「新しい」が描きだす新しい暮らし

text by 岡野裕行(皇學館大学文学部国文学科助教

山田さんの『新しい青の時代』が2013年7月7日に発売され、日々の生活のなかで幾度も繰り返し聴くことができる日がやってきてから、10か月近くの時間が経ちました。2009年3月発売のソロ1作目『pilgrim』、2010年5月発売のソロ2作目『home sweet home』のときと同じように、ライブで何度も披露されてきた曲ばかりが収録されたこともあり、それぞれの曲たちを初めて生で聴いたときのことを思い出し、心地よいメロディーやフレーズを確認しながら聴くことができるのは、ここ数年の山田さんのCDを購入するときの楽しみのひとつでもあります。

ところで「『新しい青の時代』に収録された曲たちは、いつ頃からライブで聴かせていただいていたのだろうか?」と思いまして、山田さんのブログの過去ログを遡ってみました(こういう作業を可能にする山田さんご自身の日々のこまめな記録に感謝します)。

①どこへ向かうかを知らないならどの道を行っても同じこと(初演は2011年9月10日の恵比寿天窓switch)

②一角獣と新しいホライズン(初演は2011年9月10日の恵比寿天窓switch)

③光と水の新しい関係(初演は2010年9月11日の恵比寿天窓switch)

④予感(初演は2012年4月7日の等々力巣巣)

⑤平凡な毎日の暮らし(初演は2010年9月10日の恵比寿天窓switch)

⑥月明かりのナイトスイミング(初演は2011年9月10日の恵比寿天窓switch)

⑦やまびこの詩(初演は2011年10月1日の等々力巣巣)

⑧光の葡萄(初演は2011年9月10日の恵比寿天窓switch)

⑨日向の猫(初演は2011年12月27日のカフェ長男堂/2013年1月19日の表参道GROUNDまでのタイトルは「日向の猫とチャーリー・ブラウン」/2013年5月12日の大阪雲州堂のライブから「日向の猫」に改題)

⑩ハミングバード(初演は2009年5月30日の恵比寿天窓switch/2012年2月5日までのタイトルは英語表記の「hummingbird」/2012年3月19日の札幌食べるとくらしの研究所のライブからカタカナ表記の「ハミングバード」に改題)

⑪あさってくらいの未来(初演は2012年9月9日の等々力巣巣)

2009年の曲が1曲、2010年の曲が2曲、2011年の曲が6曲、2012年の曲が2曲という全11曲の構成になっています。月別で見ていくと、9月に発表された曲が7曲と圧倒的に多くて、それ以外は4月、5月、10月、12月にそれぞれ1曲ずつ発表されています。今回のアルバムの発売日は夏の盛りの時期でしたが、収録された曲たちは夏の終わりから秋の始めくらいの時期に、新曲としてお披露目されたものが多いということになります。特に2011年9月10日の恵比寿天窓switchでは、『新しい青の時代』の収録曲のうちの4曲が新曲として発表されていて、この日のライブが今回のアルバムの方向性を強く示していたのではないかという気がしています(この日のライブに足を運べなかったことは今でも悔しく思っています)。『pilgrim』『home sweet home』『新しい青の時代』のソロ3作品のいずれにも、1曲目の歌詞のなかに「9月」という言葉が出てくるのは決して偶然ではないのでしょうね。

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「新しい」が描きだす新しい暮らし

山田 稔明

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