人には魅力たっぷりのハーレーダビッドソンだ。クレッグがお遊びに使っている1500㏄くらいの大型アメリカンタイプのバイクである。
彼は、私がモータースポーツを職業にしているのと、大型バイクの免許を持っているのを知っているので、気軽にそのように言ってくれたのだろう。
確かにかっこいいし、乗ってみたい気がするが、大きい。いや私にとっては大きすぎる。
跨ってみると、「こりゃ、確かに重い。倒れたら起こすことは無理!」と感じた。
だから、乗るのを止めた。それは賢明な判断だったと思う。
以前、友人のバイクショップオーナーのHさんから、バイクは乗る人の体躯(たいく=からだつき)に合わせて乗るものだと教えられたことがある。
私は身長175㎝、体重は55㎏と細身。だからそのHさんは私に、「あなたの身体なら800㏄くらいが、一番マッチングするでしょう」と助言してくれた。
なるほどそうだ。車なら大型のトラックだろうが、小型の乗用だろうが、ドライバーの体躯は関係ない。小柄であっても、足さえペタルに届けば運転できる。
しかし、オートバイは体躯に合わせた大きさのバイクでないと危険である。
人馬一体という言葉があるが、オートバイは鉄の馬である。だから乗り手とバイクのそれぞれのバランスが一致しないと、乗りこなせない。というよりも危ない。
私には不釣り合いだが、体躯のよいアメリカ人のグレッグが跨ると、大きさのバランスが取れて、実に絵になるのである。
私は彼の好意に丁重にお礼を言って、写真撮りだけさせてもらった。
その時は知らなかったが、後年、アメリカのことをよく知る身内の青年が、ハーレーダビッドソンというのは、ハーレーさんとダビットソンという起こしたバイクメーカーなので、その名をとってハーレーダビッドソンの名にしたのだと教えてくれた。
さらに、「日本ではダビットソンというが、アメリカ人はディビッドと発音するよ」と教えてくれた。
なるほど、そうだったのか。歴史を知ると面白みが増し、その製品にたいしても関心が高くなると感じた。
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