ステップ④-2
【追加書類のリクエスト】

ステップ④までに紹介した書類以外にも、
アーティストビザの場合は『今後の3年計画』を提出するのですが、

このアーティストグリーンカードの場合、今後の仕事を保証する手紙などを雇用主からもらって提出します。永住権を取れた後も確実にこの国で働ける保証はあるのか？と問われるわけです。

他にも細かい書類や手続きを終えたら、遂に移民局に書類を提出します！

そのままうまくいけば、最終面接という段階になるのですが、用意できる書類を全て揃えて提出したのに移民局から再提出の要請が来る場合があります。追加書類のリクエスト（Request for Evidence：RFE）と言われるものです。

※結果がすぐ欲しい場合、ここで2500$のプレミアムプロセス料金を払うと、申請してから15日以内で結果がわかります。(2020年に1440ドルから値上げされています）

一般的には申請してから、半年くらいで結果が分かると言われていますが、こればかりは誰も分かりません。時間に余裕がある場合は通常の申請でも良いですが、いつ来るか分からないストレスや、永住権が必要な仕事が迫っている場合は、こちらも検討してみて下さい。

Request for Premium Processing
https://www.uscis.gov/i-907


初回の申し込みでは高い確率で起こりうる事なので、それも想定をしておいた方がいいかもしれません。僕は運よく一回の申請で通る事ができましたが、アーティストビザを申請した時はそれを知らなくて、最初に再提出の通知が来たときかなりショックで、相当あせりました。再提出の通知が来ても当たり前くらいの気持ちでいた方がいいと思います。

そこで、移民局は何を求めてくるかというと、提出した書類の項目に対して、
「卓越した能力が本当にあるのか？」
「これは本当にすごい事なのか？」
など、内容に関して細かく突っ込んだ質問をしてきます。少しでも隙を見せたら、そこを突っ込まれると思っておいてください。弁護士さんと一緒に移民局に提出する書類を作成する時に、いかに自分に卓越した能力があり、アメリカに残る価値が自分にはあるか、という証明をしなくてはいけません。

アーティストビザ申請時の追加書類リクエストの書類
でも返信すべき項目も記載されているので、それに従い進めていけばOKです（プライバシー箇所は消してあります）

例えば、

Toshihiko Nakazawa possesses a high degree of skill and has performed leading and critical roles for a number of distinguished productions and organizations both in the United States and around the world.
中澤利彦は高い技術を持ち、アメリカ、更には世界中の数々の主要な公演でも重要な役割をこなしてきた

こんな感じの文面で表現します。移民局の審査官は自分の事はまったく知りません。繰り返すようですが、いかに自分がすごいかという事をどうやって伝えるか、が勝負になります。

しかし、このような抽象的な内容に突っ込まれることはあまりありません。相手が質問してくるのは、具体的に過去に出演した公演などに関してのことです。
書類作成の際、自分が過去に行った公演の中で、一番価値のある（著名な新聞に掲載された、世界的にも有名なテレビで自分が放映された、など）ものから順番に書いていく事が多いです。
何百枚もある書類を一番後ろから読む人はいないと思います。ですので、書類も最初のページから読むと思いますし（少なくとも僕が審査する人ならそうします）。
何千、何万もの応募者がいる中でその合否をどこで判断するのか。もちろん僕は移民局の人間ではないので、正しいことは分かりませんが、人間が判断する以上、最初の方にある情報の方が頭に残ると思います。

その中で気になる部分があると、移民局から
「本当にそうなのか？それは事実なのか？？だったら～を証明してみてくれ」
と細かい所を追求されます。そこでその質問に対して的確にその公演の内容や凄さの価値を証明して、それを再提出して認められれば、しばらくしたら結果が返ってきます。（これに半年以上かかるケースもあります）

僕の場合、一つの例ですが、アーティストビザを申請したときに、

アポロシアター・アマチュアナイトで優勝した事を、自信満々に書いて提出したのですが
「アマチュアナイトと書いてあるけど、これってアマチュアが出る大会なんじゃないですか？」
という風に質問されたので、この大会がいかにすごいものかを、追加で推薦状をもらったり、過去にこれだけのアーティストが出場したこと、オーディションを勝ち抜いて優勝したことなどをまとめて答えて再提出しました。

自分では凄いと思っていたコンテストや大会も、第三者からみたら、ただの一つの公演であり、これも何度も言っていますが、自分の事すら、また舞台関係の事も全く知らない人にどうやってその凄さを伝える事ができるか、という客観した目線の表現方法が必要になります。

大事なのは求められた質問に対して、的確に答えること。余計なつけたしは更につっこまれる材料になりえます。
そして、再提出も終え、無事にapprove（承認）されたら
いよいよ、次が最後のステップとなります！！

ステップ⑤
最終面接へ