自作ゲームの紹介~MACIJI(マシージ)~

ご無沙汰しており恐縮です。数理学習研究所の小田です。
数学ゲームのアドベントカレンダーの企画を見かけて、少しご紹介してみたいゲームがあるのを思い出し、久々にnoteを更新してみた次第です。
そんなこんなで、この記事は、数学ゲーム Advent Calendar 2018の21日目の記事です。
ちなみに、アドベントカレンダーなるものは、私も今回初めて知ったので、あまりよくわかっていないのですが、こんな感じでよいのでしょうかね。

さて、「ご紹介してみたいゲーム」というのは、かれこれ10年以上も昔、私が高校生の頃に考案したゲームのことです。
この10年+αのあいだに、実は商品化もして実際に販売もしてみたのですが、正直に言えば、売れ行きはそこまで芳しくありませんでした。
ただ、“数学ゲーム”に興味のあるような人なら好きになってくれそうなゲームだな、とも思っているので、ぜひここでご紹介させてください。

<MACIJI(マシージ)>~~~~~~~~~~

対戦人数:1vs1

必要なもの:紙と鉛筆(筆記用具なら何でもよい)

準備:
・いくつかのマス目に区切られた盤面を用意する(紙に書いておく)。
・先攻・後攻を決める。
・いずれかのマスに「ゴール」を書き込む。

ルール1:
先攻は、まず空いている好きなマスに「1」という数字を書きこむ。

ルール2:
以下、交互に「(後攻)2→(先攻)3→(後攻)4…」と数字をマスに書き込んでいく。
ただし、数字を書き込めるマスは、直前に相手が数字を書いたマスの周りのマス(ななめも可)のみ。
また、すでに数字の書かれているマスには数字は書き込めない。

ルール3:
それを繰り返し、「ゴール」のマスに数字を書きこんだ人の勝ち。

ルール4:
ただし、途中で「次の数字」が書けなくなったら、最後に数字を書いた人の負け。

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基本ルールとしては、以上です。
例えば、4×4の正方形の盤面でやってみると、図1のような感じになります。
このまま進んで図2のようになれば、7を書いた先攻の勝ちです。
また、図3のように“行き止まり”に行ってしまうと、最後に7を書いた先攻の負けです(つまり、後攻の勝ち)。

盤面は、ひとつながりであれば別に正方形でなくてもできますし、サイズも自由に変えて構いません。(ただ、広くなりすぎるとダレるので、5×5くらいがちょうどいい気もします。)
ゴールの場所や1を書き込む場所も、別に右下・左上である必要はありません。
スタートの場所を選ぶ権利は先攻の人にあるので、ゴールマスを決める権利は後攻の人にしておいたほうが丸く収まると思います。

見ての通り完全情報ゲームなので、基本的な戦略としては「先の分岐をすべて読んで、読んだとおりに手を指していく」ということになると思います。
しかし、序盤は分岐も多いので、なかなか読み切るのは難しいでしょう。そうすると、どの段階から分岐を読み始めるか、ということになってきます。
相手より1手でも先に読み始めたほうが有利、というある意味チキンレースでもありますが、読み切ったとしても1手間違うだけで勝敗があっさりひっくり返る、というシビアなゲームでもあります。
終盤に向けて一気に緊張感が高まっていく、なかなかスリリングなゲームなので、ハマる人はハマるゲームかな、と自負しております。
将棋などと違って、長考は野暮、という空気が必要なゲームでもありますけどね。
実際に、プレイ時間もかなり短く、超短距離走的なゲームのつもりです。
ぜひ、隙間時間にでも楽しんでみてください。


ちなみに、オプションルールもいろいろとあります。

オプション1:マス目の形をハニカムにする。

これは「はらぺこ」という名前で商品化した際、盤面にも採用しましたが、基本的なルールは同じです。
既に作られたラインを超えることができないので、また違ったゲーム感になると思います。

オプション2:通行禁止マスを作る。

ゲーム開始前に、いくつかのマスを使用禁止(×などをつける)にしてしまうルールです。
もちろん、そのマスには数字が書けません。
このルールを採用すれば、盤面の枠の形自体が同じでも、ゲームによって違う形の盤面を作ることができるので、“事前に全部読んでおく”というのができなくなります。
通行禁止マス自体をどう設定するか、は先攻後攻で半分ずつ決める権利を持てばいいかな、と思います。

オプション3:ワープマスを作る。

こちらも、ゲーム開始前に、2マスを「ワープマス」に設定します。
片方の「ワープマス」に数字を書きこんだら、次の手番の人は必ずもう一つの「ワープマス」に数字を書きこみます。
ラインが途切れるので、先を読んでいくのが単純に面倒になります。
こちらも、先攻と後攻で1マスずつ決める権利を持てばいいかな、と思います。

その他、何か面白いオプションルールがあれば、適当に遊んでみてください。


あと、最後に「詰めマシージ」も1題。

図のように盤面が進んだとき、先攻は次の「7」をア~エのどこに書けばいいでしょうか。


以上で、自作ゲーム「MACIJI(マシージ)」の紹介を終わります。
せっかくなので、誰かアプリにしてくれる人がいればゆるく募集しています。


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