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PCR検査陽性が続く場合の「領事レター」

TL;DR (要約)

  • 海外から日本への入国時にはPCR検査の陰性証明が必要

  • コロナ罹患して回復後に、PCR検査が陰性にならないことがあり、その場合は日本に入国 (帰国) できない

  • 検査結果陽性が続く場合の救済措置として、領事館 (大使館) で「領事レター」を発行してもらい陰性証明に代えることができる

  • 「領事レター」の発行を受けたあとに帰国した体験談をシェアします

感染判明〜隔離開始

2022年6月、イスラエルの首都テルアビブへの出張中、帰国のためのPCR検査を受けました。その夜届いたPCR検査結果にて陽性であることが判明。これが現地出発予定日の前日 (木曜日) のことです。

そのままホテルにて隔離 (quarantine) スタート。イスラエルの基準では、陽性となった検査日を1日目として最短5日間、最長7日間の隔離が必要です (2022年6月時点、また、これを書いている2022年8月15日現在も同基準)。7日未満で隔離を終了するには、自身で抗原検査 (Antigen Test) を行って陰性となることや、無症状であるといった条件をクリアしなくてはなりません。(詳しい基準は → イスラエル保健省サイト: Who is Considered Recovered)

隔離終了

自分の場合は、隔離期間中に抗原検査が陰性になることはなく、7日間の隔離期間を満了しました。イスラエル保健省の窓口と電話でやりとりして、8日目である木曜日の夕刻にようやく回復証明書をうけとりました。この日までは Uber Eats 的なサービス Wolt ですべての食事をまかなっていましたが、この日の夕食としてようやく外で食事。ほっと一息。ですが、帰国の目処はまだたちません。

続く検査陽性

隔離期間中は毎朝、抗原検査を自分で行っていました。その結果は上でも書いたとおり、隔離が終わるまでずっと陽性。つまり抗原検査同様に、PCR 検査による陰性証明も取得できずに帰国不可、となることが想定されました。
そこで、隔離が終わる前の水曜日の時点で在イスラエル日本大使館 (の領事班) に相談しました。その情報によると、コロナからの回復後に PCR による陰性証明が取得できない場合、「領事レター」による入国が可能らしい。地獄に仏とはまさにこのことです。

領事レターの申請方法

領事の方の説明では、領事レターの申請に必要な情報は以下のとおり。

  1. 旅券の顔写真のページの写し (写真可)

  2. 帰国便の情報 (現地出発日、日本到着日、航空会社名、便名)

  3. 療養期間経過後に取得した回復証明書の写し (PDF ファイルで可)

  4. 療養期間後に受験した陽性の検査証明書の写し (PDF ファイルで可)

なお、この時点では領事レター発行のタイミングが不明だったので、2番の帰国便はあくまで予定していた内容を伝えました。そして、申請時に予定した便とは違うもので実際には帰国しました。
3番は木曜日に保健省から受け取った回復証明書を添付しました。
4番は「療養期間後」であることが重要です。回復証明書の回復日が木曜日。そこで PCR テストは最速のタイミング、同日木曜日に受検しました (なおイスラエルでは、隔離期間中も病院での受診・受検のための外出が例外的に認められています)。

なお、領事の方とは当初電話で相談していましたが、申請についての具体的な内容以降のやりとりはすべて、メールにて行っています。誤解等のないようにという領事の方の配慮と思われます。イスラエル保健省のやりとりや、当初予定の帰国便のキャンセルなど、隔離中のやりとりにかなりのストレスを感じていました。一方で、領事の方との連絡は非常に安心感があり、救われました。

領事レター申請後の流れ

申請書類4番の「陽性の検査証明書」が届いたタイミングですぐに領事レターを申請しました。ですが、その時点で金曜日午後。大使館窓口は金曜日 12:30 までとなっており、もしかしたら来週になるかも…と思っていたのですが、10分後くらいにメールが帰ってきました。
「東京の外務省に領事レターの発行許可を申請します。発行は翌月曜日になります」とのこと。この時点で東京は金曜夜でしたから、私にはこの返事、光輝いて見えました!
スケジュールの見通しが立ったこともあり、帰国便を再確認。コストやスケジュールを踏まえて、火曜日の夜の便から火曜午後の便に変更しました。また、念のためにその旨を領事の方にも連絡しました。
そして、月曜の朝一番に、領事レターが添付された電子メールを受信。

帰国まで

週末はそれまでチャンスのなかった観光へ。エルサレム、ベツレヘムへのバスツアーに参加しました。
帰国前日の月曜日は、日本入国のファストトラックの申請と、飛行機のオンラインチェックインを行いました。ただし、PCR 検査証明がないため、オンラインチェックインは完了せず。

そこで火曜日は念のため早めに空港へ向かい、一番でチェックインしました。入国時にも感じたことですが、イスラエルはチェックが厳しい!どんな用件でイスラエルに来たのか等、かなりしつこく確認されました。
その後、航空会社カウンターでのチェックイン。パスポートに領事レターを添えて手続きしました。ここでは連絡先 (電話番号) を聞かれた点がちょっと特別な気がしました。これは想像ですが、陰性証明に代えて領事レターでの入国ということで、連絡先を確認されたのではないかと思います。

このあとはすべてスムーズに進みました。セキュリティチェック、搭乗、アブダビでの乗り換えを経て、翌水曜日の午後の早い時間に成田に到着。ファストトラックのおかげもあって、検疫は5分ほどで通過。予定より10日ほど遅くなりましたが、自宅へ帰り着きました。

ちなみに抗原検査は火曜日 (帰国日) の朝、ようやく陰性に。領事レターがあったのでもう気にする必要はなかったのですけどね。
ちなみにイスラエルから領事レターで帰国した第一号らしいです。領事さんに大感謝!ありがとうございました。

おことわり

以上は領事レターの取得についての私自身の体験談です。コロナ治癒後に PCR 検査が陽性のままで帰国できないという場合には、ご自身での最新情報の確認、そしてなによりも、現地の領事館・大使館に相談いただくことをおすすめします。
領事レターについては、一部の在外日本国大使館では情報を公開しているようです (例: 在タイ日本国大使館)。

参考資料

領事レター申請書類その3 「回復証明書」
領事レター申請書類その4 「陽性の検査証明書」
領事レター


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