白いカラスVOL-9

諏訪商店に入社し、1番の問題点はやはり卸のDNAが邪魔をして、商品が店頭に並んだ後のことを考えてないことだった。勉強して学んできたことを毎日、ドライブインで試せる環境は本当にありがたかった。そして、社内で皆に伝えたくなる。私は、若い人たちだけど、勉強会を始めた。高校の時、陸上競技を通して、人は成長すると言うことを学んだので、時間はかかるけど、絶対会社は良くなると信じて根気良く始めたよ。若手の勉強会と言ってもほとんど年上だけどね。そして、会社全体での研修を始めるようになる。半年に1回とか、集まって、1日研修する。私が教えて、ワークをして、の繰り返し。そんなことをずっとやっているといろんなノウハウがたまり、一度冊子にしたことがある。全てがうまくいったのかというとそんなことはない。1センチも前に進まなかった研修もあるし、たった1日で会社全体が大きく成長した研修もある。そのうちに、お得意先様のプライスカードやPOPをきちんとわたしたちで用意したり、売り場のコーナー提案が少しづつできるようになっていったと思う。この研修の時に、仕事が忙しくて出れない人とか、途中で納品があるのでと言う人がたまにいた。家族の理由とか、健康の理由は別として、忙しいと言ってきて、研修よりもそちらを優先した人のその後の末路は・・・ちょっとお話できない。
そして、私の人生を大きく変える社員教育研究所の上級訓練に参加することになる。当時の営業の方に、半ば強制的に半ギレ状態でクロージングされた。私より、4歳年下の女性だ。
営業「専務は、研修に参加するとおっしゃいますけど、いつ参加するかはっきりしてください。いつですか?参加するのかしないのかはっきりしてほしいと思います。」
私「2月の参加します。」
人生が劇的に変わった。この時指導いただいた小林先生には本当に感謝しかない。めちゃくちゃ鍛えられた。そして、その後、後継者コースに参加することになる。後継者コースは染野先生。習ってきたことを継続していく。染野先生にも感謝。いまだにお付き合いをさせていただいている。そして仕上げは、日本経営合理化協会の後継社長塾、井上先生だ。井上先生には京都のホテルで、二人きりのエレベーターでずっと説教を受けた。エレベータが上がろうが下がろうが開こうが閉まろうが関係ない30分ぐらい、私の考え方の浅さを指摘された。
こうして私は社長になっていく過程を踏んでいった。

専務時代、まだ社長になる3年前29歳の時だったと思う。私の覚悟を部下に伝えたい。私は意を決し、皆の前で宣言しようと考えた。社員が集まる研修で、私は声を振るわせ
「もし、私が黒いカラスを白だと言ったら白だ。白いカラスを黒といったら黒だ。私の命令は絶対だし、命令違反は懲戒免職をする。どうしても納得いかないなら、上級上司の社長に言ってくれ。私の言うことは、絶対だから、私についてきてほしい。」
顔は真っ青。だが、とつとつと、その言葉を口から押し出した。それから、社内の私を見る目がおおきく変わった。良い方に変わった。視線が私に向くようになった。この時の経験が本当に良かったと思う。それまでは、やはり甘さがあり、そして、部下からの信頼は薄かったと思う。少しづつ信頼関係ができてきたとはいえ、絆のようななにかが足りなかったのだけど、それが私の覚悟だったのだと思う。入社した初日に部下から辞表を叩きつけられてから5年かかって、その時の教訓を活かせたのだと思う。コネクティングドットだね。
せーちゃんと諏訪商店で合流するまであと1年

今回の教訓はこうだ!

「人は、その人の覚悟に着いていく。」

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